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いや~な思いをした。


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私の働くギャラリーが出版したカタログがいくつかあります。
それらのカタログは、展覧会の作品の価格リストやビオグラフィー、プレス記事、はたまた芳名帳なんかと同じところに、ビジターさんたちが閲覧&購入できるように置いてあります。
パリの多くのギャラリーには入り口付近にカウンターがあって、そこに1人か2人のアシスタントさんが常時デスクをかまえていて、閲覧できる資料やカタログの管理、ビジターさんたちからの質問なんかに答えるには便利になっています。しかしそのカウンター部分が私の働くギャラリーにはないんです。まあ私のデスクは、事務室部分でも最も展示ルーム部分に近い場所にあるので、ビジターさんの相手をするのは結局私になるんですが、やっぱりカウンターみたいに、展示ルームの一部にデスクがあるわけではないので、自分の仕事に集中しやすいのです。カウンターに誰かがいるときっと、ビジターさんたちも質問や会話をしやすい雰囲気が生まれるし、そうなるとビジターさんにかかりっきりになるだろうし、仕事もはかどらないでしょう。


今日の記事のタイトル、「いや~な思いをした。」というのはそういうことと絡んでます。
だってね、人の目を盗んで、その閲覧資料が配置してあるところにおいているカタログを持って帰る、はっきり言いますと盗む人がいるからです。

今日はビジターさんが多かったので、結構気にしていて、私がデスクを離れるときなんかは、他のアシスタントさんに「今日はビジターが多いから、こんな風に思うのはいややねんけど、カタログ盗まれないかちょっと見ておいてね。」なんて言ってたんですが、夕方頃、やっぱりやられました。それも2冊も持っていかれた!チクショー!

カタログなんて20ユーロくらい。そんなくらいでごちゃごちゃ言うのはイヤですし、別に私のお金じゃないんやけど、なんかいや~な気分になる。

なんでそんなことするんやろう?あーいやだいやだ。



今ふと思ったんですが、カタログ関係ではお金持ちのコレクターにもよくいや~な思いをさせられます。
世の中のお金持ちコレクターは、現代アートのために何百万、何千万という金額のお買い物をぽ~んとできるのに、カタログとかアートフェアの招待状とか、10ユーロ20ユーロの単位のお金はどうも絶対に払いたくないらしい。

カタログでは、ギャラリーにたくさん在庫があればなんぼでも進呈しますけど、「このカタログ、もうギャラリーに在庫がなくって、ちょっとお渡しできないんですが~。美術館に(もしくは出版先のギャラリーに、もしくは単純に本屋さんに)直接お問い合わせいただけませんかね~。」なんて言っても、絶対譲らない。あんたたち、自分専用の秘書とかいるんでしょ!その人に頼みなさいよ!っていうかお金払いなさいよ!と小市民の私はココロの中で怒ってます。

アートフェアの招待状なんかでも、フツウに一般ビジターとして買えばいいのに、それは彼らの沽券に関わるのか、当日に電話をかけてきては「招待状ないの!」なんて半分怒ってる。そりゃ当日じゃもうみんなに配ってますからないです。あんたが怒ったってないもんはないんです。


あーいやだいやだ。ばかばかしい。



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11/25 04:29 | 出来事 | CM:2 | TB:0
運び屋kana


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下っ端kanaのギャラリーのお仕事の中で、「運び屋」というのがあります。
美術運送業者に頼むまでもないような比較的小さい作品を、パリのメトロやタクシー、はたまた徒歩なんかを利用して、時にはコレクターの家へ、時には美術修復家さんのところへ、時には額縁屋さんのところへ、時にはギャラリーからギャラリーへと運ぶのです。

今日は先週購入された作品をコレクターさんの家へ運び、帰りに小切手を持って帰ってくるということをしました。普段の私なら「こんなくらいならメトロで余裕!」と言い切って、果敢に出て行くのですが、今日行くところはメトロの乗り換えが邪魔臭そうなところだったし、雨も降っていたので、みんなの「そんなもんタクシーで行き!」というありがたい意見を汲んで、楽しました。

