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Soulèvements @jeu de paume + Provoke @le bal
パリのコンコルド広場、オランジュリー美術館の反対側に写真専門のアートセンターJeu de Paume があります。
ここで、2017年1月15日までGeorges Didi-HubermanのキュレーションによるSoulèvements展が開催されているので、もちろん行ってきました。


最初に言っておきます。展覧会よりもまず、この展覧会予告編を紹介したいために書いたブログ記事です。

私はこれを、なんの映画やったかな、多分グザヴィエ ドランの新作を見に行ったときの、予告編の時間に大画面で偶然見て「なんっちゅうかっこいい展覧会予告編や!!」と思ったのでした。



なんと言っても、Jeu de Paume+Georges Didi-Huberman+テーマが蜂起、この三点、どれをとっても絶対はずれがあるわけがないという、素晴らしい三本柱。心の底から安定した気持ちで見れます。

ジョルジュ ディディ=ユベルマンとは、フランスの哲学者であり美術史学者であるめちゃくちゃすごいおじさんです。ルネッサンスからコンテンポラリーまで、図像学における権威中の権威です。
で、本展のタイトルの「Soulèvements」とは仏和辞典をひくと、1持ち上がること・持ち上げること 2反乱・蜂起 などがでてきます。までも、フランスでSoulèvementsと聞くと、人民が立ち上がる蜂起や暴動を想起する人が多いのではないでしょうか。

そんなこの展覧会、見終わったあとの復習でも、見る前の予習でも、もしくは見れないけど資料は欲しい!という場合でも、こちらのサイトがすごくおすすめ。
このSoulèvementsというテーマについて、より長く、広く、深く、皆で考えていくためのプラットフォームです。ジョルジュ ディディ ュベルマンの講演のヴィデオもあるし、世界中の20の文化芸術施設が選択し、展覧会では展示されていない、蜂起に関する作品や資料も閲覧できます。

あとこれね、ジョルジュ ディディ ユベルマンによる展覧会紹介ビデオ。


上のサイトとビデオさえ見れば、私がごちゃごちゃここに書く必要はほんまにない。全くもって無駄になります。

だから一言だけ!あ、いや二言!
まず、展覧会会場に入る前に、壁に貼ってある展覧会序章的な文章読むでしょ。
そのあとチケット切ってもらって会場に入る。で、これ。
20161129143517119.jpg soulevements-2_0[1]
美しすぎるよね。Soulèvementsっていうと、すぐに「蜂起」を思い出すけど、そうよね。これもあるね。持ち上がること。
はあ美しい演出。この作品が本展の広告として、パリのメトロにババーンと貼られてるんですが、もう本当にきれい。
Denis Adamsの作品

そしてもう1つこの作品、なんか感動したんです。これも入ってすぐです。
20161129143413439.jpg
ヴィクトール ユーゴーが1856年に描いたToujours en ramenant la plume(いつも筆に戻る)というデッサン。
私の写真が微妙すぎて申し訳ないんですが、この作品のキャプションにある説明文が素晴らしかった。めんどくさいのでここには書きませんが、見に行ってください。このキャプション読んでこの作品見て、泣きそうになった。

そうそう、キャプション全部ちゃんと読んでください。ジョルジュ ディディ=ユベルマンがやっぱり書いてるんでしょうか。
まるで素晴らしい著作を読んでいるかのようです。展覧会のもつ流れや起承転結と、キャプション説明分のもつ流れと起承転結が、マクロとミクロの世界でつながるような、目の前がぷわーーっと明るくなって、いろんなものが明確に見えてくるような気になります。
我にかえると、結局今までどおり、世界は理解できないことだらけなんですけどね。

あとはシグマー ポルケの作品で1ついいのがあって、他にはフェリックス ヴァロットンとゴヤの作品が結構見れて満足でした。

パリ18区の写真専門アートセンターLe Balでも、日本で3刊だけ発行されたProvokeという写真雑誌の展覧会を12月11日までやってます。Entre Contestation et Performance : la Photographie au Japon 1960-1975 / 抗争とパフォーマンス 1960―1975年の日本写真 というかっこいいサブタイトルがついたこの展覧会も、1968年から1969年にかけて中平卓馬、高梨豊、森山大道が活躍したProvoke誌を中心に、60年代から70年代にかけての日本での社会抗争の歴史や様子が写真やビデオ、アーカイブ資料で紹介されていて、非常におもしろかったです。
20161129153702523.jpg 



Soulèvements展とProvoke展、機会がある方は是非見に行ってください!おすすめです!
(ちなみにProvoke展は幼児連れでも余裕で行けますが、Soulèvements展はJeu de Paumeなので避けたほうがいいです。)


Soulèvements展とProvoke展のカタログの英語バージョン。
 

Quand les images prennent positionの日本語訳!


