スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/-- --:-- | スポンサー広告
森山大道「Hokkaido-Northern」polka galerie
ロンドンのテートモダンの日本写真コレクション収集開始と共に、昨年から今まで以上に熱狂的な支持と注目を集める日本写真家の作品達。現代美術において、写真は絵画や彫刻、インスタレーションと少し立場を異にするものだと私は思っているので、このブログでもあまり写真関連の記事はアップしていませんでしたが、「ぐわー!すげー!かっこいー!」と思う展覧会を見ちゃったので書きます。

独自の写真雑誌も発行しているパリの写真専門ギャラリーpolka galerieにて、2013年の1月まで、The Daido Moriyama Cycleと題して3回に分けて我らが日本人写真家森山大道の個展が開催されています。

そのサイクル第一発目として、2012年9月13日から11月3日まで「Hokkaido-Northern」シリーズが展示中。上記のテートモダンの日本写真大量購入と共に、大きな一歩ともなる同美術館でのウィリアム クラインとの二人展も始まり、まさに日本を代表する現代写真家のひとり、いやいや、その最高峰とも言える森山大道。今更ですが、1938年大阪生まれ。

P1010293L.jpg P1010284L.jpg

表通りから入る展示室を堪能したあとは、裏側にある展示室へ。下の写真の左側の建物です。
P1010283L.jpg

« Hokkaido - Northern »はなんと1978年から2010年にかけての30年以上もの長きに渡って撮られ続けた作品シリーズ。第二次世界大戦直後の日本で森山が触れることのできた「北海道」は教科書や雑誌に載っているものだけで、それはニューヨークやローマ、パリなどのように当時の森山にとって非常にエキゾチックな響きを持っていました。そして1960年代初頭に初めて北海道へ足を運び、1978年に長期滞在したのをきっかけにそれから幾度となく、この地と人々を撮り続けたのがこのシリーズ。

P1010288L.jpg P1010289L.jpg

現代の私たちから見るとノスタルジックでありながらも平凡な田舎の日常が、森山の撮るドラマティックすぎるほどの構図で切り取られ、ある種のメランコリーを醸し出す。なんだか見てはいけないものを見ているような気分になります。なんなんだろ、この動物的なエロさと生々しさ。

P1010290L.jpg P1010291L.jpg

P1010292L.jpg

写真の良い展覧会や好きな作品に出会ったときにいつも困ってしまうのが、私にもがんばれば手が届いてしまうかも、っていう値段設定ですね。この展覧会を見終わったときも「ダイドーほしー!モリヤマほしー!」と叫びまくってましたが、そんな余裕の買い物をしている場合ではないので、ちゃっかりポスターだけもらってきました。
お金の問題だけじゃなく、森山大道ほどの強い作品と一緒に生活するほど、まだ私は人間ができている自信も全然ないしな〜。強すぎる作品と共に生きるというのはかなりの労力を使うものです、はい。


第2弾は11月10日からParisシリーズとして、1988年から1990年までパリに滞在、撮影した森山の30点ほどの作品を展示。モネのサンラザール駅やドアノーのパリ市庁舎などの作品を喚起させる作品の他に、何よりも森山のEugène Atgetからの影響を強く感じる作品で構成される展覧会のよう。また第3弾は版画のシリーズの展示があるようです。

11月中旬に開催されるParis Photo期間中もやってるので、写真好きもそうでない人も是非!

お得に楽しめる「Hokkaido-Northern」カタログ。

スポンサーサイト
10/18 04:07 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
Celeste Boursier-Mougenot @ galerie Xippas
9月に入ってすぐの土曜日。パリのアート界中が、バカンス明け今年度初のオープニングパーティーのため街に繰り出しているとき、長い行列のできているギャラリーがありました。それは、galerie Xippas 。行列が出来ているのも、展示作家の名前を見て納得、Celeste Boursier-Mougenot/セレスト・ブルシエ=ムジュノでした。彼は1961年ニース生まれのフランス人アーティスト。展示する場所やシチュエーション、オブジェや生き物を用い、建築空間やヒトやモノ、生き物、空気の動きなどを利用してつくりあげるサウンドインスタレーションで世界的に有名なアーティストです。

