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ダミアン ハースト @ サザビーズ ロンドン
先週と今週は、私の働くギャラリーでもロンドンで月曜と火曜に行われたダミアン ハーストサザビーズでのオークション「Beautiful inside my head forever」のことで持ち切りでした。

image_46438537.jpg

結果は月曜日がこちらで、火曜日がこちらです。

10日間の展示会で21000人もが見に来たわけですが、先週末にロンドンに行っていた私のボスも、このオークションの展示会を見て、パリに帰ってくるなり「すごかったーーーー。」と言ってました。私もホルマリン漬けの牛とサメ見たかったなー。まあこれを何度もやるのには動物好きなので反対ですが。そんなことよりボスのブラックベリーがうまく機能しなくてパリのギャラリーにいる私たちも連絡がとれず困っていたら、次にかかってきた電話が「なおったー。ダミアン ハーストが直してくれたわ。」というものだったのでびっくり。「ええ!ハーストに会ったんですか!!」って聞くと「そうそう、ご飯食べてたらそこにいはってん。」「えー、その電話、金庫入れといたほうがいいんちゃいます?」なんて話もありました。

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写真がここから、動画がここから見れます。

簡単になぜこのオークションがこんなに話題になったかと言えば、ダミアン ハーストはガゴジアンとホワイト キューブという世界トップのギャラリーのお抱えアーティストで、世界で最も作品の値が張るアーティストの一人です。そんな彼がふつうならセカンダリーマーケットとして存在するオークションハウスであるサザビーズで、わざわざこの機会のために制作した(といっても彼は常時100人以上ものアシスタントを抱えるアーティストビジネスマンなので、別に彼が絵を描いたりしてるわけではありません。)アート市場に初登場する作品223点(!)をも、アーティスト自身が直接競売にかけるからです。

アート市場にはプライマリーマーケットとセカンダリーマーケットというのが存在して、例えばギャラリーがお抱えアーティストの作品をコレクターに売るという市場が第一市場でありプライマリーマーケットと呼ばれます。そしてそのコレクターがその作品をまた別の画商を通したりオークションハウスを通したりして売買するのが第二市場であるセカンダリーマーケットです。セカンダリーマーケットはその作品が売買しつづけられる限り、第3や第4市場とは呼ばれずセカンダリーマーケットと呼ばれつづけます。というわけで、暗黙の了解でアーティスト本人ができたてほやほやの作品をセカンダリーマーケットの代名詞でもあるようなオークションハウスに委ねるということは、密な関係を維持しているはずのプライマリーであるギャラリーを完無視してるという、ある意味小気味良いような、ギャラリーからしたらかなりの謀反行為となるわけです。

と言っても、現実にはガゴジアン本人も今回のオークションに作品を買いに来ていたようだし、大成功に終わった今回のオークションによって逆にまた一段とハーストの作品価格が跳ね上がったわけで、別にこれからは普通にギャラリーを通して売っていくでしょうから、ギャラリー側からしても良かったのかもしれません。まあそれは単純過ぎる意見かもしれませんが。きっとアート市場はもっとややこしいものなのかもしれませんが、私にはよーわかりませんわ。

私の働くギャラリーにサザビーズからのダミアン ハースト オークションのためのカタログが届いたときには、度肝を抜かれました。そんじょそこらの展覧会のカタログなんかより何倍もすばらしいカタログで、なんかしらんけどキンキラキンです。カタログも1300冊も売れ、サザビーズに電話をしても手に入らないような状況になっていたようです。

h_4_ill_1095641_veau.jpg

驚きはオークションの目玉商品(商品で合ってますね。この場合)のひとつであるホルマリン漬けのサメの落札者が出なかったこと。まあそんなことを言っても、二日間のこのオークションの売り上げは1億1100万ポンド(約211億円)。もうこんな単位よくわからないけど、最低評価額の2倍の売り上げだったらしいです。こう言ってくれたほうがわかりやすいです。すごさが。もうひとつのホルマリン漬けの目玉である金の子牛は、1030万ポンド(約19億円)で売れましたとさ。

hirst-shark.jpg

まあこういう類いのプライマリー マーケットとセカンダリー マーケットがぐちゃぐちゃになってどうしたらいいんでしょうというような出来事は、フランスでは法律によって禁止されてるようです。フランスのオークション会社はせめて一度はどこかで展示されたものか、一度でも誰かに購入されたものでないと、扱うことができないってなんかの記事で読みました。そういえばこのブログに以前、ジャン フィリップ レイノーというフランス人アーティストが自分の作品をオークションにかけます、という記事を書いたことがありました。しかしこの場合はわけが違います。だってここで競売にかけられた作品は最新のものであったわけではなく、彼のアトリエの倉庫に眠ってた作品たち、そして一度はニースでの個展で展示された作品で、今までに買いたいと思う人があれば、なんとかしたら買えた作品たちですから。それに彼は「ここ!」といった特定のギャラリーを持たないアーティストでも有名です。また最近では中国や近東アジアのアーティストたちが自分たちの作品の価格を生み出す(ここの違いです。)ために、作品を競売にかけるということをしているようです。まあどちらにしても、今回のサザビーズでのような芸当ができるのは、世の中探してもダミアン ハーストくらいでしょうから、そんなにアート市場が心配することもないのかもしれません。ハーストのインタビューを読むと、さすがの彼でもこんなことして成功するのか心配で怖くて怖くてたまらなかったらしいですが、実際アート界の人たちも「これは成功しないでしょう。」と言ってたのに、唯一と言っていいくらい、The Baer Faxtというメールマガジン(?このカテゴリで合ってるのかな?)を書いてるJosh Baerだけが「成功するだろう。」と言ってました。このメルマガは現代アート界の最新の情報満載です。怖くなります。どこの誰がいつからどこのポジションについたとか、オークションの落札者の名前とか。