そしてそしてこれね。SNSやネットで氾濫する情報のなかで、イメージの持つ力と怖さ、心に直接働きかけてくるような強さと説得力を毎日感じずにはいられません。Images malgré toutの日本語訳


彼の著書はどれもとても興味深いです。是非ご一読ください。

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11/29 23:43 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
デュシャンのporte-bouteilles/ボトルラック(瓶乾燥器)
マルセル デュシャンのレディメイドシリーズのひとつ、Porte-Bouteillesがギャラリーで売りに出してる!ということで、Taddaeus Ropacギャラリーまでえんやこらと行って参りました。

ちなみにこの日のギャラリー巡り、10軒ほど回りましたが、子連れではありません。ギャラリー巡りって数時間歩きっぱなしなので幼児には体力的にちょっと厳しい、各ギャラリー入り口の段やアクセスもシンプルではないのと、ギャラリー内の階段も狭めなのでベビーカーでまわりづらい、まずマレ地区って歩道がせまいので幼児やベビーカーで進みにくい、などなど、ギャラリー巡りといえばなんか子連れに最高の時間つぶしのように一瞬思いますが、実は全然オススメできません。子供がまだ生まれたて~3ヶ月くらいのときは、抱っこ紐でちょこまか行っていましたが。

さて本題。
マルセル デュシャンとは皆さんもご存知の通り、1887年生まれのフランス人アーティスト。
シュールレアリズムやダダイズムなど、20世紀はじめのフランスを代表するアーティストたちと交流していましたが、のちにニューヨークに渡り、当時のアメリカのアートシーンに多大な影響を与えます。
コンセプチュアルアートの第一人者、「コンテンポラリーアートってよくわからない」と言われる代名詞のようなお方ですね。

このPorte-Bouteilles、日本語ではボトルラック、ビン掛け、瓶乾燥器など呼ばれているようです。
フランス語でも、その名称は定まっていないようで、ポンピドゥーセンターではPorte-Bouteilles(ビン掛け)、他にはSéchoir à bouteilles(瓶乾燥器)や Hérisson(はりねずみ)などとも呼ばれることがあるようです。
この作品は、かの有名なレディメイドシリーズ(説明するのめんどくさいのでウィキペディア見てください)の中でも一番最初にできた作品だといわれています。この作品の誕生(といってもレディメイドなのでこの商品自体はずっと前から存在していたわけですが。そこがデュシャンの芸術概念のおもしろいとこですね。)によって、それまでデュシャンが「網膜的芸術」と呼んでいたものから、アートがぐぐぐっとコンセプチュアルなものになっていくわけです。

レディメイドの作品は、美術作品と言えど、その唯一無二な部分がありません。なぜなら、レディメイドで使用されるオブジェは、大量生産でできた文字通りの既製品の1つでしかないからです。あの超有名な便器を裏返してサインして「これ『泉』ってタイトルにした」というデュシャンの作品も「本物」はどこにいったかわかっていません。

このボトルラックも然り。
本作品の起源の跡は、1916年にニューヨークを訪れていたデュシャンがその妹でパリにいたスザンヌに送った手紙にあります。(ちなみにマルセル デュシャンは4人兄妹の3番目で、お兄ちゃん2人も妹も画家又は彫刻家なアーティスト兄妹です。お金持ちで前衛的なご家庭やったんでしょうねえ。)その手紙によると、
僕のアトリエに行って、ビン掛けをとってきてくれないか、遠隔操作でレディメイドを作ろうと思うんだ。ビン掛けの一番下の円の内側に、白銀色の油彩絵具をつかって、僕があとで説明するままに書き込んでほしい。そして、こうサインして欲しい。
マルセル デュシャン による
ただ、この遠隔操作のレディメイド計画は、スザンヌがちゃんとやらなかったので未遂に終わります。こういうとこがすごく好きなんです、私。すごく人間っぽい。私がスザンヌやっても「おにいちゃん何ゆうてんねん。そんなことやってるほど暇ちゃうわ!」と手紙につっこんで終わりです。
あー、アーティストさんとか、それこそ弟とかに頼まれる、「くだらなそうなこと」にちゃんと答えていけば歴史がかわるかもしれんな、反省します。これからやります。

で、ニューヨークに移住したデュシャン。ロバート ラウシェンバーグやジャスパー ジョーンズなんかとも交流があり、1959年にグループ展に参加する際、「あ、あのビン掛け出そう!」となります。そこでマブダチの写真家マン レイに「前にあげた1935―1936年バージョンのレディメイドのビン掛け送ってー」と連絡。そしたらマン レイさん、ビン掛けがどこにいったかわからん、と。すごい時代ですねー。もうこういうエピソードだけでキュンキュンします。で、デュシャンは「じゃあもういっかいBHVまで行って、同じの買ってきて、ニューヨークまで送ってー。」と。もうかるい!いろいろかるい!あほらしくなるほど軽くて好きすぎます。
そんなすったもんだがあって、やっと展覧会に展示がかなったこの作品、その場でラウシェンバーグにお買い上げされて、それからずっといままで、ラウシェンバーグのアートコレクション、彼の死後はラウシェンバーグ財団のコレクションに入っていました。

ラウシェンバーグ財団は、近々ロバート ラウシェンバーグのカタログ レゾネ(ある作家の全人生の全作品を載せた作品図鑑のこと)を作る企画があり、その調査研究費用の捻出のため、このデュシャンのPorte-bouteillesを売却することを決定したそうです。
しかし、せっかくのこの歴史的作品。近年のアートマーケットでは何兆円もの大金をつむプライベートコレクターがたくさんいるでしょう。しかし財団は、一般大衆や研究者がアクセスしやすいように、公的施設へ売りたい、と。さあさあ、どこが手に入れるんでしょうか!楽しみ~!