彼の今までの有名な作品では、例えばこの二つ。

下の作品は同ギャラリーでの数年前の展示のときに見ました。
こちらは2年前のロンドンはバービカンセンターでの展示の様子。


そしてこちらはビデオを見てるだけでもうっとりとしてくる2009年のサオパオロでの展示。



さてさて、galerie Xippasならではの入り口、アートの神殿に入って行くような気持ちになるいつもの階段を登ろうと思ったら、おおおおーーーーー!
P1010270L.jpg
ギャラリーまで続く階段が岩だらけ。まるで小河を渡って向こう岸へ行くような、山で頂上をめざすような感覚になりました。結構危険ですが、わくわくも倍増。上で何が待ってるんだろう。
でも子供連れや妊婦さんは大変かもね。

と、ギャラリーの展示室に着いてみると、なんだか煤けたにおいがする。においの原因は、黒く焦げてしまったこの5つのミツバチの巣箱。これらの巣箱がスピーカーの役割を果たしているのか、ここからズズズーというような音が聞こえてきます。
P1010273L.jpg

うーん、でも音の出所はどこだろう?と思ってギャラリー内を進んでみると、あった、あった。
もちろんビジターは入れないように鍵がかかっていますが、奥の部屋にミツバチの巣箱とミツバチがぶんぶん。
P1010274L.jpg P1010275L.jpg P1010276L.jpg 
窓が開放されてるんですが、これ、同じ建物の住人たち、会期中大変だろうなー。こちら側に面した窓をあけるとミツバチが入ってくるかもしれないし。


そしてもう一点。U43というタイトルの、台座にくっついたいわゆる黒電話。
P1010277L.jpg
世界中で電話の普及に大きな役割を果たしたこのスタンダードな黒電話。この作品は、検索サイトGoogleにfantome(日本語で「幽霊」)という言葉があらわれる度に、この電話がなるということらしいけど、うーん、なんかぴんとこないな。私は音の出るその瞬間にこの場に居合わせることができなかったからかも。


2012年9月8日から10月20日までの展覧会。
個人的には、すんごく良かった!!ってわけではないけれど、サウンドアートに興味のある方は、是非。
09/20 21:29 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
Daniel Buren 「Monumenta 2012」/ダニエル ビュレン 「モニュメンタ 2012」
だらだらしていたらいつものように会期が終ってしまってました。すいません。パリのグランパレで、2012年5月10日から6月21日まで開催していた今年のモニュメンタキーファー、セラ、ボルタンスキーカプーアと続いて、今年は我らがフランスのアーティスト、というかフランスのスター!ダニエル ビュレンです。
安心感というのか、飽きた感というのか、「ビュレンはいつもビュレンだ。」と皆が思う作品作りを60年代から続けるダニエル ビュレン、しかしやっぱり毎回「やっぱり立派なアーティストやな。」と納得して帰ってきてしまう、そんな、私にとって安定感抜群の作家。

まあダニエル ビュレンは日本でも有名だから、ここでいちいち説明する必要はないかとは思いますが、一応。1938年生まれのフランス人アーティスト。バイオグラフィーにいつも「Lives and works in situ」と記載することでも有名なように、常にサイトスペシフィックな作品作りをしているアーティスト。フランスではもちろん「colonnes de buren/ビュレンの柱」と呼ばれるパリのパレロワイヤル広場の作品や、ニューヨークグッゲンハイムでのインスタレーションでも有名ですし、数年前のヴェネチアビエンナーレではフランス館代表のソフィーカルのキュレーションをしたり、最近ではエルメスとのコラボでカレのデザインをしたりしてます。


P1060878L.jpg
例年のモニュメンタの入り口はグランパレ身廊のメインエントランスですが、今年は違うみたい。メトロの最寄り駅近くの、通常搬送口に使われているエントランスが入り口になっていました。

P1060861L.jpg
こっちね。入り口もビュレンお得意の縦縞鳥居。

P1060865L.jpg
チケット売り場も既にビュレン。

P1060864L.jpg
道路の矢印も既にビュレン。

P1060866L.jpg
さてさて先ほどの縦縞鳥居を越えるとこんな感じ。
トンネルの向こうにカラフルな光の空間が!なんかめっちゃアがる!