そのタクシーで、運転手さんと
「何を運んでるの?」
「絵ですよ。」
「いくらくらいするの?」
「これは6000ユーロですよ。」
「へー!何のために?」
「コレクターの家に飾るために?」
「へー!そんなん飾ってる家もあるんやねえ。」
「君のギャラリーにはもっと高いものもいっぱいあるの?」
「これは紙に油絵の作品ですから安いほうですよ。絵画ならもっと高くなりますよ。」
「へー!でもそういうのんを買う人はお金持ちやから、6000ユーロの買い物なんてふつうなんかねー。」
「そうですねー。下っ端の悲しいギャラリーアシスタントでしかない私にとっては何でも高いですけど、高いか安いかなんて、すべて相対的な概念ですからねー。」
「ほんまやなー。いつか宝くじにあたったら、君の働くギャラリーで買い占めに行くわ!」
「是非是非!そのときは私の名前出してくださいよー!マージンもらえるかもしれないし。」
なんて。


運んでいる作品の値段を聞かれたときは、「ひや、誘拐されるやろか。脅されるやろか。」と意味もなく心配になった小心者の私ですが、今までこうやって数々の現代アート作品たちを運んできたなあと思い出しました。

一番辛かったのは、額縁屋さんに預けていたゲルハルト リヒターの写真に絵の具で彩色した作品を、絵の具が額縁のガラスの部分にくっついてはがれないということで美術修復家さんのところに運んだとき。真夏のとても暑い日で、額縁屋さんで作品を受け取ったのはいいけれど、普段はパリでつかまりにくいタクシーをつかまえるのを特技としている私なのに、その日は何故かつかまらない。空きタクシーが来ない。そのうえ結構大きくて重い作品を抱えているので、動きが鈍くなってしまって、暑くて汗はダラダラでてくるし、タクシーはつかまらないし、「ゲルハルト リヒターの作品(めっちゃ高い)なんて抱えてこんな人通りの多いところにいて、そのうえガラスの額縁やし壊れやすいし、もーどーしたらえーのー!」と泣きそうになっていました。
結局タクシーは額縁屋さんからかなり離れた大通りで何分も待ってつかまえることができました。
自分へのご褒美に修復屋さんのところについてからは、やけにそこに長居して、彼等の作業を観たり、修復中の作品の過程を説明してもらったり、社会見学満喫しました。

一番怖い思いをしたのは、私の働くギャラリーから比較的近い場所に位置するほかのギャラリーまで、マックス ベックマンの作品を取りに行ったとき。
ギャラリストに「○○ギャラリーにまで作品を取りに行って。ギャラリーの名前を出したらすぐわからはるから。」ということで、一体誰の作品を受け取りに行くのかも何も知らずに行ったのです。ほんで着いてみて、ギャラリーの名前を出して私の前に現れたのはマックス ベックマンの素晴らしいデッサン。うっひょー!と思うのもつかの間、「じゃあ良い一日を!」と言われて送られました。今なら「あの、目隠しのためだけでもいいですから軽く梱包してください。」だとか、前もってそのギャラリーに電話して梱包されているかどうか、もしもされていない場合は自分で梱包グッズを持って行くなんてこともできるんですが、その当時はまだ研修生で、右も左も分からない頃。
「ええー!」と思いながらも、丸見えのマックス ベックマンを両手に抱えてギャラリーへと帰って行ったのです。その途中にはポンピドゥーセンター横にあるニキ ド サンファルの彫刻がある噴水があって、子供たちがこれまたサッカーしていたんです。子供のサッカーやし、ボールはどこに飛んで行くのか予想不可能。上記の場合は暑くて出る汗&デブ汁だったんですが、今回はひたすら冷や汗でした。


本当に低賃金肉体労働者は辛いよ。

だから、パリで作品ぽいものをヒーフー言いながらメトロもしくは徒歩で運んでいるちっちゃい日本人の女の子を見かけたら、それは私だと思うので、遠慮なく誘拐してください。


でも私の心配より作品の心配のほうがされそうなのも、悲しき下っ端の人生。

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10/03 05:06 | 出来事 | CM:0 | TB:0
それが愛ってもんだから。


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今年から(フランスでの一年は9月から始まります。)、私のデスクがギャラリーの展示ルームから、事務所へ入ってきてすぐの場所に配置替えになりました。以前までは事務所の奥の奥の位置にあったので、一般のビジターが何か質問があっても、私がお答えするという立場ではなかったわけです。でも今年からは私がフルタイム(私の働くギャラリーのアシスタントさんたちはみんながみんな、フルタイムで働いているわけではないのです。)で働くアシスタントさんたちの中で、まあまあ一番愛想が良い(どんな基準やねん!と日本人からしたらつっこんでしまうところですが)というわけのわからない理由でデスク移動に至ったわけです。