では展示のほうへ行ってみましょう。

1階と2階(フランスの地上階と1階)ではロバート ラウシェンバーグの80年代の作品が展示されています。
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一番上の階に行くと、あった、あった。Porte-bouteillesに関連する当時のアーカイブ資料がずらっと美術館での展示のようにならんでします。これだけでももう圧巻。

こちらはLa Boîte-en-Valise, 1964
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La Boîte Verte (La mariée mise à nue par ses célibataires), 1934
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そして通路の奥には、、、あ!あの影!は!
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そりゃあいるよね、警備員さん。なんか警備員さんっていうよりおしゃれな感じのお兄さんでした。
1つの作品だけを監視するという精神的に苛酷そうな任務を遂行中、1日中お疲れ様です。

はいきたー!作品よりもライティング方法に興味がそそられるような、テアトラルでドラマチックな展示。
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スザンヌに「ボトルラックでレディーメイドを作れ」と指示するマルセル デュシャンの手紙原稿の拡大されたものが壁にはってあります。フランス人らしい筆致で読みづらいですが、最後のほうに書いてあるのがわかりますね。
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警備員さんに「大丈夫、さわんないから」と、サインの部分も近づいてパチリ。
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巨匠ラウシェンバーグの展覧会がほぼイントロ、アーカイブ資料も本物だらけで見ごたえ十分、長い通路の向こうに見える影、ライティング、手紙原稿の拡大展示、そしておしゃれな警備員、となんか様々な部分で演出がすごい展示でした。
あー楽しかった!!

11/25 00:47 | ギャラリー | CM:0 | TB:0
ジェフ クーンズから、パリ市とフランス国民へ花束のプレゼント!?
昨年11月13日に起こったパリでの同時多発テロから1年がたちました。テロが起こった場所も我が家から徒歩10分―20分くらいの場所で、30代、40代のちょうど同じ世代の同じような生活体系の人たちが多く犠牲になったので、私にとっても衝撃の大きい出来事でした。と過去形ですが、毎日普通に日常生活を送っていても、心のどこかにその爪あとはあって、いつも少し不安で怖いです。

ちょうど1年たったから発表となったんでしょうか。なんとなんとあの「ジェフ クーンズが、パリでのテロ事件へのオマージュとして作品を寄贈する」というニュースが飛び込んできました。
なんかタイトルだけみると、わーすごい!ありがとう!とアート好きで隠れジェフ クーンズファンな私は単純に思ったんですが、ネットの記事やアートジャーナリストのツイッターなど、どれもサブタイトルが「でもこれいらん」という感じで、なんやなんやなんでやと私の好奇心をそそります。

2008年にはベルサイユ宮殿で、2014年にはポンピドゥーセンターで大々的な個展を開催し、ポンピドゥーでは入場者65万人超えの記録を打ち立てたジェフ クーンズ。すっかりパリでもおなじみになってきました。
今回の作品は、高さ11,66メートル、横が8,30メートル、奥行きが10,1メートルで、ブロンズ、ステンレス、アルミでできている重さ33トンの巨大彫刻。セーヌ河を挟んでエッフェル塔の向かい側、パレドトーキョーパリ市立近代美術館の間にある、その名も東京広場(Place de Tokyo)に2017年設置予定で、既にドイツで製作中とのこと。
このプロジェクトは、現在の在仏米国大使であるハートリー女史の音頭とりで始まったらしく、気になるお金の出所は米仏のプライベートの複数メセナ。大体300万€(現在のレートで日本円に換算すると3億5千万円ちょっと)ほどかかるんじゃないかと言われています。


じゃあ一体どんなんやっちゅうことで、イメージ画像をみると、、、、

XVM1c0a442a-aff1-11e6-8924-aaf6bf1e52ea-300x365[1]
いや、これ、いらんわ。


アップ。
XVM9fdfb574-aff0-11e6-8924-aaf6bf1e52ea-400x520[1]
いや、何これ気持ち悪い。ほんまにいらんわ。


花を捧げる、という行為からオプティミズムを表現し、米仏の友情関係を象徴するものとして、Bouquet of Tulipsと題されたこの作品は、ジェフ クーンズの説明によると、自由の女神像が右手にもっているたいまつの部分からとったらしいです。有名な話だと思いますが、ニューヨークにある自由の女神像というのは、フランスからアメリカ合衆国へのプレゼントで、フレデリック=オーギュスト バルトルディという19世紀のフランス人彫刻家がつくったものです。自由の女神の縮小版が、エッフェル塔近くのセーヌ河中洲にたっているのも皆さんご存知かと思います。