P1060867L.jpg P1060868L.jpg
中はこんな感じ。いつもの入り口よりも狭い入り口と出口しか空気が抜けないので、やたら暑かった!
ビュレンとしては、この光を通すガラスを、深い森の中でこもれびが落ちる樹冠のようにしたかったらしく、まあそれはすごくわかる。だから森の奥深くへ入って行くときのような、先ほどのあのトンネルが必要だったのもわかる。様々な色の光が混じり合い、溶け込んで、とても美しいんだけど、これはグランパレの中っていうより外の展示に適した作品なんじゃないかなあなんて、なんだか腑に落ちない。


P1060870L.jpg P1060872L.jpg
こちらはグランパレ身廊中央部分の鏡にいろんな大きさで池のように置いてある円形の鏡。もうスカートはいてる女子のパンツ見放題です。
この部分は私にはちょっと意味不明というか、展示のひとつのアクセントとしてあったんだと思いますが、なんかこれ要る?って思ってしまいました。他の見せ方なかったのかな。でも子供達や家族連れにはここがとても人気でした。そういうのがやっぱりビュレンのニクい巧さなんだろうな。

P1060871L.jpg
こちらは中央のドーム部分のインスタレーション。数年前のニューヨークグッゲンハイムでのビュレンの個展を彷彿とさせますね。

P1060874L.jpg P1060876L.jpg
で、こちらがグランパレの上階から見た景色。
これを見た瞬間、私としては膝をぽんと打つような「ああ!そうか!」という満足感がありました。
写真ではべたーっとしてしまってわかりにくいかと思いますが、このオレンジ、黄色、水色、緑から成る円状のガラスは、4,5個の様々な大きさがあって、プラス、ほんの少しずつ3、4の違った高低がついています。
この微妙な大きさと高低の違いが、インスタレーションを上から見ると、まるで池の水面を眺めているように見えるのです。それは自然光の動きや変化を描こうとしたフランス印象派絵画や、まさにモネの「睡蓮」シリーズを想起させる、3次元体験型印象派インスタレーションとでも呼びたくなるような展示でした(おおげさ?)。まあこれは私が見えたもので、この展示をご覧になった方たちは皆違ったものをここに見ただろうとは思いますが。

またビュレンは、このグランパレの身廊という巨大なスペースの「空気を彫り、そこに形を与え、光を捉え、色を与える」ということをしたかったとインタビューで話しています。なんかもう「そっかー。それできてるわー。」と納得しまくり。いつもおんなじとか言っててすいませんでした、ビュレンさん!

それでも私はやっぱり彼の初期の60年代の作品やBMPTの作品を知ったときの衝撃が半端無かったなら、あの頃の作品のほうが好きだな!

左はモニュメンタ、ダニエル ビュレンのカタログ。


イタリアのコーヒーメーカーilly社は現代美術家デザインのカップ&ソーサーを出してる。こちらはダニエルビュレンのもの。ちょっと欲しい。

07/09 01:51 | 展覧会 | CM:1 | TB:0
Vincent Lamouroux 「Néguentropie」@ Abbaye de Maubuisson
去年から今年にかけて、初夏に楽しいパリ郊外のアートセンターに行くことから遠ざかってましたが、突然思い立ったようにAbbaye de Maubuisson/モーブイッソン修道院ヴァンサン ラムルー/Vincent Lamourouxの個展のオープニングに行ってきました。

Abbaye de Maubuisson/モーブイッソン修道院とは、パリから電車で1時間半、車で1時間くらいのところに位置するVal d'Oise県にある、その名の通り元修道院をアートセンターにした場所です。
P1060918L.jpg P1060919L.jpg
いつもはセンターがオープニングのときに無料で出してくれるパリからの往復シャトルバスに乗って行ってたんですが、今回は突然すぎてもうバスが満席、仕方なく電車で行くこととなりました。遠足みたいで電車に揺られるのはそれなりに楽しかったけど、やっぱり時間かかったー。
とやっと到着すると、既にスピーチが始まっていて、そのあとビュッフェ。とりあえず食べて飲む。


ヴァンサン ラムルー/Vincent Lamourouxは1974生まれのフランス人アーティスト。ここ10年ほどフランスを中心にヨーロッパ、世界で活躍し、モニュメンタルな彫刻インスタレーションや体験型インスタレーションを発表し続ける若手作家です。

