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Villa Savoye/サヴォア邸 Le Corbusier/ル コルビュジェ
ひさしぶりに届いた父からのメールで、Le Corbusier/ル コルビジェのVilla Savoye/サヴォワ邸に行った日を思い出しました。
このブログにも書きましたが、7月に行ったパリ郊外のシャマランドへの半日遠足が本当に楽しかったので、それから週末になると、パリから1時間くらいで行ける郊外のちょっとした田舎へ行くのが私たち夫婦の間で流行っています。季節的にも行けるのはいまのうち、そしてお互いの忙しさ的にも行けるときに行っとかないと次はいつ一緒に一日過ごせるかわかりませんからね。
そんなわけでもう3ヶ月も前になりますが、7月最後の週末のとても初夏の清々しい天気の日に、パリ郊外はポワッシーまで行ってきました。

私の父が大学院の論文かなんかでテーマにしたのが、ル コルビジェについてでした。既に学生結婚をしていた母も「あの論文はほんまはお母さんが書いたようなもんや。」と言うように、二人は結構なル コルビジェマニアです。小さい頃からよくル コルビジェの話を二人がしていて、それこそちょっとした親戚の近況なんかより、ル コルビジェの話のほうが二人の会話に上っていたような気がします。でもまあそのへんは子供にとっての親戚の話題のように、当時の私にとっては大して興味をそそられない話題だったので、私はそんなに詳しくありません。実際フランスに来てからも「ル コルビジェ見に行け。」と口をすっぱくして言ってくる両親を尻目に、私が見に行った彼の建築物と言えば、ロンシャンの教会とラ トゥーレットの修道院、そしてパリのル コルビジェの家だけです。リヨンに4年半も住んでたくせにフィルミニーにも行ったことがないという。お父さん、お母さん、ごめんなさい。

まあでも大学の美術史の授業でサヴォワ邸に関してはもちろん学び、それこそ平面図なら素で描けます。しかしパリに来てもう4年になりますが、実際に行ったことはありませんでした。パリの郊外で、、、雰囲気良さそうなとこで、、、お城じゃなくて、、、となると、「あ、サヴォワ邸でいいんちゃうか?」という非常に安易な理由でした。

パリからRERのA線に乗って、どれくらいやったかなー、一時間もかからなかったと思いますが、ポワッシー駅にたどり着きました。ル コルビジェのサヴォワ邸なんて世界的にも超有名な建築物があるのに、ポワッシー駅からサヴォワ邸に行くためのバスは一時間に一本もないくらい。そんないつ来るのか信用できないバスを何もない殺風景なバス停で待つよりも、天気もいいから歩いて行こう!ということになり、駅前にある周辺地図をカメラに収め、いざ出陣。

駅前の道を右にまっすぐ、それから道なりに進んでいくと、
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こんな結構立派な教会の裏側が見えてきます。
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これはこの教会の前。この真横に、写真はありませんがこれまた素敵なでかい洋館がありました。「売却済」と看板が出ていて、「いくらやったんやろか、、、。」と思いを巡らします。ここなら将来義理の両親と住んでもいいかも、と思わせるくらい大きい。まあ向こうが嫌がるでしょうけどね。でも教会の鐘の音が近すぎてうるさそうです。

教会の前をほーーーんの少し行くと小道の入り口があり、そこを通ると別世界。たしかなんかのちっちゃい美術館だったと思います。人形美術館とかそんなんやったかなー。もう忘れました。
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このお庭でだらだらし始めるともうサヴォワ邸にたどり着けなくてもまあいいか、と思い始めてしまいます。
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根がはってしまいそうなお尻をあげて進むと、まだまだ中世の建物が続きます。やっぱりバスになんか乗らなくてよかった。

この中世の建物街を抜けると次は広大な公園が広がっています。
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うーー、芝生の上で寝転びたい、ごろんごろんしたい、という気持ちは露ほども見せずがんばって突き進みましょう。ここで負けると今日のメインにはありつけません。重要文化財ですから閉館時間も結構早いし気をつけねば、、。

そんな素敵な散歩をうーん、20分か30分やったかな、続けると、サヴォワ邸の入り口が見えてきます。

もう今は誰も住んでないけど、やっぱり元はヒトんち。入り口から建物は見えないので、ちょっとドキドキしながら緑の中を抜けると、、、
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でたー!