これの
Statue_of_Liberty_-_4621961395[1]

この部分
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うーーん。

そのうえ美術史に名を馳せる巨匠たちの作品からインスパイアを受けたらしいです。
例えば ピカソのBouquet d'Amitié
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うーーーん。

同じくピカソのLa Femme au vase
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え。

もしくは印象派モネの花
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え、うそやん。

またはロココ派のフランソワ ブーシェやフラゴナールの作品に描かれる花。
800px-Boucher_Marquise_de_Pompadour_1756[1] Fragonard_collin_maillard[1]
いや、ないないないない。

というわけで、「寄贈」とかいってなんかおしつけがましく言ってるけど、パリでのテロに託けて押し売りしてるようにしか見えん。という意見、今回は本当にごもっとも!さすがのジェフ クーンズ好きな私(あんまり人に言いたくないけど)もこれはいりませんわ。
なによりもこれ、メンテナンスにお金かからない?手の肌色がめっちゃ汚くなっていかない?そういうのジェフ クーンズはちゃんと考えてやりそうではあるけど、、、、。ダニエル ビュレンみたいにはならないかな、、、。

いやいや、まじでこれほんまにいらんわ。

くれるんならせめてビルバオのチューリップが良かったな。
tulips-jeff-koons-bilbao[1]


ポンピドゥーセンターでの個展カタログと、ヴェルサイユ宮殿での個展カタログ


2014年にアメリカのホイットニーミュージアムで開催された個展カタログ


そして、ダミアン ハーストのアートコレクションを紹介するギャラリー、Newport Street Galleryで、前月までやっていたジェフ クーンズの個展カタログ

11/24 00:23 | アート界関連ニュース | CM:0 | TB:0
Hans Op de Beeck 「Saisir le silence」 @ 104
パリではもうすっかりアートセンターとして定着した感のある104(サンキャトルと発音します)。治安がめちゃくちゃ良い訳でもない地区に、地域住民が楽しめる現代アート(造形芸術だけじゃなくて演劇とかダンスとかも含めた)センターを造ろうと、昔の葬儀場というか遺体安置所が大改装されたという鳴り物入りの「アートセンター」で、最初の頃はアーティスト イン レジデンスとしても機能してないとか、予算がなさすぎて館長辞任とか、ちょっと治安悪めのところにファッションウィークのときだけショーを観にタクシーで乗り付ける白人感じ悪いとか、行ってもなんにもないとか、結局来てるのって白人の若者と家族連れじゃない?とかいろいろありましたが、ここ最近はいつ行っても(とは言っても私は週末しか行ってないけど)すっごく楽しい。うきうきする。なんかいろんな人がごちゃごちゃしてて楽しい。ダンスや演劇やサーカスやパントマイムや大道芸や、なんなんだかよくわからないんだけど真剣に自分たちの好きなことを練習してる若者でにぎわっていて、みんな上手に自分の場所確保しつつ、シェアの精神でやってる。見物にぶらぶらやってくるのは30代40代、あとは子連れの家族。子連れの家族にうれしいのは、乳幼児向け(0歳から5歳まで。Matall Crassetのデザインです)のスペースもある。乳幼児向けのスペースは入ってみたいなーと思いつつ、他に観たいものがありすぎていつもスルーですが。まあここまで来てなんで子供のためのスペースに閉じ込められなあかんの、という気持ちが強いのが理由です。他には本屋さんとか、エマウスという、フランスから発して現在は国際的な活動をすすめる連帯慈善非営利団体が運営する古道具屋さん、カフェ、フードトラックなどもあります。


ダンスといっても、ヒップホップ?とか、ブレイクダンス?とか練習してる人が多くてそれも楽しい。




恒久展示のようなものもいくつかあります。例えば地下のミケランジェロ ピストレットの迷路とか。豪華でしょ~!
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踊ってる人たちやなんか自由な雰囲気の中で子供たちも走り回ったりして、それだけでここは時間が気持ち良く過ごせる場所なんですが、わざわざ私が重いお尻をあげるには理由があります。


さて、ここからは今回104にやってきた最大の目的、Hans Op de Beeck/ハンス オプ ド ビークの「Saisir le silence/静けさをつかまえる」展の紹介です。

11/22 00:23 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
マウリツィオ カテラン 「Not afraid of Love」@ Monnaie de Paris
セーヌ河沿いにある昔の造幣局、現在のパリ造幣博物館では、たしかもう8年ほど前から現代美術の展覧会、特に世界的に有名なアーティストの個展を開催しています。普段ならなかなか見ることのできないような有名アーティストの作品を、大きくもなく、小さくもない、ちょうどいい大きさの展覧会で展開します。最初のほうは見終わってもなんだか不完全燃焼のような、物足りないような気もしていたけれど、ここ数年は空間の使い方も良いし、ただ私がこの建物での展覧会の規模を身体的に記憶しただけかもしれませんが、ちょうどいい感じの規模のよい展示をしていると思います。

