スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/-- --:-- | スポンサー広告
Bains Numeriques 4 「ダンス」と「テクノロジー」のコンペ
ここ最近ずっとアーティスト イン レジデンスや公募展に関する記事を書いていませんでした。今回は公募展でもレジデンスでもないですが、コンペティションへの参加募集です。
ちなみに今までにこのブログに書いたレジデンスや公募展の募集は毎年定期的に行われているので、ここに同じことを書いてないだけです。だから興味のある人はまめにチェックする価値はあると思います。

コンテンポラリーダンスと現代アートが好きな私が、以前からずっと気になっているアートセンターがあります。それはCentres des arts Enghien-les-Bainです。マルチメディア、音楽、ダンス、演劇、現代アートとかをごちゃまぜにしたアートセンターみたいです。プログラムを見ては「一回行ってみたいなー。」と思いながらもなかなか重いお尻があがりません。だってサンドニとかあるジャントゥイユより遠い。クレテイユやジュンヴィリエまでならなんとかがんばれるんやけれどもそれはやっぱりメトロで行けるからです。仕事のあとにもえんやこらと行きますけど。

この気になるアートセンターからコンペ参加募集のメールが送られてきました。Bains Numeriques 4 と題されたこのフェスティバル。2009年6月11日から13日まで開催されます。

2009年は第4回を数えるこのフェスティバルですが、第3回の今年は明和電器も来てたんですねー。いまなら公式サイトの最初のページからVideosを選択し、Retour Bains Numerique 3をクリックすると映像が見れるようになっています。同じところからBains Numeriques 4 のプログラム映像が見れるようにもなってました。

ImageJourBains.png
ちなみにこれは2008年度のポスター。

さてさて本題に入りますと、「ダンス」と「ニューテクノロジー」を融合させた作品の国際コンペで、ここに提出されるプロジェクトは、
アーティスト、科学者、研究者などによって構成されたチームであること(まあ多分そんな科学者とかじゃなくても何人かが集まって作ったものなら大丈夫でしょう。)。
フランス以外の国で一年以内に創作されたものか、現在創作中のものであること。
30分から40分以内のものであること。
などなど。

で8組が全ての応募者の中から選ばれ、フェスティバル開催中に審査員と観客の前で、最終オーディションが行われるようです。

挑戦するダンサーさんやアーティストさんはこのページから応募用紙をダウンロードしてください。ここに詳細は全部書いてあります。受付は2009年1月9日まで。

ではではクリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ
スポンサーサイト
11/27 04:08 | 公募展, アーティスト イン レジデンス | CM:0 | TB:0
Paris Photo 08 / パリ フォト 08
11月のパリは写真月間。美術館や街中のギャラリーで、写真の展覧会が開かれます。
それらプログラムは全てこの2冊に網羅。
DSCN1867.jpg
左側が「Mois de la photo/パリ写真月間」のプログラム。右側はoffイベントのプログラム。
普通に働いてて私生活がある人には、一ヶ月で絶対全部行けない数です。そのうえもうすぐ11月終わっちゃうし。

そんな写真ずくしの11月のパリでの中心的イベントがこちら。
DSCN1834.jpg
Paris Photo / パリ フォトという写真のアートフェアです。
今年は日仏交流150周年ということで、ものすごい数の日本関連の展覧会やイベントがフランスで行われていますが(ということは日本ではものすごい数のフランス関連イベントがあるってことですよね、きっと。)、今年のパリフォトもその誕生日に合わせて、特別ゲストは日本!
街中のポスターも、日本人写真家の川内倫子さんの作品です。というか、見た瞬間「あ、川内倫子や。」と写真に詳しくない私が気づく写真ってすごい。それだけスタイルが確立されているというか、倫子節炸裂です。

さてさて、今年のパリフォトには19カ国から来た107のギャラリーや雑誌社が参加。そのうち日本からの参加は19にも及んでいます。ほぼ20パーセント近くが日本からのギャラリーですねー。そのうえ他国のギャラリーも日本人作家の作品を多く出してきていたので、パリフォト内はもうアラーキーダイドー モリヤマだらけでした。でもこんだけ数だしてきはっても、なんでも美しいわけじゃないってのが面白い。アラーキーのボンテージの作品はそこら中に展示されていましたが、本当に素晴らしいのが一点ありました。どこのギャラリーだったか忘れてしまいましたけど。あと、同じアラーキーの作品でも普段私が見る現代アートギャラリーでの展覧会や現代アートフェアで展示されている作品たちと、今回「写真」を専門に扱うギャラリーが展示する作品たちに、少し違いがあるというか、うまく言葉で伝えられないんですけど、現代アートとして面白い写真と現代写真として面白い写真というものは、ほんの少し違うのかなーとふと思いました。写真ギャラリーになかなか普段足を運ぶことがないのと、写真という媒体を使った作品について詳しくない(絵画や彫刻にもあんま詳しくないけど)のでよくわかりませんが、その相違が私のただの思い違いなのか、本当にそういう現象がもしかしてあるのか、なんてごちゃごちゃ考えながら写真について勉強していきたいです。パリフォトを見に行ったあと、家にあった何年か前の美術手帖の日本写真史特集の号を見ていると、写真専門家のかたたちの対談があって、それを読むとふと「見つめる」っていう言葉が多用されているのに気づきました。現代アートの作品ってどちらかというと「見せる」っていう概念の元成り立っていると思うんですけど、現代写真は作品のもとにあるのが「見つめる」そして「切り取る」みたいな行為があるのかな、と思います。ま、私の勝手な想像ですのでほっといてください。

さてさてそんなパリフォト、もう2週間ほど前の話になってしまいますが、私が気になった写真をいくつか紹介します。
「ブースを見る」というようなことは、私の写真ギャラリーに対する知識がないのと、あまりにも人が多すぎて、不可能でした。ということで作品の紹介だけです。

不況まっただ中に開催されたこのアートフェアですが、やはり名がある程度売れているアーティストさんの作品やけれど、安めのものからどんどん売れていったみたいです。またパリフォトは現代写真だけではなく、昔のドミュメンタリー写真のようなものも数多く展示されていました。例えば名もない写真家が取った江戸時代から明治時代にかけての人物写真とか。

ではいってみましょー!



結構人だかりができていた、Maria Antonietta Mameliの作品。ニューヨークのBruce Silversteinというギャラリーのブース。
上の右の写真だったかな、5点のエディション全て完売。
DSCN1835.jpg
これの黒バージョンもありましたが、ここのギャラリーのブースは真っ黒に塗られた壁の部分と真っ白のまま残されている壁の部分とあって、それぞれの色の壁に展示されている作品はすべてその壁の色だから映えるものが多く、うまいことしたはるなーと感心。
この写真の作品とは別に、そっこまで美しい作品でもないのに、黒い壁にかけることによってすっごく良く見える作品もありました。家の壁が真っ黒ってことってそんなにないと思うので、こういうのにだまされてはいけない、、、と思います。
この写真の作品なんかはきっと白い壁でもうまく映えると思います。まあでもマーーッシロの壁ってのもなかなかないですけどね。

同じギャラリーから、丸山 真一の作品。
「右のが好き。」と思ったら右のは売約済み。
DSCN1838.jpg



中国から参加のギャラリーはひとつだけでした。798 Photo Gallery 百年印象。
ものすごくにぎわっていて、それもそのはず、現代アートとして面白いものなーというものが結構ありました。ここほど赤い売約済みシールがいっぱい貼ってあったところはなかったんじゃないでしょうか。まあでもあの赤いシールほど充てにならないものはありません。本当は売れてなくても、エディションのある写真作品なんかでは、わざとひとつだけ貼ったりして買いたい気持ちを促すギャラリーもあります。あのお洋服屋さんで、「今日入ってきたんですよー。」とか「もうこれが最後の一着なんですよー。」とか言われて、「へー。」と言いながらも心では「ほんまかいな!」と思ってるのと同じ感じ。個人的には赤いマークをいっぱいつけるのはあんまりシックじゃないなー、とも思います。赤いマークがついてるから「あ、もう売れてしまったんや。」と思って声をかけてこないコレクターさんもいるでしょうから、逆に何も付けないで、値段を聞かれたりしたら「これは売約済みですが、他にもこんな作品がありますよー。」と話題を広げられるほうがいいんじゃないか、と思います。

