フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2008/07/04 (Fri) LISTE 08

やっとこさ本家アートバーゼルの記事も書いたことですし、サテライトフェア(本家のアートフェアの時期と場所に合わせて別の場所で行われるoffなフェアのこと)についても少し。
って言っても、Listeしか見てない。でもたしか2年前にバーゼルに行ったときも、バーゼルよりも寧ろサテライトのVOLTAについて書いた記事(これこれ)のほうが検索されてたような、遠い記憶があるので「情報が少ないのかね?」と思い、書いてみます。
しかしここに書く気もなかったので、気づいてみると、全体的なブースの様子を撮った写真がないんです。私が「あ、これ好きかも。」と思った作品の写真しかない。それも結構な数のブースと作品があったのに、そんなふうに思う作品にあまり出会えなかったので、ここで紹介するのが全部です。

さてさて、LISTE 08 The Young Art Fair in Basel。これが本当の名称です。バーゼルのヤングなアートフェアということですが、本家の次に有名だと思います(kana統計による。)。
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こんな場所で開催されます。横の黒いテント部分も会場になっていて、今年のバーゼルはめちゃくちゃお天気が悪くてなんだか肌寒かったので、毎日ここのブースに夜までいるのは、すきま風やなんかでかなり寒いはず。逆に暑いときはめちゃくちゃ空気悪くて暑そうやけど。 
LISTEは1996年から毎年バーゼルで開催されていて、オープンから5年以内のギャラリーが40歳以下のアーティストを紹介するという現代アートフェア。
若手アーティスト発掘の場として有名で、私が行った日はオープニングでもなんでもなかったですが、アートバーゼルに出展しているギャラリストたちも来ていました。知っている人たちだけでも、ニューヨークのアンドリュー クレップスとか、ブリュッセルのロドルフ ジャンセンの共同経営者、セバスチャンとか。みんなちゃんと見てるんですねー。



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「好きな作品がなーい!微妙や、、、。」と思っていたら、いた!イリス ヴァンドンゲン!このアーティストさんの作品は本当に好きなんです。やっぱり作品の持ってる存在感が全然違う!「リステに来てよかった。」と私をほぼ救ってくれた作品。一時期、彼女の作品を購入したいと思っていたけれど、最近は「家にあったら怖いやろな。」と意見がかわってきました。でもやっぱり好きです。ま、どーせお金ないし買えへんけど。あまり趣味の合わない私の配偶者も弟も「いいね。」と言ってくれるアーティスト。いや、それでも買えへんけど。

ちなみにこの作品はThe Breederというギリシャのアテネにあるギャラリーのブースにありました。このギャラリーは二人のぽっちゃりしたカップル?兄弟?とよくわからない男性二人によって経営されているんですが、またこの二人が作品以上に「アート」です。二人が腕を組みながらブースにデーンと暇そうに座っているのはなんだかお笑いコンビのような、アーティストユニットのパフォーマンスのような、なんとも言えない雰囲気なのです。普段、他のアートフェアではピンとこないブースだけれど、今回のリステでは私的には一番良かったブースでした。



次にお!と思ったのは、日本人のアーティストグループ、exonemoが、ギャラリーではないですが、バーゼルにあるplug.inというオルタナティブスペース(?ちゃうかも)のブースで紹介されていました。断末魔ウスというタイトルで、様々な方法で破壊したマウスやその写真が展示されていました。「マウス」ということで実験に使われるネズミのことを思ったり、マウスのボールの部分がなんだか魂のように見えたり。ゆっくり彼らのサイトを見てみたい。
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こちらはその模様を撮影したヴィデオ作品。例えばマウスをミキサーにかけて破壊してるとこ。
ここから見れます。
ブースにいたお兄ちゃんに、「DVD安いから買ってよー!」と言われて、少し迷ったけれど、結局買いませんでした。15ユーロやったんですが、安すぎて少し哀しくなったのが購入に至らなかった要因。逆にもっと高くて、何枚限定とかしてくれたら買ったかも。
彼らの個展が同時期にplug.inでやっているというので、アートバーゼルが終わった翌日にわっざわざ行ってみました。でも閉まってたーーーー!くやしー!