というわけで蓋を開けてみたら、世界のお金持ちたちがこぞってハーストを値をつりあげ、一人のアーティストに関するオークションでは記録を打ち立てました。作品は目新しいものがなく、今までにハーストが発表してきた作品のバージョン違いというような現代アートにありがちな「え?これエディション?」というようなものの羅列でしたが、それでも成功したのに、驚きというか、もう私なんかは感動を覚えます。


ま、底辺の私にはあまり関係のないことです。

最近、ダミアン ハーストとジェフ クーンズの話しかしてない気がします。
今日のブログも、ハーストはフランスのことちゃうし、私が見てきたわけでもないし、いっぱい情報もあるし、書かんとこーと思ってたのに、他の記事の前振りで書き始めたらとまらなくなりました。


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09/20 06:38 | アート市場 | CM:7 | TB:0
究極の現代アート収集。


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年末年始に1週間ちょっとのお休みが取れたので、私にとっての仕事始めは8日の月曜日からでした。しかし相変わらず体調悪し。風邪をひいてしまって、鼻ジュルジュルくしゃみでまくりで、今週の金曜日がカクテルパーティー、土曜日がオープニング・パーティーの展覧会準備に明け暮れています。


今日はちょっとした穴埋めとしてこんな話題はどうでしょう?


2年前の2005年春夏にポンピドゥーセンターで開催されていた回顧展が記憶に新しいRobert Mallet-Stevens。
彼はアール・デコになくてはならない建築家。この回顧展もすばらしかったし、彼の作品もすばらしかったのでよく覚えています。

ロバート マレ・ステヴァンに関するサイトはこちらから。(フランス語)http://www.malletstevens.com/index.html

そんな彼の作品のひとつである、1927年に建設されたお家が売りに出ていまーす!
maison_exterieur.jpg


パリ16区(ブルジョワ地区)の建築家自身の名前を持っていて彼の作品が軒並み建っている通り、rue Mallet-Stevensの7番地に位置する255㎡の5階建て。エアコンもセントラルヒーティングもプールもエレベーターも付いてます。
各階はそれぞれ特別の役割を持っていて、地階はレジャー施設としてプール&トルコ風呂、地上階(日本でいう1階)はキッチン、ダイニング・ルーム、2階はロフト付き&暖炉付きの天井までの高さが5mもあるすばらしい居間、3階は広々としたベランダ付き寝室、4階も寝室。
そしてお庭&テラスは125㎡。

気になるお値段は、、、、




パトリックさんにお問い合わせください。
さすがに冷やかし丸出しなので電話する勇気はなかった、、、。
でも見学行きたい、、、すごーーーーーく行きたい。
誰か見学行く人いたら、誘ってください。


Patrik Barret
Adviser & Real estate agent
65, rue du faubourg Saint Honoré
75008 Paris - France
tel : 33 (0)1 43 55 11 75
fax : 33 (0)1 43 55 11 21
e-mail : patrik@barretimmobilier.com
site web : www.barretimmobilier.com


アール・デコ史上に残る重要作品を買っちゃって住んじゃう。
これ究極の現代アートコレクターじゃないでしょうか。


そんなことができない一般人の私たちのために。
こちら回顧展のカタログ。
作品も回顧展もカタログもすべて良かった展覧会はなかなかないですね。オススメです。
Robert-Mallet Stevens Robert-Mallet Stevens
Oliver Cinqualbre (2005/12)
Centre Georges Pompidou Service Commercial,France
この商品の詳細を見る


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01/12 04:39 | アート市場 | CM:0 | TB:0
Maurizio Cattelan
おとついに書いた記事で、今年のベルリン・ビエンナーレでのキュレーター陣にマウリツィオ・カトランの名前を出しました。

このマウリツィオ・カトラン。毎日のようにその名前を聞いていた(それは大げさやけど)んですが、去年の5月以来、カトランの名前を聞くことが急激に減りました。

現代アートの世界にも、まさにモードの世界と同じように流行り廃りがあるもので、ときにはそれがとても残酷なものに思えます。


今回はそんなアート界の残酷さが、まざまざと現れたカトランを取り巻く状況について。
03/29 02:03 | アート市場 | CM:7 | TB:0
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