そして今は、2016年10月21日から2017年1月8日まで、なーんとなんと!マウリツィオ カテランの個展「Not afraid of Love」を開催しています。
これも行きたい!絶対に子連れで行きたい!という展覧会。
行って参りました。


造幣博物館の入り口に近づいてくると、ん?なんかいつもと違う。建物の窓になんか文字がついてる。
写真中に見えるだけでも、BRUTAL/乱暴、PROFOND /深い、SOLITAIRE/孤独、TENDRE/優しい、IRREVERENT/無礼 などなど、いろんな形容詞が掛かっています。これ絶対カテランの展覧会に関係してるわ!カテランの作品を表現した言葉に違いない!とわくわくどきどきさせるにくい演出。
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アーティスト活動の休止を発表してから5年。30年近いアーティストとしてのキャリアの中で生まれた作品のうち、20点が展示されています。
みなさんもすでにご存知でかと思いますが、マウリツィオ カテランは1960年パドゥー生まれのイタリア人アーティスト。ということは今年で56歳。
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こちらの写真は今年の夏にパリのギャラリーラファイエットで開催された、カテラン展のオープニングでの彼。 フランス、というかパリのアートやらファッションやら関係のパーティー写真を載せたサイトSay Whoから借りました。ちょっとしたおしゃれなオープニングパーティに行くとSay Whoのカメラマンがほぼ絶対います。チャラチャラしてて楽しいし、おー誰さんも来たはったんかー。誰と誰は知り合いなんかー。など下世話に見るのが好きな私も、定期的にチェックしてます。

若い頃は清掃夫や葬儀屋さんとして働いていたカテランですが、とにかく生きていくために仕事をするということから解放されたくて仕方なかったらしいです。そうこうしてるうちに家具デザイナーになっていたカテランは徐々にアートの世界に入っていきます。(すでによくわからん経歴ですけど。)

なんかでも働くのが嫌で嫌で、多分、近年の現代美術市場で最もセンセーショナルな状況の渦中にいて翻弄されたアーティストと言っても過言ではないカテランなので、ちょっとアーティスト活動を休んだのも納得というか、世間の目から離れたかったからこそのこの5年の休止かと思いますが、あー、お金足りなくなったのかしら。ともちょっと思ってしまいますね。これまた下世話ですが。個人的には、あの評価額暴落(高騰し過ぎてたのが異常だっただけで別に暴落ってわけじゃないともいえますが)のあとすぐに休止したのは頭のいい最良の選択だと思います。偉そうに上から言ってすいませんが。

カテランは自分自身の像をインスタレーションに組み込むような自画像的作品をよく発表していましたが、今回の回顧展ではその傾向が特に強く出ています。彼自身の彫刻がたしか4点もありました。(そういえばこないだパリのエマニュエル ペロタン ギャラリーでやっていた村上隆 の個展でも村上隆のめちゃくちゃ気持ち悪い彫刻が展示されていました。その話はまた今度。書けたら書きます。)

ちなみに展覧会のタイトルNot Afraid of Loveは、カテランの作品の1つ、それもめちゃくちゃ有名なやつと同じです。そうそう、あの象に白い布をかけ目のところだけ穴が開いてる彫刻と言えば、ピンとくる方も多いかもしれません。この作品を見ると、いつも「頭隠して尻隠さず」のことわざが浮かんできます。
これね。でもこれ、この展覧会では展示されていません。それが意図的なものなのか、予算やらの問題なのかはわかりませんが。


前置きはこのへんで。では行ってみましょう。

ベビーカーあるし、裏のエレベーターから行くか、となってはいけません。階段からあがってください。
だってこれがあるんやもん。
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Novecento 1997(ぶら下がった馬)とUntitled 2007(箱の中の女性の彫刻)
あーこの馬の作品ってなんかつい最近な気がするけど、もう20年も前のものなんやー、そら私も年とるわけや、となんか変な感慨が、、、。
この天井から釣り下がった馬、娘は何回も何回も、展覧会の途中で他の作品を見てるときでも、急に戻って見に行ってました。


そして早速どーん!これはもう現代美術の有名作品というより、現代美術市場の歴史的作品といったほうがいいですね。

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La Nona Ora 1999

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Untitled 2003
私が生まれて初めて目にしたカテランの作品がこれでした。写真を大きくしないと見えないかも。当時まだ私はフランスのリヨンという地方都市で美術史の学生をやっていて、テロー広場という市役所前(この広場には自由の女神を作ったバルトルディ作による噴水とダニエル ビュレンのインスタレーションがあります)を歩いていたら、どこからか太鼓の音が聞こえてきたんです。ん?何?と音が聞こえるほうをみあげると、広場に面した美術館の屋根の上で、足をぶらぶらさせた男の子が太鼓たたいてる!もう心臓が飛び出るかと思ったし、実際大騒ぎして消防に電話してる人までいたとかいないとか。

