フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2007/04/09 (Mon) Michel Blazy 「Post Patman」



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昨日はパリから1時間少し電車に乗ったら行けるジヴェルニーというところに、日本から来たお友達と彼女のお母さんとおばさんと一緒に行ってきました。ジヴェルニーには印象派の画家クロード・モネが約40年間を過ごしたステキなステキな家と庭、そして「睡蓮」を描いた池なんかがあります。お天気も良くて春の息吹を体中に感じる一日でした。

こういうところは、バリバリの観光地なので疲れそうだしずっと避けてきたのですが、去年だったかおととしだったかに両親と行ったモンサンミッシェルにしてもジヴェルニーにしても、世界中の観光客がこぞって訪れるわけだわ!と納得するほどやはりステキな場所ですね。いつかヴェルサイユ宮殿にも行ってみたいわ。観光に行かれる方がいらっしゃったら誘ってください!



そんなことはさておき、今日は2007年2月1日から5月1日までパレ・ド・トーキョーで開催されているMichel Blazy(ミッシェル・ブラジー)の「Post Patman」展についてのレポートです。

ミッシェル・ブラジーとは1966年モナコ生まれのフランス人アーティスト。
彼はアボカドなどの植物や、ジャガイモやにんじんなどの野菜、チョコレートなどの食べ物を利用してインスタレーションを展開します。それらの作品は展示期間に変化、変形、腐敗していくのです。展示会場の温度や湿度によっても変化の仕方は違うし、どこからか入ってきたスズメがインスタレーションをついばんでいたり、アーティストがコントロールできないインスタレーションを取り巻く偶然や時間や環境が作品の重要な要素となってくるのです。

ではいってみましょー!





会場内に入ると、なんだかさわやかなお庭に足を踏み入れたような感覚が私たちを包みます。
さまざまな大きさに成長したアボカドの鉢植え。鉢の上には専用のライトも設置されています。「これは芸術かな?」とも思ってしまいました。だってアボカド食べたら、とりあえず発芽させようと種植えることない?ってことは私がアパートでやってることもアートか?
右奥の黄色い物体は、黄色く染色された春雨でできてます。

IMGP1898.jpg
真ん中の白い物体は、写真では見えにくいかもしれませんが、まるで水面に雫を一滴ポトンとおとしたときのような波紋を描くもの。すべて、赤ちゃんの体を拭くときに使うようなコットンだけで構成されています。

IMGP1899.jpg
恐竜の背骨のような物体は、犬にあげる骨の形をしたおやつでできてます。左奥はフランスのごみ収集用箱から泡がムクムクでてます。まだ形がある程度しっかりしてるけどもっと時間がたてば泡もダラダラ垂れてくるのかな。

IMGP1900.jpg
こうやってみるときちんと整備されたのどかな庭ですね。
にわとりの形をした茶色い物体はなんとチョコレートでできてます。少し溶けたのか鶏たちの足元にはチョコレート滴がしたたってました。

IMGP1901.jpg
コットンから発芽してきてる、、、これは何かな?かいわれ?

IMGP1902.jpg
みかんのかわが積み重ねてあります。
ハエがぶーんぶん飛んでました。
近くで見るとカッパドキアを真似た彫刻みたい。

IMGP1904.jpg
奥のレンガ色の壁はにんじんとジャガイモのピューレを水で溶かしたものが壁に塗られています。腐り始めて、壁も黒ーい緑色に変色してきています。

IMGP1906.jpg
米粉を水で混ぜたものが壁一面に塗られたようで、この時点ではまるでペンキで塗られた壁のように少しずつはがれてきていました。

IMGP1908.jpg
にんじんのピューレ。にんじんって他のものに比べて腐りやすいみたいね。う〜ん、凝視できない。

IMGP1909.jpg
猫のえさ(カリカリのほう)が糊でくっつけられて、ひとつの彫刻に!近くによると骨のような形をした猫のえさだってすぐわかるけど、遠くからはちゃんとした抽象的な彫刻。

IMGP1897.jpg
こちらはジャガイモと甜菜(ビート)のピューレを、塩と水で混ぜた液体が壁に塗られています。壁の下には乾燥した茶色いカスが落ちていました。


私が上の写真たちを撮ったのはたしか3月はじめ頃だったですが、それから3月後半にも一度行きました。たった3週間ほどの期間でしたが、2回目に訪れたときには会場中が1回目とは比べ物にならないほど異様な匂いに覆われていたり、それぞれのインスタレーションの腐敗が進んでいたり、1回目にはなかったインスタレーションが加えられていたりしました。上にも書いた「会場に入ったときのさわやかな風景」なんてどこえやら。くさいし、なんだか汚いし、ごちゃごちゃしてるし、ハエもぶんぶん。

「完成」という時点のないインスタレーションたち。毎日変化していく展覧会。
開催期間の終了する4月後半にもまた一度行って、どんな風になってるのか観たいと思います。

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Re: Michel Blazy 「Post Patman」

こんにちは。
Michel Blazyの作品群、その時間と食材の使いよう、日常の
の中の一コマのコマ送り凝縮版のようですね。
作品がその自然のなりゆきで変わっていく様、当たり前なのに
強烈な、その変化。
見ごろ、食べごろの瞬く間な変化。
なんか興味深かったです。
それにしても、パレ・ド・トーキョー、その匂いもまとめて受け入れるとは、器が大きいですねぇ

2007/04/10 08:45 | inena [ 編集 ]


Re: Michel Blazy 「Post Patman」

inenaさん、こんにちは。
そうですねー。パレ・ド・トーキョーが一人暮らしの男の子の家の冷蔵庫になったみたいな感じかな?何よりも心配なのは監視員の人たち。フランスも夏みたいに暑くなってきた今はもっとひどくなってるに違いないし、何時間もあそこにいたら辛いでしょうねー。って他人事ですけど、、、。

2007/05/01 21:39 | kana [ 編集 ]


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Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに、猫のミントと一緒に生きています。

こんなものも書き始めました。
「パリ現代アートギャラリー攻略ブログ」
http://kana-sunayama.iza.ne.jp/blog/
こっちでも書いてます。
SHIFT
http://www.shift.jp.org/

2007年春に、フランス人の友人&ブラジル人の友人と共に、キュレーター団体をNPO法人としてパリで立ち上げました。
現在は、記念すべき一つ目の展覧会に向けて忙しくしています。
そんなわけでとにかく少しでも多くのアーティストさんたちとの交流を求めています。
「こんな面白いアーティストを知っているよ。」という人は立候補でも推薦でも、気軽にコンタクトください。
(と書いたら、早速たくさんのメールを頂くようになりました。ひとりひとりにお返事ができない状況です。返事がなくても落ち込まないでください、、、。)

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