このギャラリーから、
Liu Jiaxiang。中国でのオリンピック会場である「鳥の巣」をテーマにした作品を今年は中国人アーティストがたくさん発表していてうんざり感もありますが、これはちょっと面白い。柵越しに必死で鳥の巣の写真を取る人たちの携帯やデジカメに鳥の巣がまた写っています。フィーバーっぷりがうかがえるんですが、ものすごい冷静な視点。
大きいサイズと小さいサイズ、一エディションずつ売れていました。
DSCN1840.jpg

Huang Qingjunの作品。この写真の作品は、開発が進む北京を背景にいまにも崩れ落ちそうな家に住んでいる夫婦と犬、そして彼らの持ち物全てが撮影されたもの。他には遊牧民の家の家財道具一式全てを外に出しての家族写真がありました。なかなか!!
このサイズのエディション数は6。2つの赤いマーク。
DSCN1843.jpg

パリフォトと同時開催されるBMW賞を取ったYao Lu。このアーティストさんの作品は何点も展示されていましたが、ものすごくたくさんの人が見入っていました。私もその一人。
このサイズのエディション数は10で、売約済みの赤いマークは5つついてました。
なんだかのどかな中国の風景と思いきや、、、、
DSCN1846.jpg
全部ゴミの山やー!
DSCN1847.jpg
同じアーティストさんのこんな絵巻物みたいな巨大な作品もありました。
DSCN1849.jpg



ふとこれ好きやなー。と思ったら、めっちゃ高かった!41 000 ユーロなり。
Berenice Abbott 。こ、この人は有名なの??とググったらものすごい量の検索結果でした。知らんかった。
DSCN1850.jpg



私が好きなRaymond Depardon。いまカルティエ財団で展覧会も開催されています。
私は彼の映画が特に好きで、多分全部くらい見てます。いまフランスでは「La vie moderne」という彼のお百姓さんドキュメンタリーシリーズの最新作の映画が公開中です。これもすぐに見に行ったけど、今までの同シリーズに比べるといまいちでした。展覧会も早く行かないとなー。
DSCN1853.jpg
ドパルドンは映画取ってる人やからか、静止画なのに動きがあるというか、ダイナミックで好きです。ドパルドンの声も好き。


何ヶ月か前にパリのカルティエ ブレッソン財団で展覧会が開かれていたSaul Leiter。はい、悔しいけど見逃しました。
DSCN1855.jpg
4枚同じサイズですが、値段がそれぞれ違うのです。7500ドルから9000ドルまで。ユーロになおすと、、、えっと、、あれ、そんなに思ってたほど高くないのね。ほしーーー!!


あっれ!どうしたんやろ。このブース。壁作るお金けちった?作品運送のお金けちった?と一瞬思ったんですが、よく見るとめちゃくちゃかっこいいブース。hiromiyoshiiギャラリーの津田 直さんの個展。
DSCN1859.jpg


もちろん、Kaoru Izimaの作品も。
彼女の大きな作品もあったんですが、この写真に写ってるのはテレビ画面に映し出された何点かの作品。これがねー、なんかあのパソコンをスクリーンセーバーにして写真を流してるような妙なアップの仕方とか画面の流れ方をしていて、個人的にはちょっと「ん??」。
DSCN1861.jpg
でもやっぱりすごく好きです。


そして今回の私の収穫はVee Speersの作品を知ったことです。
バースデーパーティーと題されたシリーズ。かわいいのに、ものすごく暴力的な作品。色合いとかテクスチャーとか構成も好き。
DSCN1862.jpg DSCN1863.jpg
左側の写真のように額に入って壁に展示されているものももちろんありますが、ブースのお姉さんが箱から額装されていない同じシリーズの写真を一点一点めくって見せてくれます。
「これを一日中繰り返す仕事なんて微妙やな。」とかわいそうになりながらもじっくり堪能させていただきました。


あ、いいなー、日本人だろうけど、誰だろう?と思ったら、石内 都さんの1976-77年の作品でした。
DSCN1864.jpg
彼女の作品は他にも広島市現代美術館で開催されていた個展の「ひろしま」シリーズも別のギャラリーのブースで出ていました。
キャプションは英語だったかフランス語だったかでしたが、そのキャプションにシリーズ名の「ひろしま」っていうところはきちんと日本語で記載されていて、「これはひらがなであるところに重点を置いているのかな?だから日本語でもきちんと書いてあるのかな?」と思いましたがどうなんでしょう。



いまとなっては、なぜこれらの作品の写真を撮って、他のは撮らなかったのかよくわかりませんが、まあフェアなんていつもそんなん。今回私にとってとても面白かったのは、先月くらいから配偶者が「もっとお金を使わないと来年の税金の支払いで泣かされる。だから税金対策なんかない?」と言ってきたので「ほんじゃあパリフォト行ってみる?30以下のエディションのものなら税金対策になるよ。」ということで繰り出したのでした。実はそれまでパリフォトには一度も足を運んだことがなかった私たち。アートフェアには結構行っていますが、いままで「へー、こんなアーティストいるんやー。このギャラリーのラインナップいーなー。」なんていうようなことしか考えていませんでした。でも今回は「これがいくらであれがいくらで、アーティストは○○才で、ギャラリーはいまこれくらいの位置にいるけど、将来有望そうやし、、、」みたいなことを「好きやなー。えーなー。」というのにプラスして自分の思考にいれるように注意しました。そうするといろんなことが見えてくるもんで、どんなに好きな作品でも購入して自分の家に飾って毎日顔を会わせる家族の一員になるのか、と考えると、「あ、この作品とは一緒に生きてはいけない。」とか「この作品と一緒にいるときっと自分が負けてしまう。」とかいろんな想いが出てきました。大げさかもしれないけれど、いつもとはまた別の視点で作品と対峙して、たくさんの発見がありました。それは作品の中のことの発見でもあったし、自分自身の心の中のことの発見でもありました。
例えば、私が人生で展覧会を見て泣いたことが2度あるんですが、それがなんと写真のことはよくわからないのに、どちらも日本人写真家の展覧会でした。ロンドンでみたアラーキーの回顧展とパリでみた川内倫子のcui cui展。川内 倫子の作品は欲しいけれど、たとえどんなにお金があっても私は自分の手に入れられないでしょう。他に日本人で言うと、ホンマ タカシの作品も大好きでひきつけられますが、私には無理です。というよりも、きっと「今の私」には無理です(もちろん金銭的にまず無理なんですけど)。私にはこれらの作品を許容できる器がまだ備わっていません。好きな作品だからこそ無理です。
こういうことをパリフォトを見終わったあと、配偶者と深く話し合い、まだ私たちには芸術作品を購入して一緒に生きるという行為ができるほど、芸術愛好者じゃないかな、アートのことも自分たちのことももっといろんなこと知らないといけないね、という結果に落ち着いて、結局税金対策は他に方法を見つけることで決定しました。ざんねーーーん。まあでもこういう視点が自分たちの中で生まれたことにとりあえず乾杯です。
ま、誰でも本音はやっぱり好きだけで買うというわけではないでしょう。作品の価値が上がればいいなあと思って買うに決まってますもんね。


ジャコメッリの写真作品とかオークションで結構安くで(常に私の予想が高めなのかもしれませんが)取引されてたなーなんて思い出しました。そういえばジャコメッリ、パリフォトで展示されてなかった気がします。なんでかな。あと付けたしですが、植田正治の作品はすんばらしかったです。



ではではクリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ



作品購入は見送りなので、今年のクリスマスはカタログで我慢。我慢と言っても写真という媒体はカタログも立派な作品発表の場であるから、これで十分かも。
 

このふたつは最近封印してます。泣いてしまうから。
 

11/25 22:46 | アートフェア | CM:4 | TB:0
首切り
前回のものすごく情報のない記事で、「毎月決まったお給料が入ってくる仕事があって良かったー!」と叫んでましたが、世界中のギャラリーがこの恐慌のなか、がんがんアシスタントの首を切っております。
salome.jpg