だから結構てんてこまい。ストックの管理やカタログの管理、委託販売やプレス相手の資料制作, 研修生へのお仕事配分、そしてその他諸々の作業などに加えて、しょっちゅう「すいません。ちょっと質問なんですが、、、」なんてせっかく集中していた仕事もうっちゃって、ビジターさんたちの質問にできるだけお答えするという役目も増えました。そのうえ、私は人の名前をなかなか覚えられないうえに、外国人の顔はみんなおんなじに見えてしまうという、フランス滞在7年目にして非常に恥ずかしい欠点を持っています。特に現代アートコレクターのおっちゃん、おばちゃんの顔はほんまに一緒に見えてしまって大変です。作品なら一目見ただけで、タイトルや年代もすぐに頭にインプットされるのに、なんででしょう?

まあそんなことはどうでもいいとして、コレクターとまではいかないまでも現代アート愛好家の方たちが、「あの作品のお値段は?」としょっちゅう聞いてきます。「あー、そこのリストに載ってるんやけどなあ。」と思いながらも「でもこれもお仕事」と思い直し、展示ルームの作品の前に立って説明したり値段を言ったり(交渉するにはほど遠い下っ端ですので)するんです。まあどっちみち毎回オープニングのときにほぼ完売なので、展示ルームには置いてない他の作品や、少し古い作品、ビジターさんの好みがわかれば、他のアーティストの作品を勧めたりします。

そして今日、あるビジターさんがまだ売れていない作品の値段を聞いてきて、そのうえいつも5、6人の人間が働いているギャラリーで偶然みんな昼食に出払っていて一人だったので、「あー大切な電話かかってきたら困るなー。」なんて思いながらもお話をきいていたんです。

「あそこに展示されてる作品はいくら?」
「22,000ユーロです。あの作品はまだ売れていませんよ。」
「そうか、その値段なら今月末待たないといけないな。」
「ではリザーブしておきましょうか?」
「俺の女のためなんや。」
「は?」(「俺の女」という言葉に少し驚く。「私の恋人」とか「私の彼女」とか「私の妻」とか言うことない?)
「クルマ買うのが遠のくな。」
「はあ。」
「連絡先を残していただいたら、イメージをメールでお送りしますよ。もしくはアーティストの資料なども郵送できますよ。」
「でも俺の女に見せてからにするわ。そのときにあいつが気に入ったら、即買いするわ。」

そのビジターさんは、あとから考えると男性っぽい格好をしているけれども、私よりも若そうな女性。おっぱいもあった。うん。

へー。彼女のために22,000ユーロぽんと使えるのかー。若そうやのに稼いではるんやなー。と思っていたら、

私の思考を読むように
「それが愛ってもんやからなー。」
とたいしてお話しをすることもなく、さくっと帰っていかれました。

でもあとからぼんやり「も、もしかしてあれは自慢か?俺、彼女いるねん、っていう自慢か?正真正銘の冷やかしか?」と私の頭はエスカレートしていったのでした。
でもなんかかわいい。とても和みました。

ほんまに今週か来週に彼女と戻ってきはって、彼女がその作品を気に入って、その場で購入されたら、めちゃくちゃかっこいいなー。

そんな彼氏(?この場合は彼女?)欲しい。

今日は、なんだか狐につままれたようなギャラリーでの出来事でした。

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09/21 03:48 | 出来事 | CM:3 | TB:0
作品が購入されるまで


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アート界のみなさん、そして世界中の現代アートコレクターたちは、この一週間はスイスのバーゼルに大集合のようですね。ギャラリーには大してビジターもいないし、結構ヒマです。そんな私も今週末にはバーゼルにお手伝いに行きます。


しかしフランスアート界は動いてます。今日はFNAC(Fonds Nationals d'Art Contemporain:国立現代アート基金)に行ってきました。

なぜかというと来週の6月22日と23日にはFNACによる作品購入のための会議が開かれるので、ギャラリーから立候補させる作品を美術品運送屋さんのトラックに乗せて、La Defence(ラ デファンス)地区にある基金まで運んだのです。

