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「BARAKEI/薔薇刑」 Eikoh HOSOE 細江英公
本当は、Photo Saint Germainをちょこちょこ見たよーという記事にしようと思っていたんです。
でも、この展覧会が全部もってっちゃった。
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11月のパリは、世界最高のアート写真フェアであるParis Photoを中心に、Mois de la Photo(パリ写真月間)と題して、パリのそこらじゅうの場所で写真展が開催されます。ギャラリーや美術館、アートセンター、写真集や美術本専門の本屋さんなどの、アート関連の場所はもちろん、デパートやカフェやコインランドリーでもやってます。


件の展覧会とは、Galerie Eric Mouchetで12月22日まで開催の、細江 英公の「BARAKEI 」展、そう、日本語で薔薇刑です。
細江英公はみなさんご存知の1933年生まれの日本の写真家。今回の展覧会は1963年に三島由紀夫をモデルに撮影された写真集「薔薇刑」からの作品数点の展示です。

なぜ細江英公が三島由紀夫を撮ることになったかというと、細江英公が土方巽を撮った作品を三島が見て、僕もこんな風に撮ってほしい、と当時三島の評論集を出版しようとしていた講談社の編集者を通じて打診されたそうです。そのへんの小話もめっちゃおもしろいので、ウィキペディアで見てください。

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個人的に、ギャラリーの空間が持つパースペクティブに合わせて、有名な写真をどーんどーんという感じではなく、そのパースペクティブを裏切るような形での遊びや展示の方法がとても気持ち良く、写真作品だけでなく、展示自体にも、見ていてたくさんの驚きがありました。ただ、額装はこれでいいのか、ちょっとひっかかったけど、自分なりに他の額装パターンをあーだこーだ考えても他にいいのがなかったので、これでいいんだと思います。なんかでも違う気もする。一般的にはどうでもいいことかもしれませんが、私はいつも額が気になるのです。

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かっこええなあ。

どれも一点もので、サインを見るとアーティストプルーフとなっていました。サイズは全て同じですが、プリントによって、レートにも寄りますが安いものは150万円くらいからたしか400万円くらいのものまでありました。

ギャラリーのサイトに展示風景や作品画像がしっかり見れますので、こちらからどうぞ。

この薔薇刑関連の情報をネットで見ていると、それこそウィキペディアレベルからめちゃくちゃおもしろい。ここから、三島由紀夫→奥さんの瑤子さん→三島事件とかもう抜け出せないウィキループにはまり込んでしまった私。謎もあるとはいえ、メディアに多くでていた有名人、それも三島由紀夫ですから、ウィキループも深すぎてやばいです。

他のPhoto Saint Germain。一応書いておくと、Foliaのアンリ カルティエ=ブレッソンの展覧会と、その前のLa Huneでやってた荒木経惟のセンチメンタルジャーニーのコンタクトシート展見ました。アラーキーのコンタクトシートをコピーしたような紙がエディション10やったかなんかで売ってるんですが、うーん、これいらんなあ、と。他には花のポラロイドが結構あって、それはいろいろ売れていました。カルティエ=ブレッソンは、展覧会もいいけど、ゆっくりPhotographeの写真集を見る時間が持てたので、嬉しかったです。こういうゆっくり写真集を見る、美術本を見る、という時間がなかなかもてないので、とても貴重な時間でした。

ちなみにこの毎年11月にやっていたパリ写真月間、来年2017年からは4月に開催変更するということで、Paris Photoと時期が違うようになるけどどうなんでしょうか。個人的には、住んでる街での面白そうなイベントは1年を通していろんな時期にやってほしいので嬉しいニュースです。4月だったらどっちかっていうとArt Parisとかぶるのかしら。2017年の写真月間サイトも充実してきました。今からチェックしまーす。

Galerie Eric Mouchet
45 rue Jacob, 75006 Paris
T. 01 42 96 26 11
Tuesday – Saturday, 11 AM – 1 PM / 2 PM – 7 PM