この展覧会に急に「行きたい!」と私を思わせたのは、宣伝用の写真がこの修道院内にできた砂山を作ってる途中の設営風景だったから。まさにヴァンサン ラムルー的なインスタレーション。彼は様々な美術館、アートセンター、ギャラリーで、空間の隅々まで使い尽くし、時にはアミューズメントパークのアトラクションのような、時には建築のスケールを持つ彫刻のような、そんな作品をいつも見せてくれます。
P1060922L.jpg P1060921L.jpg P1060920L.jpg
アーチと柱が均等に連なるひんやりとした修道院の中、このような空間に入ったときにビジターが思わず天井を見上げてしまう高さの感覚、そしてアーチと柱によって分断された同一の核の連続性が与える広がりの感覚は、突如現れた砂山によってすっかり混乱させられてしまいます。またこの上を歩いたり登ったりする私達の動きと時間によって、この砂でできた彫刻は、まさしく浜辺の砂のお城のように常に変化し、修道院の静けさと相まって、まるで遺跡の中にいるような幻覚を私達に与えてくれます。


第二の展示室にはこの巨大かたつむり。というか、かたつむりの家。
P1060923L.jpg P1060925L.jpg
その成長とともに住みかである殻を発達させていくかたつむりと同じプロセスで作られた彫刻。ダンボールを石膏でかためてできています。まあ、ふうん、というか、なんかアニッシュ カプーアみたいやな、というか、それ以上でもそれ以下でもないな、という作品。


そして第三の展示室は最初の砂山と同じ。展示説明を読むと、円形のものが吊るされていたようですが、私はなんにも気づかなかったなあ。
P1060927L.jpg P1060926L.jpg


そんなわけで、毎回展示自体はいくつもいくつも見るものがあるっていう数勝負のアートセンターではないですが、たまにはパリから離れておいしい空気を吸いに行く、数時間過ごす遠足場所として最適です。どの展覧会も今回のヴァンサン ラムルーのようにサイトスペシフィック型の作品を中心にしているし、ここでしか見れない作品、という意味では、オススメのアートセンター。
P1060929L.jpg P1060930L.jpg
P1060933L.jpg P1060931L.jpg
もちろんピクニックの用意もしていくと楽しさ倍増ですね。

 



07/09 00:25 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
Mircea Cantor/ミルチャ・カントル 「More Cheeks Than Slaps」展
13区の中華街から南に行ったIvry sur seine市にある現代アートセンター、le Credacは、パリ郊外にいくつかある現代美術を見せるアートセンターのなかでも、ディレクターClaire Le Restifの敏腕が光る突出した場所。
去年まではメトロのMairie d'Ivry駅から徒歩2分ほどにある建物の地下に結構広い展示空間を持っていたのですが、2011年秋からla manufacture des oeilletsと呼ばれる元ボタン穴工場だった建物に移転しました。2009年にIvry sur seine市よって買い上げられた同建物にはCentre dramatique national du Val-de-Marne/ヴァルドマルヌ国立演劇センターとThéâtre des Quartiers d’Ivry/イヴリー劇場も入っています。

そんな今後が期待されるle Credacの移転後最初の展覧会は、1977年生まれのルーマニア人アーティスト、Mircea Cantor/ミルチャ・カントルの個展。2011年の横浜トリエンナーレにも出展していたらしいので、ご存知の方も多いかもしれません。

パリでは、若いのに老舗の有名現代美術ギャラリーYvon Lambertの取り扱い作家なので、ギャラリーでの個展をはじめ、パリのトリエンナーレla force de l'art 2009にも参加していたし、彼の作品を目にすることはよくあります。

展覧会はもう終わってしまったけど、新しい空間とうまくコラボできてる展示だったなあとふと思い出し、ここに書く事にしました。


さあ新しいle Credacに到着!原チャリで行ったのでメトロの駅からどれくらいかかるのかいまいちわかりませんが、徒歩で充分行ける距離だと思います。前にメトロあがったとこの建物にあったときよりは遠くなったけど、わがままは言わない言わない。
P1060082.jpg P1060084.jpg
ここの4階。身体障害者以外は階段で、と書いてあるのでがんばって登りましょう。


