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ドクター!
新しい展覧会のオープンニング・パーティーをあさっての土曜日に控えています。アートフェアなんかの時期を除くと、まさにこの、前の展覧会が終わってから次の展覧会が始まるまでの1週間がギャラリーにとって、上から下への大騒ぎのとき。

今日やっと作品群がドイツから届き、アーティストさんもパリにご到着、まだ梱包から解かれたばかりなのに、オープニング・パーティーの前に誰よりも早く作品を見て購入しようとするコレクターたちでギャラリーはごった返します。

いろんな国籍の美術品運送業者さんがギャラリーに来るけれど、ドイツからの作品はいつも同じ会社が請け負っていて、私はこの業者さんが大好きです。何を隠そう私は英語まるっきりダメだし、彼らもそんなにペラペラじゃないんだけれど、何故かいつも彼らとは楽しくコミュニケーションが取れるんです。っていうか普段どちらかというとラテン系のフランス人と働いていると、日本人のメンタリティーに近いゲルマン系のドイツ人といるとホッとします。だって、ちゃんとしてるんやもん。

作品たちを確認して、バタバタとデスクワークと雑用を終えた頃に、アーティストさんがギャラリーに到着。

作品を見て回っていたアーティストさん。

なんとなんと急に怒りだしました!!!

なんでなんでなんで~?



今回の展覧会での最も大きい絵画(220x300cm)は、キャンバスが木枠からはずされてクルクル巻かれた状態でドイツから届きました。アーティストさんのパリ入りがオープニングの2日前であるのは、彼がキャンバスを木枠にはめる作業を自分自身で手がけたいからだったのです。

しかーし!彼はそのキャンバスに描かれている絵に4箇所ものひび割れを発見したのです。

下っ端の私の目には「言われてみればそうかな~?」っていうぐらいにしか見えないんだけれど、そんなこと口が裂けても言いません。



そこからは、いつもお世話になっている2人の修復家さんに、大至急手を加えてもらえないかのお願い電話。なんてったって展覧会のオープニングはあさってです。

そんなこんなで2人のうちの片方の修復家さんが夕方にギャラリーまでやって来ました。彼が持参したのは、フィルムケースがふたつ、とてもとても小さい筆、そしてこれまたとてもとても小さいへら。

そ、そんなんで大丈夫なんやろか?とココロの中で心配する私に、「コップにお水を頂戴。」と修復家さん。アホな私はてっきり喉が渇いてはるんやと思って「えーっとミネラルウォーターないんです。水道水でいいですか?」と聞く始末。「水やったらなんでもいいよ。」と言うことなので、言われるがままにコップに水一杯を差し出す私。

まあその水は作業用だったわけですが、確かに彼「ちょっとだけ飲んどこ。」って自分でも飲んでたよ、はじめ。私この目ではっきり見ました。

そんなことはどうでもいいのです。

そして作業は始まりました。フィルムケースには糊が入っていたんですが、それを小さい筆でひび割れている絵具の下に塗りこめて、ほんのちいさなカケラとなった絵具を重ねるのです。それからティッシュペーパーを上に置き、重しとして本を載せる。

私はとにかく自分の知らない世界のお仕事を観察するのが大好きだし、これまたアートに関することだから興味津々。修復家さんのアトリエに作品を持っていくことは今までにもあったけれど、作業を実際に目にするのは初めてでした。アシスタントさんたちがみんな、お仕事が終わってどんどん帰っていく中、私はアーティストさんと息を飲みながら作業を見守りました。

そしてなんとか一件落着。

修復家さんがギャラリーに来て、作品の状態を見るときに、私はいつも「ドクター!」って呼びかけてしまいます。まさに外科医。
きっと素敵な仕事なんだろうなあ。

ジャマにならないように、と思っていても体が自然に乗り出して見入ってしまっていた私に、修復家さんは、
「とにかく気長でいなければいけないんだよ。そして今回みたいに急に呼ばれても、なんとか都合をつけて駆けつけることが大切なんだ。でもね、時には修復が不可能なときもある。そんなときはとっても辛いんだよ。」
っておっしゃいました。



はっきりいって全然関係ないんやけど、この言葉を聞いて、私、下っ端やけどアートの世界のお仕事がやっぱり好きやから、がんばっていこうって思いました。


ありがとう、ドクター!




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03/31 04:08 | 出来事 | CM:3 | TB:0
何度も書き込みしてしまいすみません。修復家の方のお話に、素朴に感動を覚え、気付いたら書き込みを・・・(笑)どんな時でも都合をつけて駆けつける、本当にドクター!ですね。アートの世界には本当に沢山の職種の方々が関わっていらっしゃるんですね。

Kanaさんの健闘を祈ります!頑張って下さい!
昨日はどうも。
展覧会の前って結構いろいろハプニングがあったりで大変ですよね。
一件落着ご苦労さまでした。「現場」の雰囲気が感じられて楽しく読みました。Ciao ciao!
Manoさん、そんな毎回でもコメントしてくださいよー。嬉しいもんなんですから。
この修復家さん、現在オルセー美術館で行われているセザンヌ・ピサロ展の修復も手がけたらしく、素晴らしい作品だったよ。って感動的におっしゃってました。
がんばります!うりゃ!

Jamarteさん、どうもどうも。
なんだかんだドタバタしますよね。展覧会の前は。こんな問題が出てきたのは私がここで働き始めてから初めてでした。まあうまくいってよかったです。アーティストさんも展覧会の出来にとても満足されていたし。
またどうぞー。
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