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第一印象は「あれ、こんなにちっちゃいん?」でした。

では中見たい人はどうぞー。写真いっぱい撮りましたよ。

ル コルビジェは1887年生まれで1965年まで生きたスイス出身の建築家。
サヴォワ邸は1928年から1931年にかけて建設されました。立派なお金のかかってそうな家ですが、この建物はサヴォワさんちの別荘ですね。
ではどうしてこのサヴォワ邸が特に有名なのかというと、それはル コルビジェが1927年に表明した、簡潔で機能的であることを重視した近代建築運動の原則である五つの点が、ここで実現されているからです。
私の説明あってるんでしょうかね?不安ですが。まあ大体そんな感じです。

ル コルビジェは「プロムナード」(日本語でいうと「散歩」??いや、日本語でもプロムナードって言うからそのままでいいのかな。)という概念を建築に適応させます。外からこのサヴォワ邸の敷地内に入り、まず見えるのは、実は建物の裏側なのです。だから緑の中に浮かぶこの物体を支える白い柱たちと、周りの緑とカメレオン作用をするように一階部分だけ緑に塗られた壁の間をくるくるまわって、反対側の入り口につきます。ここでわかるように、上記のル コルビジェが見せたかった五点のうちのひとつがこのファサード。普通ファサードといえば、建物の前面に貼り付けてあるものです。しかしこのサヴォワ邸では、どの面を見ても前なんだか後ろなんだか横なんだか、よくわからなくなってるのです。もう一点は、この居住空間を持ち上げ、ピロティを作るというもの。自然の風景の中に浮かび上がる島みたいな感じ。(私の説明、相当あやしいですね。ほんまに合ってるんでしょうかね。これでよく建築史の試験受けたもんだ。)

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建物に前と後ろがあるとしたら、これは前面部分。
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そして玄関。玄関部分はガラス張りになっています。昔の日本映画とか見てると玄関が磨りガラスどころか普通のガラス張りで「丸見えやん!」といつもつっこんでしまう私ですが、今回はそんなことしません。なぜならこのガラス張りのおかげで、「プロムナード」が成り立つからです。建物の内部と外部に仕切りがある、別の空間だ、という概念をとりさらうこと、それが彼のやりたかったことなんです。それにこっから見える外は外でも自分の敷地ですからねーー。外国のお金持ちはいいですなー。家の前の道丸見えじゃないんですねー。

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お金持ちだから自分たちの玄関の左側にちっちゃい運転手用の入り口まで作っちゃったりなんかして。

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「フランス人ってお風呂あんまり入らないんじゃないの?」なんてよく耳にしますが、この別荘には外から帰ってきて手を洗う洗面台まで玄関にあります。「手洗ってうがいして、、、」って風邪対策もしちゃいます。

そしてでたー!ル コルビジェと言えばスロープ。スロープと言えばル コルビジェ。
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スロープは場所取るし、ほんまに土地のある人たちの特権ですな。スロープよりも私はこのサヴォワ邸にそこら中にあるこのちっちゃくて短い蛍光灯が好きです。おしゃれ。自分の家もこれにしたい。今年の夏に日本に帰ったときに、伊勢神宮横の伊勢うどんとてこね寿司を食べたレストランでこの蛍光灯が多用されているのを発見したときには、「ル コルビジェ、ここにまで!」と感動しました。別にあの食堂の持ち主がル コルビジェを意識してあの蛍光灯をつけてるとは思えませんが、、、。

2階は居間、台所、寝室などの居住空間。
居間の写真でいいものがなかったので、テラスからぐるんと撮った動画をどうぞ。


一瞬ちらりと写るテラスのテーブルも、「バーベキュー用や!」なんてわくわくします。
動画では感じられないかもしれませんが、実際この場所にいて、ル コルビジェの近代建築5原則のひとつ、横長に続く窓を見ていると、なんだかくらくらーっとなります。

居間からテラスの眺めはこちら。
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う、美しい、、、。息を呑みます。居間の写真がなくてちょっとわかりづらいかもしれませんが、ここにもル コルビジェの五点のうちのひとつである、鉄筋コンクリートの利用によってそれまで広い空間の中にどうしても必要であったどでかい柱とか分厚い壁なんかを取り去ることができました。現在から考えると普通のことですが、当時は新しい試みだったんでしょうねー。

