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昨日の夜は、Valerie Mrejenの新作映画「Pork and Milk」の上映会と、彼女自身も参加する討論会に行ってきました。
Valerie Mrejenは1969年パリ生まれのヴィデオアーティスト、写真家、作家として活躍する女性アーティストです。最近では2005年のリヨンビエンナーレで発表された「Dieu(神)」やパレドトーキョーで行われているNotre Histoireという展覧会で展示されている「Manufrance」などのヴィデオ作品で知られています。
こちら映画のポスター。
はじめての映画作品であるこの「Pork and Milk」も、リヨンビエンナーレで発表された「Dieu」の続編のようなものになっています。
これらの作品は、2002年、イスラエルのテル アビブのギャラリーから依頼されたムレジェンが、イスラエルでその土地に関する作品を作るという試みから始まりました。
「宗教への回帰」がよく聞かれる現在、彼女はあえて「宗教から問題提起への移行」をテーマに、ultra orthodoxと呼ばれる超ユダヤ教正統派の家庭に生まれ育ち、矛盾を感じながら家族や育ってきた街を捨て、一般社会に適応しようとする人たちを撮っています。
ultra orthodoxと一言で言ってもいろいろなレベルのコミュニティーにわかれているようですが、一般的に男性はひげを長くはやし、両耳の上にくるくるとカールした髪の毛をのばし、頭のてっぺんには丸い帽子をかぶり、常に黒い衣服を身につけている人たち。
安息日には電気機器に触れたり、遠出をしたりしてはいけない、豚肉と乳製品を食べてはならないなどの規律があり、非常に閉鎖された社会を形成しています。
このような主題を取り扱っているこの作品ですが、くらーい雰囲気になることもなく鑑賞できます。
リヨンビエンナーレでの「Dieu」はインタビューに答えるそれぞれの人たちの小話的エピソードが多彩だったのにたいして、今回の「Pork an milk」はそれぞれの人たちがどのようにユダヤ教超正統派を捨てるまでに至ったかを語っています。
ムレジェンを囲んでの討論会も、主題からは考えられないほど和やかな雰囲気でした。彼女がこの作品をつくるにあたって、どのように人探しをしていったか、どのようにインタビューをし、どのくらい答え方に指導を加えたかなどの、基本的なところから、字幕のためにヘブライ語をフランス語に訳すときの微妙なニュアンスの違い、作品中では使用されなかったインタビュー部分から垣間見るユダヤ教超正統派に矛盾を感じながら生きることの現実、そして一般社会に入り込んでいくときの困難(外国に行くような感覚かと思いきや、どちらかというと他の惑星から地球にやってきた宇宙人と言っても過言ではないような感じです。いや、まったくの予想ですけど)、またユダヤ教超正統派の住む地区に私たちが足を1歩踏み入れるだけで殴られたり、石を投げられたりするようなセクト的状況が討論されました。
非常に興味深い作品と討論会。
mk2beaubourgにて、4月6日木曜日と4月11日火曜日にも、20時からの上映のあと討論会が催されます。
興味を持たれて機会のある方は是非どうぞ。おすすめです。
討論会は無理だけど、という方は映画だけでもどうぞ。
ヴィデオ作品「Dieu」のほうはポンピデューセンターに買い上げられたので、閲覧ができると思います。
アートに興味を持つことから、世界事情、宗教、歴史、地理、いろいろなことへの知識と思考に派生していくことができます。
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映画 | trackback(0) | comment(2) |
comment
Cosmopolitanaな都市、パリやロンドン、ニューヨークなどはArtがうまく社会性や宗教などの問題も取り入れ、消化した形で出てくる、でもイタリアの今のForm of Art(映画も劇もすべて含め)があまり面白くないのはArtがPoliticsにあまりにも関わってしまっていること。イデオロギーに走り過ぎ。やはりArtはどこか孤高で神秘性のある存在でいてほしい、と思うのです。
2006/04/05 00:51 | Jamarte [ 編集 ]
私がいつもアートに求めるものは、どのようなテーマを扱っていても、どこかで「美しい」と思わせてくれることです。それがどんなにグロイ作品であっても、「美しい」と思うことは可能ですから。政治的イデオロギーに走りすぎても、それだけではない何か(ちょっとお茶目な感じとか?)を感じられるアートがいいですね。
2006/04/06 05:42 | kana [ 編集 ]
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