Galerie Folia
13 rue de l'abbaye, 75006 Paris
T. 01 42 03 21 83
Mardi - Vendredi : 13h-19h Samedi : 11h-19h

La Hune
Place Saint-Germain-des-Prés
16-18 Rue de l’Abbaye, 75006 Paris
+33 (0)1 42 01 43 55
paris@la-hune.com

日本語の「薔薇刑」もかっこいいけど、アルファベットのBARAKEIもめっちゃかっこいいよなあと思います。


これー。Delpire社発行のアンリ カルティエ=ブレッソン「Photographe」。ここからの写真がいくつかプリントで展示されていました。

アラーキーのセンチメンタルジャーニーを初めて見たときは涙が止まらなかったのを覚えています。写真の世界において、プリントでは感じることができない、「写真集という作品」が持つ力を見せ付けられて呆然としました。絵画や彫刻、インスタレーションばかり見ていた私にとって、写真という芸術媒体には、時にはプリントではなく写真集でなければならないときがあって、プリントしたもののほうがアートっぽくて高く売れるか知らんけど、「そうじゃない」写真作品というのがある、ととても勉強になりました。実際他の芸術媒体を使うアーティストは、もちろん自分の作品カタログをつくるとき真剣ですが、写真家が写真集を作るときの本気度というか、「作品を作っている」という感覚は比べてはいけないものだと思います。特に日本の写真家さんは作品としての写真集が素晴らしい人が本当に多い!
 
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12/07 19:11 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
デュシャンのporte-bouteilles/ボトルラック(瓶乾燥器)
マルセル デュシャンのレディメイドシリーズのひとつ、Porte-Bouteillesがギャラリーで売りに出してる!ということで、Taddaeus Ropacギャラリーまでえんやこらと行って参りました。

ちなみにこの日のギャラリー巡り、10軒ほど回りましたが、子連れではありません。ギャラリー巡りって数時間歩きっぱなしなので幼児には体力的にちょっと厳しい、各ギャラリー入り口の段やアクセスもシンプルではないのと、ギャラリー内の階段も狭めなのでベビーカーでまわりづらい、まずマレ地区って歩道がせまいので幼児やベビーカーで進みにくい、などなど、ギャラリー巡りといえばなんか子連れに最高の時間つぶしのように一瞬思いますが、実は全然オススメできません。子供がまだ生まれたて~3ヶ月くらいのときは、抱っこ紐でちょこまか行っていましたが。

さて本題。
マルセル デュシャンとは皆さんもご存知の通り、1887年生まれのフランス人アーティスト。
シュールレアリズムやダダイズムなど、20世紀はじめのフランスを代表するアーティストたちと交流していましたが、のちにニューヨークに渡り、当時のアメリカのアートシーンに多大な影響を与えます。
コンセプチュアルアートの第一人者、「コンテンポラリーアートってよくわからない」と言われる代名詞のようなお方ですね。

このPorte-Bouteilles、日本語ではボトルラック、ビン掛け、瓶乾燥器など呼ばれているようです。
フランス語でも、その名称は定まっていないようで、ポンピドゥーセンターではPorte-Bouteilles(ビン掛け)、他にはSéchoir à bouteilles(瓶乾燥器)や Hérisson(はりねずみ)などとも呼ばれることがあるようです。
この作品は、かの有名なレディメイドシリーズ(説明するのめんどくさいのでウィキペディア見てください)の中でも一番最初にできた作品だといわれています。この作品の誕生(といってもレディメイドなのでこの商品自体はずっと前から存在していたわけですが。そこがデュシャンの芸術概念のおもしろいとこですね。)によって、それまでデュシャンが「網膜的芸術」と呼んでいたものから、アートがぐぐぐっとコンセプチュアルなものになっていくわけです。

レディメイドの作品は、美術作品と言えど、その唯一無二な部分がありません。なぜなら、レディメイドで使用されるオブジェは、大量生産でできた文字通りの既製品の1つでしかないからです。あの超有名な便器を裏返してサインして「これ『泉』ってタイトルにした」というデュシャンの作品も「本物」はどこにいったかわかっていません。