ニューヨークに3つも展示スペースを持っている世界有数のギャラリーで、最近北京にもPace Beijingを開いたペイス ウィンデルスタイン/Pace Windelsteinが、先週なんと、18人も首にしたことを公式発表しました。18人!?ええ!まわらんやん!と思っていたらなんとペイスには146人ものアシスタントがいたらしいですねー。それでも10パーセント以上の人が首!こえー。っていうかギャラリーに146人も働いてるっていうことに相変わらず驚きます。でかすぎ。
でもまあロンドンのWhiteCubeは100人いるって聞いたから普通かな。
ちなみにマチュー マークス/Matthew Marksも24人中4人解雇らしい。

パリのギャラリーで解雇があったという具体的な話はまだ聞いていませんが、どこのギャラリーもオーナーから結構圧力かかってるみたいですねー。「このままいったらやばいから。」みたいな。
他のギャラリーとも仕事をしてる会計事務所の人も、「あんたたちのとこはまだ大丈夫よー。ほんっまにインスタレーションとか彫刻とかのばりばりの現代アートを扱ってるとこは相当やばいよ。」と言ってました。
そういえば最近、投資というよりも価値が確立している作家さんの作品がどんどん売れていく気がします。あと売れるのは売れるけど、コレクターの支払いが少し遅いような、、、。売約後のキャンセルもほんの少しやけどあったし、、、。でも冷静に考えたら、そういうことは今までにも何度かあったけど、やっぱり頻度が高いと言われればそうかなあ、、、でも考え過ぎな気もする。うーーん。


「めっちゃこわーい!」と一人で叫んでたら、オーナーに「だからみんなで一緒にいれるように努力しよう。」と言われました。「そんなん言っても切るんでしょー!!」と叫び返しましたが。
下っ端ってこわすぎ!

いま職を探してる人は大変でしょうねー。インターンシップの研修生の存在のおかげで成り立つ(ほぼただ働きですから)ギャラリーがまた増えそうだ。ただでさえ多いのに。

倹約しよ。業者さんとの値引き交渉がんばります。でもみんな大変なのは一緒だから、ほんまにそういうのしたくないんですけどね。

クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ
11/21 03:22 | アート界関連ニュース | CM:0 | TB:0
いやったああああーーーーー!!
いまさっき、私が友人と共に運営してるNPO団体(フランスではアソシエーションと呼びます。)のキュレーションチームのプ、プ、プロジェクトに!!「私たちのプロジェクト」に!!!企画者側からのオッケーが出ましたー!
うれしい。うれしすぎる。
まあこんな大げさに言うほど大きいプロジェクトじゃないんですが、でかい展覧会の一環ですごいとこでできるんです。って言っても私たちのプロジェクトは本当に小さなものなんですが、ほんまにうれしーよー!これのために徹夜したり、友人と喧嘩して落ち込んだり、なんか始まる前の時点で既にたくさんのことがあって、「別に返事がNOでもいろんなこと学んだし、大きな前進だ。」とえらく謙虚なこと考えてたんですが、OKだって!
それもなんかえらい褒められたし!
キュレーションって何だ、結局アーティストの作品を見せるだけじゃないのん、と卑屈になっている場合ではない!
これをバネにいろいろやるぞーーー!

ブログとかアソシエーションとかお金にならないことばっかりやってるけど、私。ということには気づかずがんばります。毎月決まった給料が入ってくる仕事があって良かったー。
アーティストさんにお金がいくようにいまから資金集めがんばりまっす!ふんがっ!

そんなノリノリな私にクリックお願いしまーす。


にほんブログ村 美術ブログへ

11/19 03:39 | ワタクシゴト | CM:6 | TB:0
Malaise dans les musees : Jean Clair
私自身のための備忘録というかメモとして、これからちゃんと読んだ本やじっくり見て読んだカタログについて、このブログに書き留めていきたいと思います。アートに関するブログなので、もちろんアートに関する本やカタログ限定です。ただのつぶやきみたいなもんなので、ここに書かなくてもいいんですが、ここでつぶやくことによって、いろんな人と何かを分け合えたらいいなあと思います。
実は誰も気づいてないと思いますが、このブログのメニューみたいなとこ(右ね)に、「いま読んでる本」という項目を先週くらいから追加しました。如何せん私はフランスに住んでいるので残念ながら日本の本はなかなか手に入らなく、ここに表示されていく本はフランス語であったり、英語であったりすることが多いと思います。でもこの時代、インターネットで世界中の本が買えますから、どんどん活用したいと思います。

さてさて記念すべき第一冊目は、先週末のパリーストラスブール往復の電車の中で読んだ一冊。

Jean Clair/ジャン クレールの「Malaise dans les musees/美術館での不快感」


ジャン クレール
は有名な学芸員で、ピカソ美術館の館長も務めていました。
彼が企画した展覧会で有名なのは「M�lancolie, G�nie et folie en Occident/メランコリー、西洋における才能と狂気」展です。

フランス語で学芸員は「conservateur」。この単語は「保守的な」という形容詞でもあります。ジャン クレールはまさにダブルでconsevateur consetvateur (保守的な学芸員)。
実際に彼は非常に優秀な美術史家であるし学芸員でもあるのですが、最近では、現代美術とフランスの昔の芸術を混ぜ合わせた展覧会がある度に、反対派のリーダーとしてメディアに引っ張りだこです。そのうえまたこういう展覧会がフランスではどうも流行みたいで、大忙しだろうと思います。だってジェフ クーンズがヴェルサイユ宮殿で個展をしているのも許せないヤン ファーブルがルーブルで個展をするのも許せないんですから。もちろんヤン ファーブルだけではなく、ルーブル美術館オルセー美術館で近年では定期的に企画される現代アーティストの展覧会も許せないだろうし、フォンテーヌブロー城でパレ ド トーキョーが企画した展覧会も許せないんでしょう。

そんなジャン クレールが、ルーブル美術館アブ ダビ計画に反対するに際して書いたこの本。
attachment.jpg

ルーブル アブ ダビに関してはもちろん、ルーブル アブ ダビと同じリゾート埋め立て地に建築予定のグッゲンハイム美術館の世界を股にかけたチェーン店化、はたまた2年ほど前にパリにできたケ ブランリー美術館のオブジェを従来の存在理由から切り離した「芸術作品」としての展示方法、「ダヴィンチコード」の映画撮影を多額のお金と引き換えに許可したルーブル美術館、そんな低文化のハリウッド映画の宣伝に多大に加担し、映画上映中は美術館内の至るところに「ダヴィンチコードの謎を解く!」なんてフィクションの馬鹿げた小説ブームに低俗に便乗した我らがルーブル、なんかとにかくそういうことに対して嘆く、文句を言う、「我らがフランスはそんな低レベルの国ではなかったのに!」という叫び満載の本です。

私はルーブル アブ ダビ計画に対して反対というわけではないですが、良い感情を持っていません。でも反対派のジャン クレールの主張には納得が全くできないし、私とは正反対の観点で物事を見ている人なので、逆に彼の本を読むのが好きなのです。
そして彼はなんといっても、「でっったーーーーーーー!差別主義者!」とページをめくるたびに叫んでしまうほどのレイシスト。あまりにもあからさまで、いっつもげらげら笑ってしまいます。著名な美術史家に、こんなことを底辺の私が言うのは非常に釣り合ってないんですが、彼の論点はあまりにも理想主義すぎるというか、時代遅れというか、まあいわゆる「おまえら、俺みたいなエリートじゃないんやから、絵なんか見るな。どうせわからんやろ。」ということを遠回しに、でも結構はっきりと言っちゃう、そういう点ではかなりレベルの低い人だと思います。いや、彼は素晴らしい美術史家だと私も思いますけど、ほら、「この人すごいなー。頭いーなー。」と認めてはいるんやけど、思想についての話になると「あんたまだそんなこと言ってんの!?」って会話にならへんみたいな人って普通にいるでしょ。そんな感じ。(読み返して自分のえらそうっぷりにたじたじしてしまった。でもいいか、ブログだし。)

