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L'Atelier d'Alberto Giacometti (アルベルト・ジャコメッティのアトリエ)展


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2007年10月17日から2008年2月11日まで、ポンピドゥーセンターで開催されている「アルベルト・ジャコメッティのアトリエ展」(L'Atelier d'Alberto Giacometti Collection de la Fondation Alberto et Annetto Giacometti)を観に行きました。
ある日曜日に行こうとしたら、展覧会場の前に長い列ができていたので、やる気がなくなって断念したんですが、ちょうどいい具合に翌週にLVMH(ルイ・ヴィトン、モエ・エ・シャンドン)財団主催の展覧会&カクテルパーティーというのが、ポンピドゥーセンターが閉館されている火曜日の夜に行われたので、そっちで仕事帰りにゆっくり鑑賞。

元フランス文化大臣のジャック・ラングも来てた様子で、カクテルパーティーの行われたポンピドゥーセンター最上階のジョルジュで見かけましたねー。
LVMH財団の行うカクテルパーティーはいつもおいしいので、それも目的で行ったのでした。でも私が今までに食べたビュッフェの中では今のとこ2位かな。

EXP-LATELIERDALBERTOGIACOMETTI.jpg


アルベルト・ジャコメッティは1901年から1966年まで生きたイタリア人アーティスト。Wikipediaはこちら。
1957年にジャン・ジュネによって書かれた「ジャコメッティのアトリエ」という本から派生した、研究所として、生活の場として、また作品の創造と発展、そして普及の中心とにある場として、ジャコメッティの世界を体現するように存在した彼のアトリエを主題とした展覧会です。

展覧会では彫刻、絵画、ドローイング、装飾美術、版画、文書、また写真や新聞記事などから構成されるアーカイブに及ぶ、約600点以上が展示されています。
会場は18の空間に分けられ、
・ジャコメッティが生まれた1901年から1921年までのスイスでの生活と、1922年から1929年までのパリでの青年時代
・1931年から1966年までのジャコメッティと彼と彼の作品を主題に写真を撮ったフォトグラファーたちとの出会い
・1926年から1966年までのアトリエ
・シュールレアリストとしての経験
・「頭部」とは何か?
・彩色された石膏
・彼のアシスタントであったディエゴと妻のアネット
・矢内原、フラエンケルとキャロリン
・最小から最大まで、
・人間と木、森と囲い
・メダルとスカーフ
・模写と手書き文書
・風景
という、13のテーマに分けられています。

この13のテーマを目の前にして展覧会を振り返ってみると、なんだかおかしい。

展覧会の前半と中盤は、しっかりジャコメッティと作品の発展の様子が手に取るようにわかるのですが、たとえば、急にジャコメッティがデザインしたスカーフが現れたりして、ヴィジターとしては、なんだか展示の流れを中断されたようにも少し感じるのですが、それはそれで、「ジャコメッティのスカーフ」なんて見たこともなかったし、実際その存在さえも知らなかったので、大して「なんやねん、これ。」なんてケンケンせずに、「へー、こんなんもあるんやー。」と楽しく見ることができます。でも、テーマで「メダルとスカーフ」ってあるけど、メダルの展示はひとつもなかったし。
せっかくの回顧展なのに、学術的見解ではいろんな作品が欠けていたし。

まあジャコメッティの相続問題に関しては、フランスアート界のスキャンダルというか、相続人やコレクターやオークションハウスや政治家までをも巻き込んでいろんな権力問題や金銭問題が関係しているので、普段から耳や目にしていたそういう噂や記事を追憶して納得、という感じでしょうか。


そんなことがごちゃごちゃありますが、展覧会を楽しみにきた一ヴィジターとしては、結構楽しめました。

ジャコメッティのキャリア初期に制作された、キュビズムに傾倒する絵画や平たく重量感のある彫刻などからは、私たちが今日「ジャコメッティ」と聞いて思い浮かべる細長い人物像につながる、その平面性や正面性(こんな言葉あるんでしょうか。でもほかの言葉が思い浮かばない。)、また人間の顔や身体を中心にした主題などの一環した研究対象が見えてきます。
zurich_giacometti_2.jpg

「ジャコメッティの彫刻」としてのスタイルが確立されてからも、その平面性の発展が、ディエゴの肖像に見られるように、顔を正面から見た平面性ではなく横からみた平面性へと移行したりするのです。