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こちらはThomas Baumannの作品。5点の間をワイヤーがジーーってゆっくり移動するというもの。それだけやのに、なんか見とれました。そういう作品ってありますよね。



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お次ぎはLeopold Kesslerの写真作品。飛行機で、多分ファーストクラスかビジネスクラスかと、エコノミークラスを仕切るカーテンを、フライトアテンダントが閉めてるのを撮影したものです。それだけやのに!なんか好き。そうそう!写真やのに、まるで自分の前にカーテンが引かれて、それ以降、前方で何が起こってるかわからない、これされるとなんか惨めな気分になるんよねー。としみじみしてしまいました。ま、どうせ大したことは起こってないってわかってるんやけどね。


そしてAnne Eastmanの鏡のモービルと白黒の平面のインスタレーション作品。
まあ、そこまで深い作品ではないですが、ほっとします。
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こちらは動画。普通にきれいです。

床に直接置かれた小作品もありました。
これはちゃんと台をつくって置いた方がいいと思うし、売りやすいと思うんですが、どうでしょう。
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あっちゃー!また入ってっちゃった!この作品を見たとき、感じたり考えたりしたことを「お!うまいこと表現できるかも。」とそれをアウトプットしていくんやけど、なんだか行き場がないのとうまく伝えらないのとで、結局また入ってっちゃった、、、みたいなモドカシい気分になりました。そういうことありません?Magnus ThierfelderのA Tension。
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今年は68のギャラリーが参加していたわけですが、気になった作品はこれだけでした。なんか、私の好きなものがよーくわかるラインナップになってしまって、ちょっと恥ずかしいです。
一番強く思ったことは、ブースの仕切り方が悪いということです。それは参加ギャラリーの問題ではなく、フェア主催側の問題ですね。多分この会場は元学校とか、最近ありがちなそういう場所を利用してるんだと思いますが、なかには一つの部屋を全部使っているギャラリーもあれば、もう「なんだここは、オープンスペース??」と思うような仕切りの場所もありました。ある程度大きな空間の両側に2枚の壁が設置されていてその壁一枚分と前の空間が、一つのギャラリーのブースになっているのです。ということは、自分のお向かいさんのブースは、勝手に好きなものを展示してるわけですから、フェアに参加するときの「いかに面白いブースにするか」という最大の目標を無視していることになると思うのです。ブースの概念がほぼなくなってしまっているとでも言えばいんでしょうか。逆に良いように言えば、「作品ひとつひとつの良さが見えてくる」という捉え方もあるでしょう。でもそれは違うな。それだったらアートを商品として並べるギャラリーが参加する意味がなくなってしまう。衝撃的だったのは、好奇心旺盛な私が誰も行かない場所に「ここは倉庫になってるんやろか?」と思って足を踏み入れた空間まで、あるギャラリーのブースになっていて、誰も気づかない、イコール誰も来ない場所に、わざわざ作品を展示して、朝から晩までいなきゃならないギャラリストもいたわけです。ひと事ながら、怒りくるってしまいました。

そんなこんなでしたが、いろいろと思うこともあり、見にいって良かったなあと思います。
やっぱりアートフェアって難しいな。


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2008/07/03 (Thu) ART 39 BASEL / 第39回アートバーゼル 2008 for SHIFT

バーゼルはもう一ヶ月ほど前の話なのに、やっとこさ、SHIFTに記事を書きました。
いつも遅れてすいません。なんだか同じ言葉を使いまくってまとまりのない文章ですが、書きたいことは書けたし、まあいいか。もっと書く訓練しなきゃなあ。
興味のある方はここからどうぞ。




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ほんで、記事で触れたアーティストさんたちの、アマゾンにあったカタログを載せました。
なんかくるくる回るのとかやりたくて。ただそれだけなんやけど。
でもこのくるくる回るの、ちょっとうっとうしくもなってきた。