パリにあるギャラリーからの立候補作品は、ギャラリーから1人の代表者が運送屋さんに付き添わなければならないことになっています。

私の働くギャラリーからの出品作品は2点。1点は現在グランパレに展示中なのでCD-ROMに焼いたイメージのみ。そしてもう一点は紙に油絵の作品。

今日の10時から12時、14時から16時半の間に、作品とともに、アーティストに関する申請用紙、作品に関する申請用紙を提出し、その場で作品点検がFNACの係りの人によって行われます。

私たちが到着したのは14時ぴったりだったので、一番に点検してもらえたしギャラリーからの作品は額に入っていたので
「作品が波打ってますけど、どのように貼り付けられているんですか?」
「は?紙に油絵なんで波打つのは当たり前じゃないでしょうか?油絵は重いですし。それにアーティスト自身が額入れを業者に頼んで、それがギャラリーに送られてきたので、本人の確認も取れています。」
「そうですか。アーティストがそうさせたんでしたら、いいです。」
なんて、サクっと終わりました。

しかし運送屋さんが運んできたパリ以外の街からのJaques MONORYの油絵は相当点検されていました。
「キャンバスが木枠にピシッとはられていない。」だの、
「傷が多い。」だの、
「わけのわからない毛がついてる。」だの。
うるさいなー。もー。

そんなこんなしてる間にも他のギャラリーからの作品たちがどんどん運び込まれてきます。私が気づいたものでも
Galerie Almine RECHのRita Ackermanの作品が2点。
たしかRestlesness and angry optimismと


You Jump On Meでした。


Air de Parisからの作品が1点。これは誰の作品かわかりませんでした。

28日にはまた作品を回収に行って、どの作品が購入されるのかが決まります。
もしも購入が決まったら、また作品を届けに行くのです。
道のりは長いですなー。


ちなみに今回の購入作品決定委員会は
まずいつもどおり、
造形美術代表、委員会長、国立近代美術館長(ポンピドゥーセンターの館長ことです)、フランスにある美術館たちの総括、国立造形美術センター長と、芸術創作検査官の6人。

そしてアーティストからは、
Daniel FIRMAN(私の大好きなアーティストさん)、
Bernard PIFFARETTI。

その他の意見役として、
Bruno CARON:コレクター
Henri-Francois DEBAILLEUX:美術批評家
Lorand HEGYI:サンテチエンヌ近代美術館館長
Isabelle MANCI:DRAC Aquitaine(アキテンヌ地方現代アート部門)の造形美術顧問
Philippe PIGUET:美術批評家
Michel POITEVIN:コレクター
Francois QUINTIN:FRAC Champagne-Ardenne(シャンパーニューアルデンヌ地方立現代アート基金)のディレクター
です。


さてさて、私たちが運んだ作品は購入されるんでしょうか?
個人的には、今回立候補作品にあがったものはあんまり好きではないので、選ばれたら嬉しいけれど、なんだか微妙です。


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06/15 04:30 | 出来事 | CM:0 | TB:0
ドクター!
新しい展覧会のオープンニング・パーティーをあさっての土曜日に控えています。アートフェアなんかの時期を除くと、まさにこの、前の展覧会が終わってから次の展覧会が始まるまでの1週間がギャラリーにとって、上から下への大騒ぎのとき。

今日やっと作品群がドイツから届き、アーティストさんもパリにご到着、まだ梱包から解かれたばかりなのに、オープニング・パーティーの前に誰よりも早く作品を見て購入しようとするコレクターたちでギャラリーはごった返します。

いろんな国籍の美術品運送業者さんがギャラリーに来るけれど、ドイツからの作品はいつも同じ会社が請け負っていて、私はこの業者さんが大好きです。何を隠そう私は英語まるっきりダメだし、彼らもそんなにペラペラじゃないんだけれど、何故かいつも彼らとは楽しくコミュニケーションが取れるんです。っていうか普段どちらかというとラテン系のフランス人と働いていると、日本人のメンタリティーに近いゲルマン系のドイツ人といるとホッとします。だって、ちゃんとしてるんやもん。

作品たちを確認して、バタバタとデスクワークと雑用を終えた頃に、アーティストさんがギャラリーに到着。

作品を見て回っていたアーティストさん。

なんとなんと急に怒りだしました!!!

なんでなんでなんで~?
03/31 04:08 | 出来事 | CM:3 | TB:0
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