電車の中で読んでいて、あまりにも私が本を読みながら一人でぶつぶつ言ってるので、配偶者がたまに「いま差別レベルどれくらい?どれくらいあがってきた?」なんて冗談で聞いてきて、いくつか「これは!」というところを読み聞かせて、二人で「でたーーーー!レイシスト!っていうかいまからレイシスト多めの地方(ストラスブール)行くからちょうど良いな!」としっかり楽しめました。

例えばね、
ルーブルやフランスの地方ボザール美術館にある作品は、世界一大きく古いコレクションを誇り、それはフランスの王制から生まれ、フランスの歴史の中で豊かにされ、革命の間も保管され、芸術品破壊の蛮行からも守られ、国民皆に開かれ、フランス共和制の努力によって維持拡大されてきた。

まあそういうことなんで、アラブ首長国連邦のアブダビの人になんか、俺らの芸術はわからないんだよー。という主張なわけです。

あっれーーーー?でもフランスが外国で略奪してきた芸術品もルーブルのコレクションの、重要作品の大多数ですけど、それには触れないんすかーー??えらいうまいこときれいにまとめたけど、なんかめっちゃ抜けてる部分あることない?あなたのフランス美術史?みたいな。

ほんでそのうち、フランスが外国で略奪してきたのは外国に芸術品を置いとくとちゃんと管理するかわからへんから、亡命させてきたのであって、フランスにあるおかげでこれらの外国の芸術品は安全だ、みたいなことになっていく。

はあ?

あと彼は美術館に来る観光客が嫌いです。っていうか多分観光客じゃなくても、美術館に来る人みんな嫌いなんやと思う。自分以外の人が来るとどうもむかつくみたい。マドリードのソフィア美術館とかロンドンのテートモダンとかも嫌らしい。

私は「ルーブル」がアブダビに建つことにどちらかといえば賛成でしたが、この本を読んでジャン クレールの主張とは全くかけ離れた点で、反対意見になりました。彼は「フランスの栄光」を守るために反対なわけですけど、私はアブダビの文化レベルを本当の意味であげるために反対です。この埋め立て地はリゾート地です。砂漠の真ん中に、もういくつかわからんくらいの星付きのホテルが何十件も建って、ゴルフ場があって、ビーチがいくつもあって、高級ブティックだらけのショッピングセンターがあって、そして「ルーブル」があって、グッゲンハイムがある。グッゲンハイムはそれでいいのかもしれません。だってセンセーショナルな建築物を建てて、そこで展覧会をするのが、もういまではグッゲンハイムマークだから。でもルーブルは二つあっていいもんじゃないと思います。それはフランスのためではありません。アラブ首長国連邦の文化のため。彼らの国にある世界に誇れる美術館が、自分たちの文化とはかけはなれたフランスの美術館であることに、恥ずかしいと思わないんでしょうか。日本一の美術館がたとえば「オルセー美術館トーキョー」なんかうれしくない。何の意味もない。そしてそれらのレンタルしてくる芸術品は、フランスで製造された戦闘機を買うということと引き換えです。そのうえなぜ「ルーブル」という名前まで売り渡すんでしょうか。日本でよく見る○○美術館コレクション展というものではなく、その建物は「ルーブル」という名前なのです。

それでいいの?お金があるからなんでも買えるし、石油持ってるからどの国も言いなりやけど、この計画によって国の本当のレベルがわかってしまうと思う。世界有数の金持ちだけのために建設される人工の埋め立てリゾートで、泳げてスキーもゴルフもできて、キンキラキンのホテルで寝泊まりして、「ルーブル」見て、グッゲンハイム アブ ダビ店見て、それで「アブダビは世界の文化の中心だ!」って誰が思うでしょう。

ケ ブランリー美術館の在り方に関しては、私も同じことを思っていたので「うんうん。」とうなずく点もありましたが、やっぱりなんか差別してる感がぬぐえず、「それ言い過ぎ。」とか「それはちょっとおなしな展開やろ。」とつっこんでしまったことも否めません。

あと8月の日本一時帰国のあと、日本には美しい美術館という名の外見にだけお金のかかった空っぽの箱がいっぱいできている、と書きましたが、その空っぽ度はフランスのほうが全然マシとは言え、フランスにも同じような空に近い美しい箱がたくさんできています。そのことについても少し言及(といっても、彼のことなので容赦なく文句)してあって楽しめました。

ためになるならないの話ではなく、こんな意見の人もいるんやのー、というゆるい感じで読めます。自分の意見が流されるようなことは、書いてあることがあまりにも極端すぎるので皆無です。そのへんの心配は要りません。というか、外国人の私からしたら「どんだけえらいねん、フランス人!引き算できひんくせに。」という目線で読んでしまいます。

でもそんなジャン クレールの本、私結構好きなんです。だって、頑固で時代遅れやけどめちゃくちゃインテリでエリートでいろんなことしてきたすごいオヤジの書いてることやから。


クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ


伝説的!メランコリー展のカタログ。
 

以前から読みたいと思っていたけど、まだ読めてないジャン クレールの本。


2年前のマドリード旅行のお供だったピカソに関するジャン クレールの本。マドリードにはゲルニカ目当てに行ったということもあって、ピカソに浸りたかったのです。そのわりにはあんまりこの本に関する記憶がない。読み直さないとなー。


11/18 03:18 | 本 カタログ | CM:6 | TB:0
消えちゃったアート作品
前回のデロールに関する記事で、「お世話になってる」と書きました。
現代アートを扱うギャラリーで働いていてデロールにお世話になる、アーティストでもないのに?と思われる方もいるかもしれません(いや、いないか?)。そんなわけで「デロール助けテー!」と叫ぶエピソードをいくつか紹介。