そしてもちろん、私の娘も男の子に唖然。隕石落ちてきたローマ法王はそっちのけで「男の子が落ちちゃうよ、お母さん。危ないよ危ないよ。」と。ちゃんと説明してもなかなかその場を離れませんでした。
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トイレの扉があるちょっとした空間の上にも。Mini-Me 1999とthe others
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はいきたー。ロッテルダムのBojimans Van Beuningen美術館にある作品 Untitled 2001
もう何年前だろう、ロッテルダムに急に出張が決まって、最初に思ったのが「ああ!やっとカテランのあの作品が見れる!!」だった。
そのときの「あの作品」が今年はパリでも見れます。
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まーとりあえず写真とりまくりたくなる展覧会であることは誰にもそうだと思います。
この作品を活かすためにか、この展示室だけ壁が荘厳な感じの赤に塗ってありました。


We 2011
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Charlie Don't Surf 1997
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All 2009
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Untitled 2007
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Untitled 2000
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カテランの作品はミーハーに結構全部すきなんですが、私が見た事のあるカテランの作品の中で一番好きなのはこれです。
初めて見たときに心臓がドキンとしたあの感覚は絶対忘れられない。展示室に足を踏み入れた瞬間に目にはいる背中。これがこの作品の全部だと思っています。ヒトラーの顔でも、組んだ手でも、見上げた視線でも、ひざまづいた足でもなく、私にとっては、視界の中に突然はいってきて全部持っていってしまう彼の背中が全てです。
Him 2001
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いくつか写真を載せてない作品もありますが、基本的にはカテランの有名作品ばっかりで観たことがないものはありませんでした。
そんな人は私だけではないと思いますが、何度も見てる作品だとしても、カテランをどう観るか、どう読み解くか、どう感じるか、どう楽しんだり怒ったりするのか、そこがカテランの深みだと思います。そういう部分をうまく引き出して展覧会をとても魅力的なものにしていたのが、様々な業界の著名人が書いた作品解説でした。女優、舞台監督、キュレーター、ギャラリスト、美術批評家、料理人、デザイナー、元大臣から、現フランス文化省大臣まで、今展のキュレーターの依頼によりいろんなスタイルのテキスト(それもかなり長め)で彩られた作品達。
そして、最初の写真のように、造幣美術館の建物に掛かっていた形容詞たち。
個展の場合は、こういうちょっとしたアイデアやスパイスが、キュレーターの腕の見せ所やなあと思います。

造幣美術館のサイトにちゃんとした写真いっぱい載ってるのでこちら見てください。

最後に、展覧会解説のパンフレットをもらったら、いっしょに子供向けの小パンフレットもついてきました。
こういうのって大したこと書いてないんやけど、「なるほど、子供へはこれくらいの情報でいいのね」とか「こういう言い回しでいえばいいのね」なんて結構便利です。
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いやーしかしここの展覧会は毎回、予算あるなーと感心します。そんな簡単に個展なんてできないような高額有名アーティストのものが多いし、どこからお金を引っ張ってくるんでしょう。文化プログラム担当でキュレーターのキアラ パリジさんがやり手なんでしょうね。
展覧会が終わっても、これで終わりじゃありません。すぐ近くに造幣博物館のブティックがあるんですが、そこに立ち寄るのもお忘れなく。


Monnaie de Paris
11 Quai de Conti
75006 Paris
毎日11時から19時まで。木曜日22時まで。

学生さんは木曜日の19時以降は無料です。

ブティック
2 rue Guenegaud
75006 Paris
毎日11時から19時まで。
11/21 22:24 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
子供+クリスマス+アート in Paris
我が家にはもうすぐ4歳の娘と1歳半の息子がいます。まだ小さいので出来ることも限られているし、ディズニーランドやら遊園地やら動物園やら、なんかあまり早い時期から毎週末のようにお金のかかる特別なことばっかりさせるのも気が乗らない(っていうか私が子供の頃はこういう外出はめちゃくちゃ思い出に残る特別な日だった)。まず週末の予定を子供中心の外出に設定してしまうと、子供の年齢が追いついていない場所やこちらが勝手に期待していたほど楽しそうでない場合、まだ体力的に向いてない(お昼寝とか歩ける距離とか)場合に、すっごく損した気分になる。そして何より!私は、子供中心の外出=私の楽しみが結局子供が楽しそうにしたり真剣に見入ったりしているのを見ることだけ、というのがもう嫌で嫌でしょうがない。そういうのを見てるとじーんと心は温かくなるけど、脳のフラストレーションは半端ないし、知的興奮がないので夫との会話も子供の反応のことだけになって後々も全然おもしろくない!だからといって、もう寝ても覚めても公園めぐりというのももう本当に飽きたし、まずもう寒いし、滑り台はいっつも濡れてる季節やし、だからといって近所の散歩や本屋さんと図書館のはしごももう嫌。
というわけで、最近は幼児とアラフォーがしんどくならない程度に一緒に楽しめる外出先探しに必死です。

そんなわけでふと思いついたのが、このコース。クリスマスのギャラリーラファイエット!!

