フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2006/04/07 (Fri) Latifa Laabissi

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今日の夜は、ポンピドゥーセンターで行われたLatifa Laabissiの「Self Portrait Camouflage (セルフポートレイト カモフラージュ)」というダンスを鑑賞してきました。

去年もポンピドゥーセンターでLoic Touzeと彼女がコラボレートしたダンスを鑑賞して、なかなか素敵だったのを覚えていたのです。

ポンピドゥーセンターで企画されるコンテンポラリーダンスは、フランスを拠点にモリモリ力をつけてきている将来有望な振付師の作品でかためられています。

そのうえチケット代が安い!1500円くらいでなかなか良いものが見られます。ポンピドゥーセンターの会員だったら1000円以下で鑑賞できる作品もあります。


ではレポートどうぞ。





とりあえずオフィシャルな紹介文を引用。

« La France, de la première Exposition universelle de 1855 à l'Exposition coloniale de 1937, offre successivement onze manifestations nationales. Autant d'occasions pour le public d'applaudir au riche spectacle des splendeurs de son Empire colonial. Des hommes, des femmes, des enfants y sont l'objet d'attractions curieuses. En 2006, Marianne mène à sa manière l'enquête parmi ces parages hantés des universaux de la République. Qu'on se rassure : entre cannibale et vahiné, et à l'heure du fracas de « les-banlieues » , du CPE et autres beaux discours sur la discrimination positive, intégration garantie… » Latifa Laâbissi

「1855年に開催された初めての万国博覧会から1937年の植民地博覧会まで、フランスは次々に11もの行事を開催してきた。どれもが大衆にとって、彼らの植民地帝国の繁栄が見せてくれる豊かなスペクタクルに、拍手喝采を送る機会だった。男も女も子供たちも、そこでは好奇心を呼び起こすアトラクションの対象だった。2006年フランスは、共和国の一般的概念からは置き去りにされたものたちを探し始めた。しかし私たちは安心しきっているのだ。人食い人種とタヒチの女の間で。バンリューと呼ばれる郊外の治安の悪い地域、CPE(若者雇用法)問題、そしてその他の差別ではないと言われる人種問題や保障されたはずの移民同化問題の喧騒が聞こえる時代に、、、。」

以上、私自身による訳です。お手やわらかに。訳すんじゃなかった、、、。


気を取り直して。

今回はLatifa Laabissi自身の振り付けで彼女自身が踊ったのですが、はっきり言いますが、最初の30分ほど厳しかったです。彼女が全裸にインディアンのかぶる羽でできた派手な帽子(?)をかぶって、全身の関節がこわばってしまってはるんかな?みたいな動きをするわけです。5分に一回くらいの割合で舞台の強すぎるほど煌々と真っ白に光る照明が消えて、何秒か後に照明が再び照らされるたびに、彼女が移動しています。そしてまた関節ダンス。

もう目はシュパシュパなるし、ダンスって言っても関節ダンスやから、観客がどんどん退場していかなかったのが不思議なくらい。

きっと観客のみなさん、ポンピドゥーセンターの舞台をよくご存知でらっしゃるはず。なぜならここでの舞台は長くても1時間半も続かないのです。だからとりあえず最後まで見てみようという気にもさせるのです。それでもやっぱり退場していきたそうな雰囲気が会場中に漂っていました。

そして中盤。彼女のセリフが始まりました。

これが非常に興味深い!

フランスにおける人種差別や政治の状態を面白おかしくしたもので、このセリフが始まった途端、観客が笑い出しました。

軽い調子だけれど、テーマはあまりにも時事的なのでシリアス。

そして彼女のセリフの間に、私の頭には先ほどまでの関節ダンスが浮かび上がってきました。

非常にインテリジェンスな舞台。


最後には拍手喝采。3度目のアンコールで彼女が登場したときには、ブラボー!の声もそこらじゅうから聞こえました。実際、私も3度目のアンコールのあたりからジワジワ〜っとココロに来るものを感じました。


瞬間瞬間をまぶたに焼き付けたいと思わせてくれるような、鑑賞しているときから「美しい。しあわせ〜。」と感じるダンスもあれば、見終わったあと、何秒か後、何分か後、何時間か後になってからジンワリその素晴らしさを思い出し、何度も考えさせられるダンスもある。

どちらも素晴らしい体験です。

今回のこの演目が、何時間も何日も何ヶ月も何年もたってから、私の中でどのように成長していくのか、楽しみです。

Latifa Laabissi
SELF PORTRAIT CAMOUFLAGE
4月5日、6日、7日 20時30分
ポンピドゥーセンターにて。



現代の舞台芸術において、ダンスとか演劇とかパフォーマンスなんかのジェンダーがどんどん消滅していくのを感じられる、ポンピドゥーセンターのプログラム。
オススメです。



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Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに住んでます。

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