その平面性と正面性を考慮に入れているのかいないのか、普通なら彫刻はヴィジターがその作品の周りを回って四方八方から鑑賞できるようになっているのに、今回の展覧会ではそんな風に展示されている作品がほぼ皆無。すべての彫刻作品が壁を背に私たちに正面を向いて展示されているのです。私にとっては、この展示方法のおかげでジャコメッティの作品の持つ正面性を実感できたともいえるでしょう。しかしこれも賛否両論。この展示方法がやけに冷たい、なんて批評もあります。

非常に興味深かったのは、作品が「ジャコメッティの彫刻」として発展していくに連れて、それらの作品がアーティスト本人にどんどん似通っていくことでした。

それらの彫刻には、ジャコメッティの指の跡が残っています。針金で作られた土台に少しずつ少しずつジャコメッティの指が石膏をくっつけていく。この作業はあまりにも細かく行われるので、まるで石膏が指で「塗られていく」よう。また、彼の「彫刻」という制作が「ドローイング」の制作とまったく同じ過程であるのも新しい発見でした。ドローイングで、顔の目にあたる部分をぐるんぐるん鉛筆でなぞる。これは、ジャコメッティが彫刻の目にあたる部分を何度も何度もぐるんぐるん彫刻刀で削るときの手の動きとまったく同じなのです。
Giacometti.jpg



模写の展示では、デューラーの版画をジャコメッティが模写したものなど、ジャコメッティのドローイングや絵画といえば、輪郭グリグリ眼グリグリですが、それらとは異なる、彼のデッサン力とテクニックに感嘆させられます。
これはグリグリのドローイングです。
Giacometti_Head_Man.jpg



ま、いろいろ賛否両論ですが、見ていて損は絶対ない展覧会。
私としては、きちんと距離を保って観るのなら、十分楽しめる展覧会だと思うので、オススメです。


ポンピドゥーセンターでの展覧会カタログがAmazon jpではまだ取り扱われていない様子なので、Yves Bonnefoiのカタログをオススメします。


そしてもちろん、この展覧会の主題となったジャン・ジュネの「ジャコメッティのアトリエ」。



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11/21 07:16 | 展覧会 | CM:3 | TB:0
どもー。ジャコメッティ大好きなオイラにとって興味深い記事でしたー多感謝!ジャンジュネとも交流あったんすよね。。

去年、神奈川県立近代美術館「矢内原伊作とともに」という展覧会に行きましたがグリグリへの苦悩とか見えるままアルガママの視覚的表現の試行錯誤には、まさしく「探求者」という肩書きピッタリかと思ったり。。矢内原伊作著「ジャコメッティ」もカンドー的ですよね。

ではまた仏ART情報まってまっす!
おお~、ジャコメッティ、以前デッサンを習った先生が
好きだったわ。
>彼の「彫刻」という制作が「ドローイング」の制作
とまったく同じ過程である
あっそうなんだ、と納得してしまいました。
実際に見てみたいです。
ロンドンに来ないかな、パリまで行けば良いのですが・・・。
不如意パァニャさん、こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。
矢内原伊作をモデルにしたドローイングや彫刻は本当に素晴らしいですよね。矢内原伊作さんがきっと持っていた「固さ」のようなものがジャコメッティによってうまくひきだされて。めちゃくちゃかっこいい作品ですね。著作の「ジャコメッティ」もポンピドゥーセンターの本屋さんで売ってました!読んでみますー。情報ありがとうございました。

ろきさん、こんにちは。
ジャコメッティはみんなが感嘆して影響を受けているアーティストだと思います。でもそれがグループに派生しなかったのが、不思議です。彼は美術史においてとても孤独。彼の身体や形に関する研究は素晴らしいもので、もっとまわりのアーティストたちが呼応して様々な形のアートして表れてもいいようなものなのに、それがない。コンテンポラリーアーティストたちの孤独の先駆けのようなものを感じます。
これはどうも巡回展じゃないみたいだからロンドンには行かないでしょうねー。パリのポンピドゥーセンターに集めるだけでも大騒ぎで、関係者のエゴのせいですべての作品が集まらなかったわけですから、ロンドンなんてもってのほかでしょー。小市民の私たちには残念な話ですけど、、、。
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