フランスではデパートが大大大嫌いな私ですので、ギャラリーラファイエットなんて行ったのもパリに住んで10年以上たつけれど片手で足りるほど。その上何も買ったことないです。誰かに頼まれて行った、とか誰かについていった、とか。

しかーし、行ってきました。なぜなら11月、12月は、フランスのテレビのニュースでも毎年紹介されるくらい有名なギャラリーラファイエットのクリスマス用ウィンドウとホールのクリスマスツリーがあるから!

初めてだったのでよく知りませんが、多分毎年デザイナーを招待して制作してもらうみたいです。
今年はLorenzo Papaceというアートディレクター。音楽ビデオ切り紙での作品を多く制作されている方のようです。彼のサイトでとても美しく紹介されているので、是非見てみてください。多分、日本人がめっちゃ好きな感じやと思います。

たしかウィンドウは11あって、それぞれに、シャネルの香水とか、ハイヒールとか時計とか、カナダグースのジャケットなどの、あるブランドの1商品を白熊とペンギンが見せるというコンセプトになっていると理解したんですが、ほんまに11もあったかな、とも思います。

そのうち4作品だけちらっと。








どのウィンドウの前にも子供用のスロープがあって、それがとても良かったです。子供がどっかいっちゃうこともないし、大人にまぎれて危ない危ないと心配する必要もない。あとはスリにだけ気をつけていれば、じっくり楽しめます。
12月に入ると人が多くなると思うので、行くなら今!


20161119194207723.jpg ギャラリーラファイエット内のホールにある今年のクリスマスツリー。こちらも同じアーティストさんが手がけています。





さあさあ、子供たちがさんざん楽しんだあとは、次は大人の番です。
クリスマスウィンドウもホールのツリーも、パリオペラ座の裏側にいつくかあるギャラリーラファイエットの建物のうち、女性物を扱っているメイン館で見ることができます。ツリーの周りは化粧品と香水売り場です。
そして、大人用も同じ建物の1階(日本でいう2階)。La galerie des galeriesです。
膨大な資金を使って着実にパリの現代アート界で幅をきかせつづけているギャラリラファイエット創業者一族の1人、ギヨームさんが手がけるアートセンター。最近はマレ地区に建物1個全部アーティストレジデンス(レム コールハース率いるOMAによる改装)というLafayette anticipationというプロジェクトを展開し始めてまた話題になっています。

こんなトンネルみたいな入り口。
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Hans-Peter Feldmannの展覧会を2017年1月21日までやっています。

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ユーモアたっぷり、幼児でも楽しめるような作品ばかりでした。カラフルなハイヒールや壁にくっつけられたお花の鉢、いろんな道具類、ちょっとひねったオブジェやタブロー。深く突き詰めることもできるし、楽しく見ることもできる、入り口が広くて出口が奥深い、そんな展覧会。

展覧会もいいんですが、私がここに来るといつも「好きや~」とにんまりしてしまうのが、会場の天井!天井の低さを感じず、そこまで主張することもないんやけど、ライトの調整もきれいで、良いデザイン。うまいことできてる!


家に帰ってから、ギャラリーラファイエットでのクリスマスイベントのプレスリリースを読んでいたら、なんとなんと!サンタクロースも11月12月は常駐していて、子供と一緒に写真撮れたらしい!あっちゃー!これやりたかったなー。
私の両親は子供が喜ぶようなベタなことを一切やらない人たちだったので(ちなみに我が家では七五三もしなかった)、私はこういうのに半端ない憧れと恥ずかしさの混在した感情を持っています。自分だったら絶対やらないけど、子供だったらめっちゃやらせたい!みたいな。いっつも対して反応してくれないけど。
というわけで、もしかすると今週はとりあえずサンタさんと写真だけ撮りに行くかも~。
11/21 19:51 | 未分類 | CM:0 | TB:0
Tino Sehgal/ティノ セーガル @palais de tokyo
パレドトーキョーで2016年10月12日から12月18日まで、ティノ セーガルの個展が開催されています。

パレドトーキョーはめちゃくちゃ広いので、基本的には常に何人かのアーティストの作品が展示されていることが多いのですが、13000㎡ぜーーーんぶ1人のアーティストに使ってもらうという企画を2013年にフィリップ パレノでやりました。今回は3年ぶり2回目のcarte blanche(直訳すると真っ白のカードという意味ですが、フランス語で「なんでもどうぞ、ほんまに好きなことやっていいよ、おまかせで!」という感じの意味です)を託されたのは、1976年イギリス生まれでベルリン在住の現代美術の奇才ティノ セーガル!

