フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2006/05/28 (Sun) 犯罪者の肖像画

以前に、パリのグランパレで現在開催中の「La Force de l'Art」展に展示されているYan Pei Mingのド ヴィルパン現内閣総理大臣の肖像について書きました。
http://kanaparis.blog59.fc2.com/blog-entry-39.html

Yan Pei Mingが同展覧会にもうひとつの作品を展示しているのですが、それが問題になっています。
その肖像画とは、まだ私たちの記憶に新しい、Emile LOUISという、2004年11月にYonne地方の重罪院で、1970年代後半に当時彼が送迎バスの運転手を勤めていた知的障害を持つ子供たちが通う学校の女生徒、7人の少女を強姦し殺害した罪で無期懲役を言い渡された犯罪者のものです。

被害者の家族たちで構成されているl'Association de défense des handicapés de l'Yonne (ADHY) (ヨンヌ地方障害者を守る会)は、「非常にショックを受けています。今回のことによって、他の犯罪者たちがいつか自分も肖像画に描かれたいと思うかもしれないし、彼らを有名人にしたてあげるようなことはすべきではない。また、同展覧会ではド ヴィルパン内閣総理大臣の同じサイズの肖像画が同じアーティストによって描かれている。これは挑発である。」として、この作品の展示をやめることを求めています。

これに対してYan Pei Ming本人は、「私はEmile Louisを非難しています。しかしこの白黒の肖像画は現実でもあるのです。これは私たちの社会の暴力を見せるものです。」と答えています。

またフランス文化省もYan Pei Mingを擁護する立場をとり、文化省大臣Renaud Donnedieu de Vabresも、「遺族たちの気持ちはわかります。しかし、この作品はショックなものではない。これは世の中の激昂を示すものであり、またこの展覧会は選出された15人のキュレーターが何人かのアーティストとテーマを発表する機会であり、特にこの作品は「暴力、残酷、破壊」をテーマで展示されているのです。私の役目は、法律上無視できないような行き過ぎた人種差別性を持つ作品を除いて、アーティストの自由と自主性を保証することでもあります。」としています。またフランス文化省所属の芸術作品検査官Bernard Blistèneも「Yan Pei Mingは自ら亡命や苦しみを知っているアーティストであり、誰かを傷つけようとしてこれを描いたのではない。」


私が見つけた唯一のYan Pei Mingによるエミール・ルイの肖像画です。アーティストのアトリエで、彼の背後にある作品。
ming4.jpg



なかなか難しい問題ですが、私個人の意見としては文化省大臣と同じです。

みなさんはどう考えますか?



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2006/05/11 (Thu) 現場へ潜入!



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このブログでも何度も紹介してきた「La force de l'art」展。(「2006年の目玉」カテゴリーからどうぞ。)5月2日から設営が始まったわけですが、設営期間中にグランパレに用事があって、現場に潜入することができました!さすがにオープニング前にブログに載せるのは、いくら既に存在していて何度も展示されたことのある作品ばかりの展覧会とはいえ、まずいかなと思っていました。でももうオープニングも終わったし、もういいですよね。





ということでどうぞ!

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2006/05/05 (Fri) Yan Pei Ming


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昨日から設営の始まったグランパレでの「La Force de l'art」
今までの記事は、「2006年の目玉」というカテゴリーを参照してください。

まあいろいろと騒がれているこの展覧会ですが、今日設営現場に行ってきた人が、ギャラリーに来るなり、
「ヤン ペイ ミンの新作何と思う?」って聞いてきました。

ヤン ペイ ミンは私の大好きなアーティストさんでもあるので、ここでもちらほら名前を出してきました。

ヤン ペイ ミンとは中国語で書くと「巌 培明」。
1960年に上海に生まれ、1980年からフランスのディジョンという街に拠点を置く中国人アーティスト。フランスで現在最も売れているアーティストのひとりです。

彼は巨大なキャンバスにローラーと刷毛を使って、黒、グレイ、白、赤などの色で人間を描きます。


「La force de l'art」はアーティストたちの新作の少なさが非難されてもいる展覧会。ヤン ペイ ミンがこの展覧会のために製作したものとは?


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2006/05/01 (Mon) 今年の目玉 5


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4月18日付けのリベラシオン紙に面白い特集がありました。
選出されたアーティストリストよりも、選出されなかったアーティストリストのほうが興味深いなんて言われている、2006年5月にパリのグランパレで開催される「La force de l'art」展。このブログ上でも既に「今年の目玉」というタイトルで4回取り上げてきました。

今回の新聞記事は、選出されたクリスチャン ボルタンスキー、選出されなかったフィリップ コニエ、そして選出されて初めは出品するとOKしたのにやっぱり取りやめたジェラール フロマンジェーの、3人のアーティストへのインタビューです。

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2006/04/30 (Sun) 今年の目玉 4

先週耳にした話。

ギャラリーのお抱えアーティストさんで、今年5月に開催されるLa Force de l'artにも選出されている人が、

「グランパレでやる今度の展覧会、La Farce de l'artって改名したらしいよ。」

だって。

La force de l'artとは日本語に訳すと「アートの力」

forceのOをAに代えるとfarce。

La farce de l'artとは日本語に訳すと「アートの茶番劇」

みんな、裏ではそう呼んでるんですって。ふふふ。


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プロフィール

Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに、猫のミントと一緒に生きています。

こんなものも書き始めました。
「パリ現代アートギャラリー攻略ブログ」
http://kana-sunayama.iza.ne.jp/blog/
こっちでも書いてます。
SHIFT
http://www.shift.jp.org/

2007年春に、フランス人の友人&ブラジル人の友人と共に、キュレーター団体をNPO法人としてパリで立ち上げました。
現在は、記念すべき一つ目の展覧会に向けて忙しくしています。
そんなわけでとにかく少しでも多くのアーティストさんたちとの交流を求めています。
「こんな面白いアーティストを知っているよ。」という人は立候補でも推薦でも、気軽にコンタクトください。
(と書いたら、早速たくさんのメールを頂くようになりました。ひとりひとりにお返事ができない状況です。返事がなくても落ち込まないでください、、、。)

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