このボトルラックも然り。
本作品の起源の跡は、1916年にニューヨークを訪れていたデュシャンがその妹でパリにいたスザンヌに送った手紙にあります。(ちなみにマルセル デュシャンは4人兄妹の3番目で、お兄ちゃん2人も妹も画家又は彫刻家なアーティスト兄妹です。お金持ちで前衛的なご家庭やったんでしょうねえ。)その手紙によると、
僕のアトリエに行って、ビン掛けをとってきてくれないか、遠隔操作でレディメイドを作ろうと思うんだ。ビン掛けの一番下の円の内側に、白銀色の油彩絵具をつかって、僕があとで説明するままに書き込んでほしい。そして、こうサインして欲しい。
マルセル デュシャン による
ただ、この遠隔操作のレディメイド計画は、スザンヌがちゃんとやらなかったので未遂に終わります。こういうとこがすごく好きなんです、私。すごく人間っぽい。私がスザンヌやっても「おにいちゃん何ゆうてんねん。そんなことやってるほど暇ちゃうわ!」と手紙につっこんで終わりです。
あー、アーティストさんとか、それこそ弟とかに頼まれる、「くだらなそうなこと」にちゃんと答えていけば歴史がかわるかもしれんな、反省します。これからやります。

で、ニューヨークに移住したデュシャン。ロバート ラウシェンバーグやジャスパー ジョーンズなんかとも交流があり、1959年にグループ展に参加する際、「あ、あのビン掛け出そう!」となります。そこでマブダチの写真家マン レイに「前にあげた1935―1936年バージョンのレディメイドのビン掛け送ってー」と連絡。そしたらマン レイさん、ビン掛けがどこにいったかわからん、と。すごい時代ですねー。もうこういうエピソードだけでキュンキュンします。で、デュシャンは「じゃあもういっかいBHVまで行って、同じの買ってきて、ニューヨークまで送ってー。」と。もうかるい!いろいろかるい!あほらしくなるほど軽くて好きすぎます。
そんなすったもんだがあって、やっと展覧会に展示がかなったこの作品、その場でラウシェンバーグにお買い上げされて、それからずっといままで、ラウシェンバーグのアートコレクション、彼の死後はラウシェンバーグ財団のコレクションに入っていました。

ラウシェンバーグ財団は、近々ロバート ラウシェンバーグのカタログ レゾネ(ある作家の全人生の全作品を載せた作品図鑑のこと)を作る企画があり、その調査研究費用の捻出のため、このデュシャンのPorte-bouteillesを売却することを決定したそうです。
しかし、せっかくのこの歴史的作品。近年のアートマーケットでは何兆円もの大金をつむプライベートコレクターがたくさんいるでしょう。しかし財団は、一般大衆や研究者がアクセスしやすいように、公的施設へ売りたい、と。さあさあ、どこが手に入れるんでしょうか!楽しみ~!

では展示のほうへ行ってみましょう。

1階と2階(フランスの地上階と1階)ではロバート ラウシェンバーグの80年代の作品が展示されています。
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一番上の階に行くと、あった、あった。Porte-bouteillesに関連する当時のアーカイブ資料がずらっと美術館での展示のようにならんでします。これだけでももう圧巻。

こちらはLa Boîte-en-Valise, 1964
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La Boîte Verte (La mariée mise à nue par ses célibataires), 1934
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そして通路の奥には、、、あ!あの影!は!
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そりゃあいるよね、警備員さん。なんか警備員さんっていうよりおしゃれな感じのお兄さんでした。
1つの作品だけを監視するという精神的に苛酷そうな任務を遂行中、1日中お疲れ様です。

はいきたー!作品よりもライティング方法に興味がそそられるような、テアトラルでドラマチックな展示。
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スザンヌに「ボトルラックでレディーメイドを作れ」と指示するマルセル デュシャンの手紙原稿の拡大されたものが壁にはってあります。フランス人らしい筆致で読みづらいですが、最後のほうに書いてあるのがわかりますね。
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警備員さんに「大丈夫、さわんないから」と、サインの部分も近づいてパチリ。
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巨匠ラウシェンバーグの展覧会がほぼイントロ、アーカイブ資料も本物だらけで見ごたえ十分、長い通路の向こうに見える影、ライティング、手紙原稿の拡大展示、そしておしゃれな警備員、となんか様々な部分で演出がすごい展示でした。
あー楽しかった!!