2年ほど前から私の働くギャラリーのお抱えになったあるアーティストBさん、ギャラリーに彼女の新しい作品が届く度、展覧会をしなくても1ヶ月もたたないうちに売れて行きます。
そんな彼女の作品を大量に購入している有名コレクターがいるんですが、彼が自分でオープンしたスペースで、彼女の作品を含めたグループ展を行うことになりました。そのコレクターさんが所有している作品からの展示になるので、新しい作品の制作や運送の手配もなく、プレス用に写真や資料を送ったり、「前にも渡してるけど。」と思いながら作品の展示方法に関する資料を再度送ったりするところで私の仕事は終わるはずでした。
「今週末にはあそこのヴェルニサージュやなあ。」とぼんやり思っていたある日、そこで仕事をしている真っ最中の設営業者さんから(ちなみに私の働くギャラリーで設営をいつも頼む人と同じ人。偶然ではなく紹介だったので。)電話がかかってきました。
「おーー、元気ー?どうよ、設営進んでる?Bの作品はいくつくらい展示されるのー?きれい?」なんて聞いたら、なんと「カナ、羽根が消えた。」という答え。
何を言ってるのか最初はよくわからなかったけれどよく聞いてみると、その展覧会でも最も中心的存在になるはずだった、Bの3メートルほどの高さがあるインスタレーション作品についてたはずの羽根が消えてなくなってる、ということ。
全部虫に食べられてしまっていたのです。
「きょえーーー!」となり、すぐにアメリカ在住のBに電話!と思ったんですが、時差のせいで向こうは明け方!メールをして返事をとりあえず待つしかない。
何を聞かなければいけないかというと、
その虫に食べられてしまった羽根が一体どの鳥の羽根であったのか。
今までにギャラリーが売ったBの作品をもう一度すべてチェックしなおし、羽根や果物、貝殻などのオーガニックなもので、加工がされていない状態で作品に素材として使用されたものがないか。
という二点がアーティストからのとりあえずの必要情報でした。
何時間か後に受け取ったメールの返事を元に、「デロール助けテー!」と電話。その作品に使用されていた羽根と同じものがすぐに手に入るか、加工されていない場合はどのように保存すればいいのか、などを教えてもらいます。
こういうのって自然史博物館とかに電話したりしても教えてもらえるんですが、実際知識を持っている人に電話が届くまでの時間が長い。でもデロールなら、電話を受け取った人がその知識を持ってるからすぐにその場で答えてくれるんです。これはありがたい。
これらの情報をまた設営業者に電話して伝えました。
私ができることは残念ながらこの場合ここまで。
羽根が使用されているのはその作品の一部分でしかないので、その展覧会の責任者も羽根が消えたと気づいた瞬間は「このままで展示しましょう!」といきりたったらしいですが、さすがに羽根なしの作品と写真で見る羽根ありの作品の姿は違いすぎるということで、却下。ヴェルニサージュまであと二日ということで、その作品の展示自体キャンセルになりました。その展覧会を私も見に行きましたが、会場にぼっかりある空間が空いているのです。「あーここに展示されるはずやったんや、、、あの作品。」とむなしさが残ります。
例えばもしもこれがギャラリーにある、まだ売れていない作品に起こったことなら、すぐにその場で消えてなくなった羽根の残りかすと憎い虫とその幼虫も、「きもちわるー!!」なんてギャアーギャー騒ぎながらも果敢に封筒かなんかに入れて、デロールまで走ったでしょう。「この虫に食べられたこの羽根ください!」って。その場ですぐになんの虫なのか、その対処法も教えてもらえたと思います。で、アーティストの指示をあおぎながら簡単な修復をして、なんとか2日後のヴェルニサージュにとりあえず穴が空かないようにはできたと思います。
でも今回はもう売れてしまった作品に起こったこと。どんな状態で保存されていたのかもわからないし、修復やそれにかかる費用なんかもすべてコレクターにかかってくるので、ここで下手に羽根だけ買ってきたりしても話がややこしくなるだけです。修復の内容もそのコレクターがいかに保険屋さんからうまくお金を引き出すかにかかっています。
設営の現場にいた人たちの話を聞くと、問題の作品を展示するために3メートルの高さのあるケースを側面から開けた瞬間、黒い点がぶわーっと散るのが見えた(まさに、まっくろくろすけ!!)、でも目の錯覚かと思ったので作品を取り出し、カバーをはずしてみて、「ああ!羽根がない!」ということになったらしいです。で、よく見てみたら、羽根のあったあたりにはちっちゃい虫やら幼虫やらがニョロニョロしてたって、ヒーーーーー!
この作品の修復は羽根をくっつけていいだけのもんではありません。とりあえずは羽根をくっつければその場をしのげるかもしれないけれど、作品に住んでる虫をすべて除去しないといけません。まず目に見える大きさの虫やフンや幼虫はピンセットと刷毛でひとつずつ取っていく。でも虫は目に見えないところにもひそんでるかもしれません。この問題のおかげで知ったんですが、何メートルもの大きさでその上壊れやすいものの害虫除去をするために、どでかい風船のようなものにその作品を入れて、その風船の中を無酸素状態にしてありとあらゆる生物を除去するというすんごい業者さんがいるらしいです。でもまだ問題は残ってます。害虫は作品の羽根を食べてしまったけれど、その作品が入っていた木材でできた箱にももちろん及んでいました。ということで、その箱を作り直し。
これは合計するとえんらい修復代になりそうです。

設営を担当した人が私たちのギャラリーでよく働いている人だということと、この問題はこれからBとコラボレートを続くていくにあたって、私たちにとっても他人事ではないことだったので、結構情報収集したのですが、現在は保険屋さんと展覧会責任者の交渉が続いています。

この問題があったあと、「この作品に使われている素材はどうもやばそうだ。」と思うBの作品を購入したコレクターや美術館の倉庫巡りです。作品のケースを開けて、日本で売ってるタンスにゴンみたいなやつを大量投入、そしてビニール系の梱包パックを全て紙系のものに替える。大変でしたよー。
同僚2人と一緒に車で倉庫巡り、ギャラリーでパソコンの前に一日中いるのと比べると、まあそれなりに楽しかったけど。


他に私が聞いた、消えてなくなってた作品の話をふたつ。

Maurizio Cattelan/マウリツィオ カテランの「Turisti/ツーリスト」という作品。
15羽のヴェネチアのハトの剥製でできたインスタレーションです。
Turisti.jpg d4434418r.jpg
あるギャラリーで働いている友人が、コレクターに見せるために展示をしようと箱からハトを一羽取り出そうとしました。その瞬間、ハトが無惨にぱらぱらぱらーと、その友人の手の上でくずれていったのです。ひーーーーーー!
外見はまったく何も問題ないように見えていても、実は中側がすっかり腐っていたり、虫に食べられていたりすることがあるんですねえ。


おつぎはヤン ファーブルのこのシリーズ。
artwork_images_424402573_275143_jan-fabre.jpg
フクロウの頭を羽根で再現した作品。
この作品を一体購入したあるコレクターさん。長い間箱に入れっぱなしで家に飾っていなかったので、模様替えの際にこれ飾ろうと、箱を開けました。すると、箱の中は空っぽ。フクロウの目玉に使われているガラス玉だけが転がっていたらしい。ひーーーーーーー-!


どちらの話も、私たちにとっては怪談話でございます。いつまでも語り続けていかれるでしょう。


ちょっとした小話を紹介するつもりがすごく長くなってしまいました。

クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ

11/14 22:16 | 未分類 | CM:4 | TB:0
Deyrolle/デロール オークション 「Nature Fragile, le Cabinet Deyrolle」
1831年の創業以来、剥製や標本、また自然学用の図版の業者として知られるDeyralle/デロール。剥製といえばデロール。デロールと言えば剥製。どんなにすごいコレクションを有していても、博物館ではなくあくまでお店なので、ここに置いてあるものはすべて購入可能ですし、レンタルなんかもできます。
そんなみんなが知ってる老舗のデロールが火事にあったのは2008年2月1日のこと。
店内にあった歴史的価値の高い家具、剥製、標本、骨董品にいたるまですべが燃え尽きてしまいました。

L129xH188_jpg_jpg_1-11-78f2f.jpg
これは火事前の店内。

私もその日をことをよく覚えています。朝ギャラリーに行くと、ボスが「火事にあったって、デロール。今日来るときに前を通ったらファサードも店内も真っ黒だった。」言いました。一瞬耳を疑った私たち。すぐに実感できなくて、何秒か後にギャラリー全員「えーーーー!ひーーーーー!店内すべて燃えちゃったんですかー!?」と叫んだものでした。


参照
-デロールに関する日本語のページ
-火事前と火事後の写真
-改装後の写真


デロールにはこんなものがいっぱい!
L415xH600_jpg_2-18-c9e99.jpg L400xH195_jpg_O5-1d9cf.jpg L440xH330_jpg_FAUVES-0238d.jpg


そんなデロールの力になろうと、現代アート界、狩猟自然博物館、そしてクリスティーズがオークションを企画しました。
オークション作品は、デロールになじみのある現代アーティストたちが火事の跡に残った剥製などを用いて作ったもので、2008年11月4日から13日まで狩猟自然博物館にて展示されています。
狩猟自然博物館のAuditoriumにて、11月13日木曜日の19時からオークションが行われます。
ここでの売り上げはすべてデロール友の会に寄付され、歴史的家具の修復や学術的コレクションの再建にあてられます。

私は剥製とか標本とかなんだか怖くて仕方がないんですが、その割には以前にもこのブログで紹介したように狩猟自然博物館とか、デロールとか結構好きなんです。こういう類いの目的のために作られた作品って、どうも微妙な場合が多いと思うのですが、デロールという生き残りの難しい老舗店をめぐる現代アーティストたちの愛情というか想いみたいなものが感じられるかな、と思って、展示を見に行ってきました。そのうえデロールにはいつもお世話になっているし。