テラスに出て、一階から二階へ、そして屋上へと続くスロープを見るとこんな感じ。
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私がいま住んでいるアパートは思いっきり賃貸ですが、弟と住んでいたときに彼がかなり改造してしまいました。(引っ越すとき全部元に戻さないといけないので大変そうですが。)
ル コルビジェの作品やセオリーは、建築をしているヒトにとっては避けては通れない道だと思います。改造をしているときにはまだ建築学科の学生であった彼が、どこまで意識して作ったのかはよくわかりませんが、簡素さがうちのアパートの家具や改造部分に似通っている点を多く発見しました。
例えば、台所に最も近い部分の居間に作り付けられているテーブル。居間から廊下部分をみたところです。このテーブルの付け方。うちのアパートの作り付けの棚とかこんな風に壁につけて脚は一本、ってのが結構あります。ま、普通と言えば普通やけどな。私の思い込みかな??
台所から居間につながるドアの横にあるんですが、作った料理をちょっと置いておいたりするのに便利そうですね。
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うちにも作り付けの書斎があるんですが、サヴォワ邸の子供部屋の書斎空間に入ったとき、「ああ!うちの書斎や!」似てる。うちのも脚部分は排除されています。散らかりすぎてあんまりわからないけど、うちの書斎とかぶる。しかしうちにはこんな窓はないな。こんな窓があったら気が散ってしゃーないです。仕事も勉強もできません。
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こちらは台所。こんなに緑が見える台所なら、料理作る気なんか起こらなさそう。「外でバーベキューしよか。」と毎日言ってしまいそうです。まあでも料理を作る使用人がここを使うんでしょうけどね。っていうか自分だけやったら広すぎて使い勝手が悪そうです。収納の多さには惹かれますが。
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サヴォワ邸ではシンプルなラインの機能的なデザインに釘付けでした。
蛇口も美しい。こっから外で遊んでる子供に「もう晩ご飯よー。帰って手ぇ洗いなさいよー。」なんて。どこまでも庶民ですいません。自分の敷地やから子供が車に轢かれたり変質者に連れて行かれる心配もありません。
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同じく台所。これは何?キッチン用の手ぬぐい(言葉が古い、、、)をかけるとこか?
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こまかいとこのデザインシリーズではこんなのも。
照明のスイッチ。コンセントのプラグ。ドアの取っ手。
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中心の垂直線を軸に開く窓。頭をぶつけると痛すぎて多分5分くらい立ち上がれないと思いますが。
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子供部屋用のバスタブ。壁がバスタブの形になってるので、バスタブを替えたり、模様替えができません。ちょっと不便かも。まあバスタブの場所を変えるような模様替えをお風呂場ではしませんけどね。
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窓のつき方までじっくり観察する私です。ふーむ。カーテンをつけられる窓と、そうでない窓がありますね。カーテンをつけられる窓はカーテンをつける部分が壁の中に隠れるようになってます。私の記憶が正しければ、ここはたしかゲストルームやったんですが、ゲストルームにカーテンをつけられない窓があるということに少し驚きました。
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この壁の色使い!素敵です。水色と群青色の壁の間の、左に見える入り口はゲストルームへの入り口です。奥は子供部屋。廊下には私の好きな蛍光灯が灯っています。そして子供部屋の入り口には天井窓があって太陽の光が入るようになっています。
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子供部屋のバスタブはいたって普通でしたが、両親の部屋のお風呂場こんなことになってます。
一枚目の写真は夫婦のベッドがある空間から撮影したもの。ベッドがある空間とお風呂場はカーテン一枚での仕切りになっています。
カーテン越しに見えるのはそのときいた、多分建築関係の学生であろう若者たち。お風呂場でやたらとあーだこーだ言ってました。
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カーテンを全開にするとこんな感じです。お風呂場の浴槽とカーテンの間には寝転がれる椅子状の流線型。そして壁に見える少し突き出た柱の間にベッドを置け、という構成になっています。これも押し付けがましいル コルビジェならではです。模様替えできません。ベッドの位置替えれません。「もうあなたと一緒に寝るの嫌だからシングルベッド二つにしましょう。」とかも言えません。
浴槽と、お風呂にのぼせたら寝転がれる椅子状のタイル張りと、ベッドがすべて横に配置されることになるので、ろうそくとか灯して白ワイン片手にお風呂につかりながら読書をして、のぼせたらタイルの上、そしていい感じに酔っ払ってきて眠たくなったら、そのままベッドへ流れる、というすばらしい流れができます。
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お風呂場を反対側からみたところです。お風呂入ってんの丸見えです。こんなお風呂、冷えてしゃーない。こんなに開かれたお風呂やと、浴槽のお湯もすぐにぬるくなるんでしょうね。別に外国人は湯船につからないから余計なお世話だと思いますが。
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他にもたくさんありますが、とりあえずこのへんで屋上へあがってみましょう。