11/25 00:47 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
Jeke & Dinos Chapman 「Back to the End of the Beginning of the End Again」展
パリにはもう10年以上住んでいますが、ずーーーーっと右岸派だったので左岸には疎い私です。
といっても、左岸には定期的には来ていました。学生の間は大学院がカルチェラタンでしたし、映画を見まくっていた時期も週に1回は左岸に渡っていました。そして私にとっての左岸の象徴といえば、珍しいといわれそうですが、kamel mennourギャラリーです。

当時住んでいたアパートからカルチェラタンまではまっすぐの道一本だったのですが、kammel menourは少しサンジェルマンデプレ寄りなので、ほんの5分プラス歩かないといけない。そうなると、えいこらせ、と重い腰をあげないといけないような気がしていたものです。

このギャラリーのアーティストリストを見てもらえればわかってもらえると思います。私好みなリストであることを。
ピエール パオロ カルツォラーリ、ミッシェル フランソワ、リー ユーファン、クロード レベック、フランソワ モルレ、、、、、、リスト見てるだけでよだれが出る、ご飯3杯いけそうですが、それに加えてダニエル ビュレン、アニッシュ カプーア、川俣 正、マーティン パーなどなど、個展やってたら見にいっとかな、と思うベテランたち。そのうえ、ジャコメッティとジナ ペーンのエステートも獲得してます。
左岸=kammel menourとさっきから言ってますが、それは私にとってなだけ。左岸には昔からのギャラリーが2軒、そして今じゃあマティニオン通りにも1軒、でつい最近オープンしたロンドンにも1軒、の計4箇所でギャラリーを展開しています。

そして今ちょうど、その左岸の1軒とマティニオンの1軒で同時開催しているのが、Jake & Dinos Chapmanの「Back to the End of the Beginning of the End Again」展。

いやもう全然いいんだけどね、私にも2人の子供がいて、姉弟なんですけど、もし、もしもよ、、その子達が「これがアートだ!」って主張して、世界中のお金持ちや有名美術館が何億っていう値段で取引しても、作品がチャップマンだったら、母としては本当になんかいたたまれないよね、っていつも思います。めちゃくちゃ他人やから、ほー、なるほどね。とか腕組みしながらアート作品としてあーだこーだ、言えるけどね。まあ全然いいんやけどね。

こういう子供のマネキンを裸にしてくっつけたやつとか有名ですね。
jake-chapman-sir-norman-rosenthal-10-31-11-3[1] 

ちなみにここで言っておきますが、なんらかの企画展とかアートフェアとかでチャップマンの作品をよく見ますが、個人的にはすきでもないし、見たいとも思わないかな。。。。コンセプトとか理解してるつもりやし、彼らの作品に対する私のリアクションというのはチャップマンの思う壺なのもわかってるし、バッドアートやけどハイアートっていうのもわかるんですけどね。でも好きの反対の無関心でもいられないのがまたチャップマンの魅力というか、人間の性というか、醜悪なものや臭いものには蓋をしたいのに気になるっていうね。人間の汚いところね、全部、見ないといけないから。

それでも今回行って来たのは、そういう魅力に勝てなかったのもあると思いますが、何よりもチャップマンの個展なんてフランスで見られるのは非常に珍しいからということと、キャメル メヌー ギャラリーがチャップマンをお抱えアーティストにして初めての展覧会やったからです。