微妙やろな、と決めてかかりながらも、ちゃんと見に来た私を喜ばしてくれるかのように、結構素敵な作品がありました。
「デロールのために」ってことで有名アーティストが多く参加しています。作品たちが手前味噌でどう見ても手抜きだろうっていうのは予測可能でしたし、彼らの普段の作品とはまた異なるので、なんだかしっくりこないおかしな気持ちになるのですが、ここで見せつけられたのは、それでも素晴らしい有名アーティストたちの作品の強さ。「有名」であることってこんなに違うんや、、、と驚きました。私でも名前を知ってるアーティストを「有名」として、私が名前を聞いたことがないアーティストを「有名でない」とする、非常に自己中心的な基準ですが、私の限られた知識のおかげでちょうど良い具合に区分できると思います。
いくらチャリティーオークションのためとは言え、ナン ゴールディンやフランソワ グザビエ ララン、アンヌ&パトリック ポワリエ、カレン クノールの作品には美しさと哀しさと強さが、溢れ出てました。動物や昆虫って剥製や標本の状態でも哀しいくらいに美しく、そしてそれらは火事で焼けただれてしまってもどこまでも美しいのです。

ではオークションにかけられる作品たちの展示風景をいくつか紹介します。
評価額がすごく低いように感じられるのは私だけ??評価額でしかないので最終的にはいくらにつり上がるかわかりませんが、ちょっと買えてしまう値段です。

DSCN1799.jpg 左からMartin d'Orgeval、 Anne & Patrick Poirier、Jean-Baptiste Huynh。

DSCN1800.jpg Martin d'Orgevalの写真。評価額は1000/1500ユーロ。

DSCN1802.jpg 蒼々たるメンバー。左から ヴァレリー ブラン、ナン ゴールディン、そしてヤン ファーブル。ヤン ファーブルはいかにもデロール常連そうですね。

DSCN1804.jpg ナン ゴールディン。評価額はどちらも3000/5000ユーロ。左の焼けてしまったヤギとか後ろの赤とのコントラストが素晴らしい。

DSCN1806.jpg 何故ソフィー カル?と思ってしまったけれど、彼女の作品ってまさに日常生活の標本。そういうとこでデロール好きそう。評価額は3000/4000ユーロ。

DSCN1807.jpg Annabelle d'Huart。家具の一部でしょうか、はたまた壁?床?焼けて表面がもりあがっている木材を作品にしたもの。デロールというと短絡的に剥製関係の作品になってしまいがちなのに、標本や剥製を守りデロールの歴史をつくりあげてきた建物に焦点をあてさせる作品。評価額は2000/3000ユーロ。

DSCN1808.jpg焼けても美しい木材。

DSCN1810.jpg DSCN1811.jpg
3つのスペースがこのオークションの展示に充てられています。上の二枚は二つ目の部屋。

DSCN1814.jpg DSCN1815.jpg DSCN1817.jpg
Platon-Alexis Hadjimichalisの「ブラック フライデー」。昆虫の標本や貝殻、焼けた木材などでできたコラージュ。思わず見入ってしまいます。評価額は1000/15000ユーロ。

DSCN1818.jpg 私がすごく気に入った作品。Francois-Xavier Lalanneの「La memoire des mouches(訳して「ハエの思い出」)」。焼けてしまっているハエの標本箱に、ハエが一匹とまっています。まるで亡くなってしまった恋しい人をガラス越しに眺めるかのように。評価額は6000/8000ユーロ。

DSCN1820.jpg Mark Dion。好きなアーティストですが、今回はしょうもないです。評価額は15000/20000ユーロ。

作品は全部合わせて80点。オークションは明日の19時から。仕事が19時までなので、帰りにちらりと寄りたいです。

日本でもデロールに関する本が出版されているようです。
見てみたい!!写真とかきれいやろうなー。



クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ
11/13 02:56 | アート界関連ニュース | CM:3 | TB:0
Kandinsky/カンディンスキー  Salon de Musique, 1931
ストラスブールからもう帰ってきましたよ。滞在時間は約24時間。
私は以前にも行ったことがあるので観光は既にしたことあるんですが、ストラスブールまで来たのにカテドラルにも入らずに帰るなんていいの?あなたはカテドラルを見に行きなよ。と一緒に行った配偶者に言うと、「いいよ。現代美術館のほうが行きたい。」とうれしいことを言ってくれるじゃないの。洗脳がうまく進んでるみたいです。
そんなわけで、シュークルート食べてビールを浴びるように飲んで現代美術館をふたつ見て、くたびれて帰ってきました。

DSCN1743.jpg前は一応晩ご飯のあと通りました。カテドラル。めちゃくちゃ美しいです。

ストラスブールで見たいろんな作品の中から、今日はこれを紹介。
ヴァシリー カンディンスキーのSalon de Musique。
美術館の一角にもうけられたこの部屋。
 DSCN1791.jpg DSCN1792.jpg

1931年3月に開催されたベルリン建築フォーラム バウハス展の際に、当時バウハウスのディレクターであったミース ファン デル ローエの頼みで、カンディンスキーがセラミックを用いてつくった音楽サロンです。もちろん当時はピアノがあったりしました。この作品は展覧会の終了とともに破壊されましたが、1975年パリのgalerie Artcurialオープンの際に、バウハウス時代のカンディンスキーの生徒によって再製されました。

創設者であるヴァルター グロピウスの招待により、1922年にカンディンスキーはワイマールのバウハウスに移り住みます。カンディンスキーはここでフォルムに関する理論と壁画を教えていました。バウハウスの基本理念として、美術と応用美術を隔てる境を取り払うこと、産業の分野に美術を適応させていくこと、そしてまた総合芸術と呼ばれる、日常生活に芸術を取り入れること、などがありますが、この作品ではその三つの点がはっきり表れていますね。そしてもちろん、本質的なものを見いだすために無駄なものを省いていってどんどん浄化された、カンディンスキーの追求したフォルムと色彩による非常に美しい作品です。

この部屋のセラミックはもちろん陶芸家によってつくられていますが、別の一角にカンディンスキーによってダンボールに描かれた3枚の下絵が展示されていました。

このSalon de Musiqueは、日本でも「私にはその価値があるから」で有名なロレアル(シュウ ウエムラとかランコムの会社)によって、ストラスブール近現代美術館に寄贈されました。

私、カンディンスキーのことが本当に少しずつですけど、何年もかけて好きになっているところです。

彼に関する美術書は持っていませんのでどれがいいのかよくわかりませんが、彼の書いた本でよく読み直すのは抽象芸術論―芸術における精神的なもの (1958年)
点と線から面へ (バウハウス叢書)
おすすめです。と書こうとして、アマゾンへのリンクを見直してびっくりしました。
こんなに有名な本が普通に単行本で何百円かで買えないなんて!!ありえない、、、。


気を取り直して、

クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ
11/11 03:00 | 展覧会 | CM:2 | TB:0
2008年10月備忘録
生まれて初めてあんなに痛い思いをしたぎっくり腰も治りました。いまはまたあの痛みを味わうんじゃないか、と怖くて、何も思いきってできません。けがや病気のあとは、精神面でのケアも必要だなあと実感してますが、こんなぎっくり腰ごときのあとの精神ケアのためにカウンセリングに行くのも微妙なので、いつも通り、自分で自分をカウンセリング(無料ですし、いつでもどこでもできるし、「あの先生ほんまにいけてるんやろか?」と思うこともないし、素晴らしいです。)しています。

今月はサンジェルマンデプレのギャラリーを回った日がありました。普段から行きなれていないと、いざ行ってもどこに入ればいいのかどこには入らなくていいのか、あんまりわかりませんね。「ここは入って損はない!」みたいなとこもいくつかしか知らないし。やっぱり入ると時間取られるし、効率よく回りたいときはそのへんにイライラします。マレ地区なんかよりずっと密集しているし、まずどのギャラリーがどういう立ち位置でどういうもの見せて行こうとしてるのかをもう一回勉強し直すことから始めないといけません。基本的に好きじゃないんですよね、サンジェルマンデプレのギャラリーたち。ま、でも勉強です。