Chloe Piene/クロエ ピエヌとFiona Banner/フィオナ バナー展が、バーゼルのArt Premiere/アートプルミエールでやっていました。
クロエ ピエヌのこのカタログは去年にフランスのニームという街にあるカレ ダールでやっていた展覧会のものです。すっごい評判良かった個展。ハンス ベルメールとかキャメロン ジェイミーとか好きな人は好きね。
  

こちらはPublic Art Projets/パブリックアートプロジェクトに展示されていて良かったIsa Genzken/イザ ゲンツケンとDan Graham/ダン グラハムのPhaidon/ファイドンのカタログ。
 

こちらもアートプルミエールで展示されていたジェシカ ストックホルダーのカタログたち。
緑色のカタログの最後のページはねー、飛び出すインンスタレーションになってます!




我らが杉本博司さんのカタログたち。カタログもしっかり白黒やね。ほんまに好き。



私にとって、「衝撃の絵画展」であったルシアン フルードの回顧展カタログ。あんなに「すごい!!」と感動しつつも、頭がぐるんぐるん回転した展覧会はいまのとこ最初で最後。


そしてまあ今年のバーゼルのカタログ。


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2008/06/26 (Thu) 内輪で盛り上がった作品。

バーゼルから帰ってきて、8月まで暇だー!わーい!と思ったら、毎晩仕事後に出歩く毎日が続いてます。
Art 39 Basel 2008 についてはSHIFTに記事を書くことになりました。だからそれまではどのネタを使うかわからないので、このブログで書けません。
ブラッド ピットが来ただの、ロシアの億万長者アブラモビッチが来ただの、アートバーゼル2008に関するブログや記事で「またそれかい!その作品しかなかったんかい!」と思うほど紹介されまくってるChristian Jankowskiの「Kunstmakt TV」(私が覚えてる数少ないドイツ単語でもわかるわ、へへ。「アートマーケット TV」)についてにも、書きません。(この作品についてはこちらで見れます。)

でもひとつ、これはSHIFT用のネタじゃないな、と思った作品を紹介。
なぜなら内輪で楽しい作品だから。
ということで、このブログを読んでくださってる方たちにも、「で?」と言われかもしれないけれど、まあブログなんてそんなこと書いてなんぼ、な世界なので、自分にOK出しました。

バーゼルのブースに到着すると、ボスがニヤニヤしながら「カナ、面白いもん見に行こう。」って私を誘います。「なんすかー。」と言いながらついて行くと、この作品が。
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オーストリアはウィーンにあるChristine Koenig Galerieのブースで展示されていたAnetta Mona ChisaとLucia Tkacovというルーマニア人アーティストカップルによる「Private Collection」。二人は2000年からコラボレートを始めたようです。


一瞬、「なんすか、これ。」と、全然わからなかったんですが、次の瞬間、あーーーー!うちのギャラリーで盗まれたあれがー!!
そう!この作品は、パリ、ベルリン、ロンドン、ウィーン、チューリッヒ、ニューヨークの有名なギャラリーでパチってきたもので構成されているのです。
あれが盗まれた日を今でもよーーーーく覚えてます。「あれ?ない。あれー?ない。あっれー?やっぱり何回見てもない。誰が使ったーん?ちゃんと返しといてー!」と、まだ盗まれたってことにも気づかず、同僚たちに言ってたことも覚えてます。みんながみんな「えー。知らんで。誰も使ってないで。」となり、全く大したものでもなんでもないのに、3人くらい総出で探したものでした。「なくなるとかないし!」って言いながら、「誰やねん!こんなん盗るん!忙しいのに!」とブヒブヒ怒りながら、BHVという商業ビルまで同じものを買いに行ったのを覚えています。
でももういいや!なーんや!謎が解けた!という感じで逆にすっきり。
「みんなは何盗られてるんかなー。」とゲラゲラ笑いこけながら作品鑑賞。

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天下のガゴジアンまでなんか盗られてる!と注目したけど、これは一体なんや?
他のギャラリーはどれも、「ウチにもこれあるなー。」っていう、現代ギャラリーならどこにでもあるだろう道具たちですが、ガゴジアンみたいになると、もう私たち一般ギャラリーでは使ってないものを使ってるんでしょうか!ほんまになんなんやろ、これ。
自ギャラリー用ジェットのねじとか?!