こ!れ!は!早く行きたい!早く見たい!それも絶対1人じゃなくて夫と子供達とみんなで行きたい!!と1人で行くのを我慢して、家族全員で来れる週末を指折り数えて待っておりました。

では早速。
ただ、ここからはおもいっきりネタバレですので、まだ見に行ってなくてこれから行くという人は、ぜえーーーーーーったいに読まないで下さい。




11/15 23:34 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
日仏学生交流 香りのパフォーマンス 
2015年5月にパリ国際学生都市の日本館でVoyage dans les sens(感覚旅行)展という五感に関する展覧会を企画しました。そのときに非常にお世話になった京都嵯峨芸術大学の岩﨑先生、そしてその展覧会に参加してくれた嗅覚アーティストのひとり、Boris Rauxが、日仏学生交流の一環として、パフォーマンスを発表、そしてそのパリ会場が私の仕事場のめっちゃ近所ということで、仕事を抜け出していってまいりました。

岩﨑先生は香りの美学・芸術学・哲学の研究をされていて、偶然にも私が一時帰国していた2015年末に、京都芸術センターでキュレーションをされた「黒髪とマドレーヌ」展(Boris Raux+Maki Ueda)は思い出すと今でもドキドキするほどすばらしかったので、今回も岩﨑先生とボリスのタッグ、楽しみにしていました。

昨年にパリ郊外からサンテチエンヌという街に居を移したボリス。今回の日仏学生交流で彼のすんでいる街を訪れ、炭鉱の街として栄えたサンテチエンヌの歴史にふれるうち、日本には炭坑節という踊りがあるよ、という風に、日本とサンテチエンヌを踊りと香りで結ぶパフォーマンスがうまれたそうです。ODOR ODORI (オドール オドリ)と名づけられたこの作品。フランス語のOdeur (オドゥール)香りと日本語の踊りがかけてあるんですね。10月23日にフランスに到着、そのときは何をするかも何もわからない状態だったのに、29日には既にサンテチエンヌの街中でパフォーマンスを踊っていた、というこの作品。サンテチエンヌで何度か発表されたあとのパリ公演とはいえ、学生さん、アーティスト、先生、みなさんの息もぴったりで、そんな短時間に作られたとは思えないくらいの完成度でした。きっと何かが動く、何かが生まれる瞬間の瞬発力や即興性、チーム力みたいなものがぐおーーーっと合わさって、アドレナリンぶわーーーっと発しながらできていったんやろうなあ、と少し羨ましくなるほどに。

DJセットの横で輪になって、ちょっとパラパラみたい(古くてすいません)なポップなアレンジになっている炭坑節を踊るわけですが、DJセットの横には扇風機。その扇風機を使うのは香りジョッキー。くるくる踊りの輪がまわりつつ、途中でカップルが踊りだしたり、たばこを吸い始めたり、においを思わせるシチュエーションが紹介されます。そして最後は観客もみんなで炭坑節。寒いのもあって、私も踊りましたが、楽しかった!ただ、パリのボザール中庭という屋外でのパフォーマンスだったので、香りをびんびん感じられなかったのは少し残念でした。びんびんというのも変ですが、意図するようには感じられないのが嗅覚でもあったりするので、それも一興、と、2年ほど前から嗅覚アートに興味を持つようになった私もやっとそんな風に思えるようにまでなりました

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さんざんみんなで踊ったあとは、日本からの学生さんの1人、山田埜さんのパフォーマンス。La femmeと名づけられたこの作品、参加したい人は大きめの輪になり、各自目隠しをされます。その状態で左手に赤いバラ、右手に白いバラ(逆だったかな)を渡され、真ん中にたった山田さんの鳴らす鐘の音にあわせて一歩ずつ前に進んでいきます。前に進んでいきながら「セクシー」な香りがしたと思った瞬間に赤いバラをおとし、「ニュートラル」な香りがしたと思ったら白いバラをおとす、というインストラクション。体験してみたかったけど、観たい気持ちのほうが強くって、私は観客だったのでよくわからないんですが、目隠しをしていると嗅覚がよりとぎすまされるのか、ふっと強く香りがする瞬間があるそうです。なぜか男性の参加率がめちゃ高くて、終わった後には赤いバラがたくさん落ちていました。

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山田さんが最後に簡単な説明をしてくれたんですが、日本で同じパフォーマンスをやると、同じ香水を使っていても、男性は白いバラをおとす率が非常に高いとのこと。日本とフランスでも「セクシー」とか心を動かされる香りが違うんですね。

日本から美術関係の勉強をしている学生さんたちがフランスに訪れることは多々あれど、やはりパリの有名な美術館やヴェルサイユ宮殿など、結局一般の観光客と同じようなコースをまわって終わるのが大半だと思います。あと行ってニースとか。しかしここは学生交流、本気のやつです。どきどきして、伝えて、ふんばって、泣いて、笑って。観るだけじゃないフランスがきっとあったんだろうなあ、と、そんな時代はとっくに過ぎ去ったおばちゃんな私はもう胸が熱くなってしまいました。岩﨑先生の香りをテーマにした学生交流やイベントについてはこちら
11/07 23:35 | 未分類 | CM:0 | TB:0
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