コンテンポラリーダンスは4つ見に行きましたが、どれも私が好きなものではなく、敢えて言うなら、ポンピドゥーセンターでのJennifer Lacey + Nadia Lauro の「Les Assistantes」がなかなか面白い試みをしていたなあと思うんですが、観客には一番のブーイングを受けていました。
普段私が見に行かない演劇の分野ですが、今月は平田オリザの「東京ノート」を見に行きました。私は日本演劇史に関して疎いので、レビューを見ながら「へーこういう人なんやー。」と感心はしますが、一体彼の日本演劇史での位置がどれくらいのもんなのか、具体的にはわかっていません。
でもすーーーーっごく面白かったです。アクションは限りなく少ないんですが、ものすごく暴力的です。
「他の作品も見たい!」と思っていたら、うまい具合に今年は日仏交流150周年ということで何かと日本人の作品がアートから演劇からダンスから映画からいろいろ見れるので、平田オリザのもうひとつの作品を見に行きます。楽しみー。


いまから何故かストラスブールに行ってきます。よくわからないけど、とりあえず週末にどっか行きたいという配偶者が、ストラスブールを提案してきました。ビールが安そうでいっぱい飲めそうなので、パリより寒そうですが、まあ楽しそうかな。と思い行ってきます。べたにソーセージとシュークルートをがっつり食べてきます。
腰が相変わらず心配なので、美術館ではりきらないようにしたいと思います。
ちなみに行くつもりの美術館はふたつ。
ストラスブール近現代美術館Musee Wurth France Erstein。どちらも評判の良い美術館なので楽しみです。

ではリストどうぞ。

11/08 19:27 | 備忘録 | CM:0 | TB:0
Le Laboratoire/ル ラボラトワール for Shift
6260.jpg

去年パリにできた新しいアートスペース、Le Laboratoire/ル ラボラトワールの記事が、Shiftに載りました。こちら。
ひさしぶりのShiftへの投稿です。
ちょっとすっきりしない文章に仕上がってしまいました。
もっと書いていかないといけませんなあ。

こちらはル ラボラトワールから出版された本。




クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ
11/06 22:16 | Shift投稿記事 | CM:0 | TB:0
アート界も2008年11月4日
今はフランスではもう2008年11月4日になっています。日頃から何週間も、いや、何ヶ月も遅れた内容の私のブログですが、少しタイムリーなことを。

今日パラパラと今月号のArtforumをめくっていました。
DSCN1734.jpg


そして目に入ったのが、この広告。
DSCN1732.jpg
右側のMax Hetzler Galerieのジェフ クーンズの展覧会の広告も見逃せませんが、左側の広告に注目してください。

ロサンゼルスのギャラリー、Blum&Poeの広告。
このギャラリーはアメリカで村上隆や奈良美智の作品を最初に紹介したギャラリーとしても有名です。

ギャラリーの広告やのに、住所も電話番号も載ってないし、ある特定の展覧会の広告でもないなーと思っている矢先に目に留まるのはやはりこれ。
オ

ギャラリーの建物の写真を撮ったときにたまたま写ったのかしらん?と一瞬思わせるこのオバマ支持の広告。

私もアメリカ大統領選まであと○○日、なんて数えながら、今日まで過ごしてきた一人ですが、さすがに少し驚きました。

いままでにも特定のアーティストの展覧会に関するものでこういうオバマ支持の広告を見てきたことはありましたが、それはあくまでもそのアーティストの作品とメッセージとして受け取ってきました。
しかし一つの商業ギャラリーが、それもBlum&Poeほど有名なギャラリーがここまで直接的に公に支持を表すということに直面したことがなかったので、おもわずページをめくっていた手が留まってしまったのでした。

どう考えてもこの左端の部分を見せたくてこの広告をArtforum誌に出したBlum&Poe。アメリカだとこれってアリなんかな?と思ったけれど、ひとつのギャラリーがここまで明確な政治的表明をすることに違和感を感じずにはいられません。

アメリカ大統領選、いくらオバマが優勢だとはいえ、最後まで気が抜けません。私が緊張したって何も変わらないけど緊張します。オバマオバマって言ったって、結局マケインとかになるんじゃないのー!だって2004年もなんだかんだ言って結局ブッシュやったし、、、と物事を悪いようにいつも考えてしまう私でございます。


ちなみにArtforumというアート雑誌は95パーセントが、世界中の商業ギャラリーや美術館の広告で埋め尽くされているようなものです。とはいえ、それぞれの広告がなぜこの雑誌に出されたのか、例えば普段ならこういう国際的なアート雑誌に広告を出さないギャラリーが次回の展覧会の広告を出していたりすると、「あーこのアーティストさんは、国際的なコレクター向けなんやな。」とか「次のアートバーゼルに出るのを狙ってこれ出さはったんやろか。」とか「このアーティストさんってここに広告出すほど国際的に売り出していかはるつもりなんやな。」なんて、いろんな妄想がかき立てられて面白いもんです。


クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ

11/04 09:43 | ツッコミ | CM:0 | TB:0
FIAC 2008 チュイルリー公園
今年のFIACが終わって一週間たちました。私は結局FIACの間、Cour Carre de Louvreには近寄ることもなく、私の一日中いたブースがあるGrand Palais内の展示さえも満足に見ることができませんでした。毎日新聞を読んだり、写真やヴィデオを見たりして「へーこんなんが展示されてるんやー。」とまるで地球の裏側で起こっていることのように、思ってました。実は一日8時間もいるブースから歩いて20秒のとこにそれらはあるのに。
そんなわけで唯一のオフであった土曜日にもサテライトフェアを回る気力もなく、今年のFIACは終わってしまいました。

そんな今年のファッキンFIACはですねー、私にぎっくり腰だけを残していったのです。
ここ2、3週間ほど個人的に非常に忙しく、残業も多くストレスも溜まっていたのですが、こんなオチがあるとは思ってもいませんでしたわ。まあ重いものをもったりするのはいつものことです。普段から病気にはならないようにすごく注意をしているので、いつもは重いものを持つときも、非常に気をつけているのです。しかし今回!朦朧とした頭に、「あーこの持ち上げ方してたら腰にくるなー。」という思いがよぎりながらも、体全体を使って肉体労働をすることに、疲れのせいで緩慢になっていたと思います。
で、2日間は「ちょっと腰痛いかも。」くらいで済んでたんですが、3日目には夜中にどんなに痛み止めを飲んでも一睡もできなくなり、そして4日目にはギャラリーで動けなくなったので、お医者さんをみんなが呼んでくれて、オフィスで思いっきりお尻に注射までされました。ぎっくり腰って何か物を持った瞬間とか、原因と間髪入れずにぎっくりがくるもんだと思っていたので、2、3日という時間差で来たので、かなり驚いてます。
もうあんなに痛い思いは生まれて初めてでした。一生普通に歩けないんじゃないか、と思うくらい痛かったです。
そんなわけで木曜日から火曜日まで「仕事しちゃいけません。」のドクターストップが出ましたー!わーい!展覧会行きまくろー!と思ったんですが、痛くて無理です。映画館には朝から晩までいます。


ファッキンFIACの開催中に夏時間から冬時間への変更がありました。
そんなことすっかり忘れていた私はお昼の12時から始まるFIACの会場に一時間早く着いてしまい(まあ遅刻してたので1時間も早くは着いてませんが)、同僚に「ねえまだー?」と電話すると「カナ、まだ11時すぎよ。」と言われ、あーもうちょっと家でゆっくりできたのにーー!というハメに陥りました。でもそのわりにはグランパレの前には既に長蛇の列。彼らはお昼の12時からFIACが開く、ということを知っていて、それでもあえて一時間早く来て列を作っているのか、それとも私のように思いっきり冬時間のことなんて忘れて、めっちゃいけてないやん、俺ら。みたいなやりきれない気持ちで列に並んでいたのか、いまはもうわかりません。