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いまはもうニューヨークにギャラリーを移したValerie Cuetoの表記はまだパリになってます。っていうか灰皿取られてるし!まさに無機質ホワイトキューブのギャラリーの裏側に人間がいるんだなーって感じがしません?それも汚れてるし!

大きく写真を撮らなかった部分では、鍵の束を盗られてるギャラリーもありますねー。
これはさすがに笑ってられへん。鍵束を盗られたとわかったあと、きっとギャラリー中の鍵を全部替えるはめになったんでしょうね。やっぱり。そう思うと、腹が立つやろうなー。


まあ一応コンセプトはアートギャラリーが操作するアーティストの価格レベルだとか、グローバリゼーション進んでいるとはいえ、支配的すぎる欧米のアート市場だとか、まあそういうものを批判してる作品なんですが、コンセプトもいまいちパッとしないし、別に特に感心する作品でもないので、まあそのへんはどうでもいいですね。

でもバーゼルではしょっちゅう「○○盗られてたねー。」って話しかけられて、こっちも言い返してやったり、内輪乗りですがたのしい思い出の作品になりました。



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2007/11/08 (Thu) FIAC 2007 for SHIFT

SHIFTにFIAC 2007の記事が掲載されました!

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2007/10/17 (Wed) FIAC2007



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ヴェネチアビエンナーレのことが書けない。う〜ん。
ついでに眠たい。ついでに疲れてる。ついでにギャラリーでも私生活でもやるべきことが山積み。体力と能力がなくて怠け者で困ります。う〜ん。
ま、そんなことをごちゃごちゃ思っている間に動くべきなんですが、頭と体がついていきません。

しかしそんな私には関係なく、仕事場での言い争いと、疲れとストレスとパニックから勝手に流れてくるみんなの涙と、日々ひどくなる目の下のクマにも関係なく、FIACは今年も確実に始まります。
昨日は早起きしてグランパレへ設営に行ってきました。
私の不安を裏切るように、すんなりうまくいきました。私の働くギャラリーの設営はグランパレの数あるギャラリーブースの中でも、一番乗りで終わりました。運送業者とオーガナイザーに5分ごとくらいにハラスメントのように主張の電話しまくった甲斐がありましたよ。ほんとに。

そんなわけで、周りのブースはまだ手がつけられていない状態、もしくは作品が到着したけれど、まだ設営は始まっていないような状態でしたが、いくつかの写真を紹介。

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あ、Michel Blazyかな?春雨でできた犬。ちなみに使用されている春雨は、私がいつも食べてるのと同じメーカーでございました。

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あ、Barthelemy Toguoかな?ご本人自ら設営中でした。

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あ、Thomas Hirschhornかな?ガムテープで少しずつ少しずつできあがっていく階段を流れる塊。私が到着した9時半には彼らをすでにガムテープを格闘していて、私がグランパレを去る17時にも、まだ格闘してました。写真は17時に撮ったもの。最終的にはどれくらいの塊になってるんでしょうか。楽しみ。

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地べたで寝てる人もいました。

私はおうちのベッドで寝ます。

おやすみ。


11月になれば休みがあるかな、、、。
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プロフィール

Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに、猫のミントと一緒に生きています。

こんなものも書き始めました。
「パリ現代アートギャラリー攻略ブログ」
http://kana-sunayama.iza.ne.jp/blog/
こっちでも書いてます。
SHIFT
http://www.shift.jp.org/

2007年春に、フランス人の友人&ブラジル人の友人と共に、キュレーター団体をNPO法人としてパリで立ち上げました。
現在は、記念すべき一つ目の展覧会に向けて忙しくしています。
そんなわけでとにかく少しでも多くのアーティストさんたちとの交流を求めています。
「こんな面白いアーティストを知っているよ。」という人は立候補でも推薦でも、気軽にコンタクトください。
(と書いたら、早速たくさんのメールを頂くようになりました。ひとりひとりにお返事ができない状況です。返事がなくても落ち込まないでください、、、。)

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