いや、その前に、この階段部分を見てください。
なんって美しいんでしょうか。もうこの階段だけで完結しているフォルム。
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階段途中から階下を見るとこんな感じ。もーこの切れ込みからの光とその奥に見えるスロープ部分の仕切り!たまりません。
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ル コルビジェの気にした五点のうち、屋上を庭にするっていうのがあります。

屋上に上がってみると最初に目に飛び込んでくるのはこの景色。
まるで絵画か写真のように、美しく切り取られた緑と空。それを縁取る白い壁。
これを見た瞬間、アルベルティの「絵画とは開かれた窓である。」っていう言葉が頭にぱーーんと戻ってきました。本当に苦しくなるくらい美しかったんです。衝撃でした。
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ふと我に返ってスロープを辿って反対側の景色に対峙します。
その瞬間、私が思わず声に出してかなり大きな声で言ってしまった言葉は、「お父さん!」
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もう今では改築されてしまいましたが、私や弟がまだ小さくて別々の部屋が必要でなかったころ、私の家はワンフロアだけでした。そしてスロープではありませんでしたが、作りつけのはしごを登って屋上へ行けるようになっていたのです。その屋上の景色はまさしくこれ。ふちの部分だけ二十センチほど高くなっていて、屋上前面には写真のように砂利がしかれていました。そんな殺風景とも言える屋上が好きではあったけれど、子供心に「なんでこんな風にしてあるんやろ。危ないのに。」と思っていましたが、「お父さん、これがしたかったんやー。」と感慨深くなりました。今の私よりも少し若いお父さんが建てた家で、お父さん、これがしたかったんや、って。でもすぐそのあと、「めっちゃぱちってるやん!」と思いましたけど。



どんなに大学の建築史の授業で学んでも、平面図が素で描けても、試験でいい成績が取れても、どんなに自分が知ってるような気になっていても、現実に「モノ」を見るっていうことはこんなにも私にたくさんの知識や体験や、そしていろんな感情を与えてくれるんだ、と再び気づかせてくれた一日でした。そしてそんな知識も体験も感情も、すべて今日まで私が生きてきたすべてがあるからなんや、これでいいんや、とすごく素直にいろんなことを楽しめた一日でした。




そんなことを思いながら、この景色を眺めながら、やっとこさ、芝生でごろごろー、だらだらー、と昼寝できました。
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あー幸せ。




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10/15 07:17 | 未分類 | CM:5 | TB:0
eusunaさん、どうも。
真ん中にテラスをもってくるあたり、まんまですね。
家具が大好き。まー、コルビーというよりはペリアンなのかもしれないけど。
あの造形美と人間工学の賜物は素晴しい。
密かにコレクション(残念ながら実家に放置)しているねん。
Kayaさん、へー、ヘルシンキでデザイン関係のものいっぱい見てるなーと思ったら、そういう趣味もあったんですな。っていうか、コルビーって呼ぶのいけてるな。私もそう呼ぼ。なにげにこの記事で毎回 ル コルビジェ って打つの、めっちゃ邪魔臭かってん。「以下コルビー」ってしとけば良かった。ペリアンって使い心地はいいのん?
使い心地というか人間工学というのかヒトの体のカーブとか恐らく計算された上で出来てるようで、私はLC1とLC4を持ってるんやけど、LC4の腰のところのフィット感なんて感激ものよ。はじめて座った時は、なんか改めてあの時代の薀蓄(構造がどうとか機能がどうとか)が空論ではなかったことに感心してしまったもん。
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