P1060085L.jpg P1060086L.jpg
さて4階に着いてすぐ、受付の左側のスペースがこちら。
パッと見には飛行機の作品だけに見えますが、ここには3点展示されてました。
まずは真ん中のFishing Fly。使い古された石油缶を組み合わせて作られた戦闘機の形をした作品。機体胴部には大きな金色の釣り針がくっついています。
なんかよくわからんけど、このインスタレーションが良かった。パリのような歴史的な建物が並んでいるのではなく、決して美しいとは言えない開発途中のイヴリーの街が見渡せるガラス張りの窓が大きくとられた空間に、まるで空から不時着してきたかのように見えるおもちゃのようだけどなんだかすごくかっこいい戦闘機。うまいなあ。

そしてこのスペースの壁に、小さなコラージュ作品Fishing Fliesも展示されています。これはアーティスト自身が小さい頃に集めていたチューインガムを買うとついてくる飛行機のシール。戦闘機なんかの子供向けにしてはアグレッシブなシール69枚には、Fishing Fly同様、釣り針の形に切り取られた金箔が胴体部分に貼ってあります。

そしてもう一点、このアートセンターに入ると聞こえてくる子供の声「アーイ ディッサーイドゥ ナットゥー セイヴ ザ ワール!」地べたに置かれたビデオ作品I Decided not to save the world。最初は子供が叫んでるだけで、何を言ってるのかよく聞き取れないこのセリフ、非常に短い間隔でループされるビデオなので、そのうちいやがおうにも「僕は世界を救わないをことに決めたよ!」ってたどたどしく、でも大声で宣言してるのがわかってきます。で、それがわかった瞬間になんとも言えない気持ちになるんですよね。

受付をはさんで右側は、飛行機の展示ルームに比べると少し小さめの空間が二つ。
最初の空間には大きなガラスに虹が描かれた作品、Rainbows。なんてことないんだけど私が「わー、いい!」となった作品。
P1060087L.jpg P1060088L.jpg
近寄ってみると、虹は一点ずつはんこのように押された親指の指紋でできあがっていて、虹ではなくて、七色の弧を描く有刺鉄線であることがわかります。このへんがいかにもミルチャ・カントルですねえ。

次の部屋に行く入り口には展覧会タイトルのMore Cheeks Than Slapsと書かれたネオンが、正面に設置された鏡に反射しています。
そして最後の作品。Tracking Happinessというタイトルのビデオ作品はMircea Cantor/ミルチャ・カントルの代表作でもあり、ヨコハマトリエンナーレでも展示されていたので見た方も多いでしょう。
ミルチャ・カントルの作品ではよく「7」という数字が使われます。たとえば先ほどの虹ももちろん7色。そしてこのビデオでは「7」人の細く白い女性たちが、ダンスをするように円や線を描きながら、見ている私達の心がやすらいでいくような優しい一定のリズムで、地面に敷き詰められた白い砂をほうきで掃いていきます。
P1060089L.jpg P1060090L.jpg P1060091L.jpg
まるで雲の上をそうじしているように、自分たちの歩んだあとの足跡さえも消しながら、もくもくと終わりのないそうじを続ける女性達。最初は平和なだけの映像に見えていたものが、だんだんなんだか空恐ろしい光景に見えてくる、地球上で起こる醜い出来事を消そうとするかのように、彼女達は永遠にそして無力にほうきを右へ左へと動かし続けているにも見えてくるのです。

今までに見たインスタレーションでも思ってたことですが、ミルチャ・カントル の展示を見るといつも「自分の作品を既存の空間にうまく調和させながら展示するのがうまいなあ。」と感心します。作品自体は「空間」というものに対する何らかのアプローチをコンセプトにもってきているものでは全くありません。ただまるでそれぞれの空間が、彼の各作品のために作られたかのように思えるところがあるんです。もうこれはセンスの良さというしかありませんね。

次の展覧会はフランス人アーティスト、マチュー メルシエの個展。
パリからとても近い郊外なので、是非一度足を運んでみてください。


こちらはミルチャ・カントルのカタログたち。




01/17 03:30 | 展覧会 | CM:1 | TB:0
template design by takamu
Copyright © 2006 takamu All Rights Reserved
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。