そんな時間を利用して、「そうや!チュイルリー公園の展示だけでも見よう!」とグランパレからチュイルリー公園まで朝のシャンゼリゼを歩きました。まあそんなことをしたら冬時間の12時開場にもどう考えても遅刻とわかりきっていることですが、まあいいや。


FIAC開催中に、ルーブル美術館とコンコルド広場をつなぐチュイルリー公園で、FIACのプログラムの一環として、屋外用の作品の展示が3年前から行われるようになりました。
私の働くギャラリーが、去年この企画での展示に参加したので、設営と解体作業中は見たことがありますが、実際にすべての設営が終わって、展示中である状態の作品たちを見るのは今年が初めてでした。

上にも書きましたように、30分ほどしか時間がない中での観賞だったので、私の目的は「歩いていて見つかるものだけ見よう!私が発見できない作品をわざわざ地図で探すことはしない!」でした。

ということで参加アーティストのリストを確認したところ、かなり見れてないものがありますねー。
とりあえず私が見つけたものだけ紹介します。

わーわー言ってるわりには一枚目の写真がFIACとは関係のない作品のものですいません。
今年のMonumentaの作家であったRichard Serra/リチャード セラの作品です。Monumentaの期間中だけの設置かと思いきや、まだ置いてあるんですねー。撤回させるのお金も人もかかるし、大変そうやし、もうこのまま置いといてほしいです。本当に美しい作品です。これを見てしまったら、これから紹介するFIACのための作品たちがかなりプーです。今年のMonumentaは賛否両論でしたが、私は本当に本当に本当に素晴らしいと思いました。ほんまにかっこよくてしびれました。観客の思考を高めてくれるすごくインテリジェントな展覧会であったと思います。
DSCN1692.jpg DSCN1693.jpg DSCN1695.jpg


早速誰のやったかわからない作品です。全然良くなかったからまあいいや。
DSCN1696.jpg


いつものDan Graham/ダン グラハム。以前このブログにも書いたように、彼の作品は自然の中でこそ映えると私は思っていましたが、今回のは、ルーブル美術館やリヴォリ通りの建築物、公園内の噴水などが作品に映って、非常に美しい効果がでていました。フランスの歴史的建造物でできたメリーゴーランドを見てるみたいでした。
DSCN1698.jpg DSCN1699.jpg


こちらは今年の横浜トリエンナーレにも参加しているはずのMichelangelo Pistoletto/ミケランジェロ ピストレットの作品、Spazio Libero。訳せば「自由な空間」なんでしょうか??
DSCN1703.jpg


お次はMona Hatoum/モナ ハトゥムの作品。私が大好きなアーティストです。この作品を以前ギャラリー内での展示で見たことがあるんですが、そのほうが今回の何倍も衝撃的でした。ホワイトキューブという真っ白の壁で四方を囲まれた空間と、煌煌と土嚢を照らすネオンの白い光、ネオンのブーンという音、そして土嚢からぐんぐん生えてきている植物。そのときはうわーーー!と思ったんですが、今回はそんな効果ゼロでした。土嚢とそこから生えている植物で作品は構成されるからまあしょうがないんですけど、展示の仕方って本当に大切だなあと痛感しました。この作品、フランスの王朝の象徴であるようなルーブル宮の前のチュイルリー公園に置いてどうするよ?反対側のコンコルド広場にはナポレオンがエジプトから略奪してきたオダリスクがあるし、ルーブル美術館だって略奪物で成り立ってるような部分がある。そのコントラストがいいのかな?と考えてみたけれど、うーんどうもなあー。これはアートフェアの展示であるし、この作品は売る目的のためにここに展示されているということも百も承知ですし、それは大体私がいっつも言ってることですが、これを出品することを決めたギャラリー シャンタル クルーゼルはどう思ってこれを展示したんやろう?もっと他にいい作品があると思うんやけどなあ。まあどうも思わんと展示したのかなあ?
そのうえ一番いけてないのは植物の育ち方が力強くないとこです。もうぐだぐだです。
作品の前で思わず写真を撮っちゃうような観光スポットになってます。
っていうかこの作品の前で、自分も一緒に写る写真を撮りたいという思考回路がわからん。
DSCN1705.jpg DSCN1707.jpg


Van Lieshout/ファン リースハウトのFavela。まあタイトルをわざわざ書かなくてもいいような、わかりやすい作品です。写真でもわかるように、ファヴェラの中を覗き込むと、ベッドとキッチンとテーブルとトイレがすべて同じ空間に並んでいてファヴェラでの生活の悲惨さを見せているんでしょうか。
作品自体は「ふーん。」としか思わなかったけれど、この窓から中を覗き込んで写真を(それも一眼レフとかで!)撮ってる観客(もちろん私も含めて)がいて成り立つ、面白い作品だと思います。こういう様々な国が抱えてる様々な問題を、こうやって窓越しにカメラぶら下げて観光客みたいに見てる人。別にそれが悪いことやとは全く思わないけど、世の中ってすべてそうやなあって思いました。私はいつまでもそういう人間であり続けるとも思います。
DSCN1708.jpg


Vincent Beaurinの作品。何がしたいんやろうか?
DSCN1710.jpg


フランスで大活躍の川俣 正/Tadashi Kawamata。もうなんかアイドルみたいです。彼の名前を聞かない日がないんじゃないか(それは大げさかも)と思うくらいです。まあ私の周りに彼の作品の大ファンが多いからかもしれませんが。ちなみに私もこの作品を見るために、嫌いなチュイルリー公園までやってきたと言っても過言ではありません。チュイルリー公園って人は多いし、砂埃はすごいし、空気悪いし、緑も美しくないし、できるかぎり避けて通る場所です。
遠くの木に展示されてるの、見えますかね?私はみっつ見つけることができました。
DSCN1711.jpg DSCN1701.jpg

一番ルーブル美術館に近いところにあるこの作品が一番すきやったかな。ひとつひとつ、もっと眺めていられたら、もっといろんなことが見えてきたかもしれないのに残念です。
DSCN1713.jpg


Richard Deacon/リチャード ディーコンのInfinityシリーズ。個人的にはこの作品見飽きてしまって、そのうえ特別美しいとも思えないし、ちょっとうんざりです。
DSCN1714.jpg


Mark Dion/マーク ディオンのThe Tuileries conservatory for confectionery curiosities。右の写真でなんとか見えるかな、グロテスクなほどのカラフルなゼリーに、虫がくっついている作品。これらのゼリーは樹脂でできています
The Tuileris Mark Dion


あとないかなー。と作品を探してぐるりとチュイルリー公園を見回してみました。
「あ!作品!」って一瞬思ったのが、公園内の噴水で子供たちがヨット遊びをするためのレンタルヨット屋さん。カラフルな感じとか人の集まり具合がとてもコンテンポラリーアートでございました。
DSCN1720.jpg

そんなことを言いだすと、この空高く吹き出る噴水も作品かな?って一瞬間違えたりします。
DSCN1721.jpg


私の働くギャラリーが参加した去年はすべての作品が、公園内の大通りを挟む芝生の上に設置されました。こ!れ!が!めちゃくちゃ大変だったのです。チュイルリー公園の植木職人さんたちはもう自分たちが育てた芝生の上にたとえ人が足を一秒踏み入れるのさえ耐えられないようで、そんなんやから通常屋外に展示されるために作られた何百キロもする重たい物を、それがたとえ「アート」という名のもとに置いても、一週間も置いておくのはどうしてもどうしても嫌らしく、とにかくお互いが納得できる解決法を見いだそうとしてもなかなかうまくいかず、ほんまに大変でした。どこのギャラリーもそれに関して文句を言っていて、ついでに植木職人さんのほうも耐えられない経験やったからか、今回は芝生の上への作品の設置がかなり少ないなーという印象を受けました。まだまだ3年目のこの企画、これからちゃんと続けていけるのかな?

私の嫌いな編集のされ方ですが、FIACの舞台裏のビデオがここから見れますよ。ちょっとしょうもないけど。


クリックお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ

11/03 05:04 | アートフェア | CM:2 | TB:0
template design by takamu
Copyright © 2006 takamu All Rights Reserved
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。