で行って来ました。左岸のほう。

ギャラリー入ってすぐ、Ku Klux Klanに出迎えられます。結構大きめのマネキンがえーっと6体いたかな。

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写真でバン!と見てしまうとそれまでなんですが、チャップマンの作品は細部に宿る想いみたいなんがいつも凄いな、と思うので、結構ひとつひとつじっくり見てしまいます。あ、もしかしてそれで気分悪くなるんやろか。
 

次にこちら、圧倒的な数の小指より小さいくらいのフィギュアで、凄絶な状況が作り上げられるHellシリーズ(これって特にシリーズ名じゃないようにも思いますが、こういうとみんなわかるので)。
Hellシリーズについて、チャップマン兄弟のインタビューがありました。
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そして奥の部屋はというと、トレイシー エミンのテントのパロディと、ジェフ クーンズのイノックス作品のパロディ。
テントは中に書いてあるのが名前じゃなくて、カップルのほうはイノックスじゃなくて本当に空気入れて膨らむやつです。

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チャップマンはコンセプトっていうと大げさだと本人たちに笑われそうですが、インタビューや批評から作品が意図するものを知ると、かなりしっかりしていて納得させられるので面白いんですよね。そこではまっていっちゃう自分も怖いっていう矛盾。

マティニオンのほうでもやってますけど、私は行かないねー。こないだミッシェル フランソワの個展でもわざわざ行く時間なくて見逃したのに、チャップマンだったらもう絶対行かないって賭けてもいいわ。

良く考えたら今日はハロウィーンですね。ツイッターやフェイスブックで日本でのハロウィーンの盛り上がりを見て驚いている私ですが、なんかいいタイミングでこの記事書いちゃったな。というかチャップマンの個展をハロウィーンにかぶせるのもキャメル メヌーの意図か!?

左岸もマティニオンも11月26日までやってます。お好きな方はどうぞー。
kemel mennour
47 rue Saint-André des arts 75006 Paris
28 avenue Matignon 75008 Paris

10/31 23:20 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
森山大道「Hokkaido-Northern」polka galerie
ロンドンのテートモダンの日本写真コレクション収集開始と共に、昨年から今まで以上に熱狂的な支持と注目を集める日本写真家の作品達。現代美術において、写真は絵画や彫刻、インスタレーションと少し立場を異にするものだと私は思っているので、このブログでもあまり写真関連の記事はアップしていませんでしたが、「ぐわー!すげー!かっこいー!」と思う展覧会を見ちゃったので書きます。

独自の写真雑誌も発行しているパリの写真専門ギャラリーpolka galerieにて、2013年の1月まで、The Daido Moriyama Cycleと題して3回に分けて我らが日本人写真家森山大道の個展が開催されています。

そのサイクル第一発目として、2012年9月13日から11月3日まで「Hokkaido-Northern」シリーズが展示中。上記のテートモダンの日本写真大量購入と共に、大きな一歩ともなる同美術館でのウィリアム クラインとの二人展も始まり、まさに日本を代表する現代写真家のひとり、いやいや、その最高峰とも言える森山大道。今更ですが、1938年大阪生まれ。

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表通りから入る展示室を堪能したあとは、裏側にある展示室へ。下の写真の左側の建物です。
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« Hokkaido - Northern »はなんと1978年から2010年にかけての30年以上もの長きに渡って撮られ続けた作品シリーズ。第二次世界大戦直後の日本で森山が触れることのできた「北海道」は教科書や雑誌に載っているものだけで、それはニューヨークやローマ、パリなどのように当時の森山にとって非常にエキゾチックな響きを持っていました。そして1960年代初頭に初めて北海道へ足を運び、1978年に長期滞在したのをきっかけにそれから幾度となく、この地と人々を撮り続けたのがこのシリーズ。

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現代の私たちから見るとノスタルジックでありながらも平凡な田舎の日常が、森山の撮るドラマティックすぎるほどの構図で切り取られ、ある種のメランコリーを醸し出す。なんだか見てはいけないものを見ているような気分になります。なんなんだろ、この動物的なエロさと生々しさ。

