フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2007/02/20 (Tue) Jan Fabre「Les messagers de la mort decapitees」



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ギャラリー巡りのレポートをモリモリすると言い放っておきながら、放置してますが、ご勘弁ください。
今回は2007年1月19日から2月24日までGalerie Daniel Templonで開催されているJan Fabre(ヤン ファーブル)の個展「Les messagers de la mort decapites」について。

Jan Fabreは1958年アントワープ生まれのベルギー人アーティスト。
最近では、こっちのほうが主流になってきてるんじゃないかと思うんですが、Festival d'Avignon(アヴィニヨン演劇祭)でもよく騒がれるようなスキャンダラス(こんな言葉、日本語でまだ使うんでしょうか?)な作品を発表する演劇家&コレグラファー(振り付け師)でもあるアーティスト。
造形作品としては、彫刻、インスタレーション、映画、ドローイングなどの分野で活躍する世界的に有名なアーティストです。日本ではSHUGOARTSのお抱えなはず。

私は彼のコンテンポラリーダンスの舞台もたまに鑑賞しますし、好き嫌いは別にして、彼の作品はやはりアートフェアで遠くから気づいたり、美術本をぱらぱらめくりながら気づいたり、何か私たち鑑賞者の目をひくものがあると思っています。
でも「好きだー!」と思えるアーティストの一人ではないんですがね。私の中では、一応ちゃんとチェックしておこうかな、くらいの位置にいる人。(って私、なんぼえらいねん!というツッコミはなしで、よろしく。)


Jan Fabreの造形作品といえば、緑色や青色に不気味に光る色とりどりの昆虫を利用して、人間の形にメタモルフォーゼさせ、「死」と「夢」を同時に感じさせるようなものが多く見られます。
artwork_images_969_98066_jan-fabre.jpg

こちらはブリュッセルのパレ・ロワイヤルの天井。ヤン・ファーブルへの特別注文で、光り輝く昆虫の死体で埋まっています。行ってみたい!
EDIT_67_239_grande.jpg



最近では、演劇家でもある彼の造形作品はどんどん、インスタレーションとスペクタクルの間に位置するものに近づいていると言えます。
たとえば今回の展覧会で見れるこちら。
Le carnaval des chiens morts
IMGP1854.jpg IMGP1857.jpg IMGP1858.jpg

Galerie Daniel Templonに用事があったついでに撮った写真なので適当でごめんなさい。っていうか暗くて見えませんかね?
死んだ犬たちが剥製にされて、祭り上げられています。
これを見て、「あ、「羊たちの沈黙」でレクター博士が逃亡するときに警備の人たちを自分の入ってたオリに祭り上げてたのと一緒ね。」と、これまた俗っぽいことしか頭にない私。
ここのギャラリーで働いている人たちは、一般のビジターは入れないこの空間を通って、自分のデスクにたどり着いたりします。夜とかこわそー!

次に不思議な、まさにヤン・ファーブル的世界観を持つ、ふくろうの頭を大きくして、ガラスでできた人間の目玉をくっつけて再現したこちらの作品。
Les messagers de la mort decapites
IMGP1856.jpg

この作品はわざわざこの個展のために作られた壁の間から入ると、後姿しか見えないのです。「なんじゃこりゃ」と思って、テーブルの向こう側に行くと、うつろに一点を見つめるふくろうたちの頭だとわかるようになってるんですね。この展示の仕方はうまいなあと思いました。
Galerie Daniel Templonのプレス・リリースによると、ベルギーのフラマン地方の伝統文化では、ふくろうは思慮分別と同時に狂気をも表し、ヤン・ファーブルの作品はその点で同じベルギー芸術の大家、ボッシュやブリューゲルの芸術にもつながるということ。

ほかには、
マネキン人形に錐やナイフ、斧などかつきたてられた、Sculptures de larmes
IMGP1855.jpg

だとか、食卓みたいなインスタレーションだとか、ドローイング、写真などの作品があります。


Galerie Daniel Templonとは仲良くさせてもらっているので、この展覧会での設営中にもちらほら作品を見ていました。だから、今回のレポートはあまり「パッと見て、じっくり見て、グワー!と感じた」的部分が欠如してしまいました。
私は個人的にすごーく好きではないけれど、観ておいて決して損はない個展です。

Galerie Daniel Templon
30 rue Beaubourg
75003 Paris
tel : 01 42 72 14 10
fax : 01 42 77 45 36
info@galerietemplon.com


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Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに、猫のミントと一緒に生きています。

こんなものも書き始めました。
「パリ現代アートギャラリー攻略ブログ」
http://kana-sunayama.iza.ne.jp/blog/
こっちでも書いてます。
SHIFT
http://www.shift.jp.org/

2007年春に、フランス人の友人&ブラジル人の友人と共に、キュレーター団体をNPO法人としてパリで立ち上げました。
現在は、記念すべき一つ目の展覧会に向けて忙しくしています。
そんなわけでとにかく少しでも多くのアーティストさんたちとの交流を求めています。
「こんな面白いアーティストを知っているよ。」という人は立候補でも推薦でも、気軽にコンタクトください。
(と書いたら、早速たくさんのメールを頂くようになりました。ひとりひとりにお返事ができない状況です。返事がなくても落ち込まないでください、、、。)

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