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写真の良い展覧会や好きな作品に出会ったときにいつも困ってしまうのが、私にもがんばれば手が届いてしまうかも、っていう値段設定ですね。この展覧会を見終わったときも「ダイドーほしー!モリヤマほしー!」と叫びまくってましたが、そんな余裕の買い物をしている場合ではないので、ちゃっかりポスターだけもらってきました。
お金の問題だけじゃなく、森山大道ほどの強い作品と一緒に生活するほど、まだ私は人間ができている自信も全然ないしな〜。強すぎる作品と共に生きるというのはかなりの労力を使うものです、はい。


第2弾は11月10日からParisシリーズとして、1988年から1990年までパリに滞在、撮影した森山の30点ほどの作品を展示。モネのサンラザール駅やドアノーのパリ市庁舎などの作品を喚起させる作品の他に、何よりも森山のEugène Atgetからの影響を強く感じる作品で構成される展覧会のよう。また第3弾は版画のシリーズの展示があるようです。

11月中旬に開催されるParis Photo期間中もやってるので、写真好きもそうでない人も是非!

お得に楽しめる「Hokkaido-Northern」カタログ。

10/18 04:07 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
Celeste Boursier-Mougenot @ galerie Xippas
9月に入ってすぐの土曜日。パリのアート界中が、バカンス明け今年度初のオープニングパーティーのため街に繰り出しているとき、長い行列のできているギャラリーがありました。それは、galerie Xippas 。行列が出来ているのも、展示作家の名前を見て納得、Celeste Boursier-Mougenot/セレスト・ブルシエ=ムジュノでした。彼は1961年ニース生まれのフランス人アーティスト。展示する場所やシチュエーション、オブジェや生き物を用い、建築空間やヒトやモノ、生き物、空気の動きなどを利用してつくりあげるサウンドインスタレーションで世界的に有名なアーティストです。

彼の今までの有名な作品では、例えばこの二つ。

下の作品は同ギャラリーでの数年前の展示のときに見ました。
こちらは2年前のロンドンはバービカンセンターでの展示の様子。


そしてこちらはビデオを見てるだけでもうっとりとしてくる2009年のサオパオロでの展示。



さてさて、galerie Xippasならではの入り口、アートの神殿に入って行くような気持ちになるいつもの階段を登ろうと思ったら、おおおおーーーーー!
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ギャラリーまで続く階段が岩だらけ。まるで小河を渡って向こう岸へ行くような、山で頂上をめざすような感覚になりました。結構危険ですが、わくわくも倍増。上で何が待ってるんだろう。
でも子供連れや妊婦さんは大変かもね。

と、ギャラリーの展示室に着いてみると、なんだか煤けたにおいがする。においの原因は、黒く焦げてしまったこの5つのミツバチの巣箱。これらの巣箱がスピーカーの役割を果たしているのか、ここからズズズーというような音が聞こえてきます。
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うーん、でも音の出所はどこだろう?と思ってギャラリー内を進んでみると、あった、あった。
もちろんビジターは入れないように鍵がかかっていますが、奥の部屋にミツバチの巣箱とミツバチがぶんぶん。
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窓が開放されてるんですが、これ、同じ建物の住人たち、会期中大変だろうなー。こちら側に面した窓をあけるとミツバチが入ってくるかもしれないし。


そしてもう一点。U43というタイトルの、台座にくっついたいわゆる黒電話。
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世界中で電話の普及に大きな役割を果たしたこのスタンダードな黒電話。この作品は、検索サイトGoogleにfantome(日本語で「幽霊」)という言葉があらわれる度に、この電話がなるということらしいけど、うーん、なんかぴんとこないな。私は音の出るその瞬間にこの場に居合わせることができなかったからかも。


2012年9月8日から10月20日までの展覧会。
個人的には、すんごく良かった!!ってわけではないけれど、サウンドアートに興味のある方は、是非。
09/20 21:29 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
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