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ダミアン ハースト @ サザビーズ ロンドン
先週と今週は、私の働くギャラリーでもロンドンで月曜と火曜に行われたダミアン ハーストサザビーズでのオークション「Beautiful inside my head forever」のことで持ち切りでした。

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結果は月曜日がこちらで、火曜日がこちらです。

10日間の展示会で21000人もが見に来たわけですが、先週末にロンドンに行っていた私のボスも、このオークションの展示会を見て、パリに帰ってくるなり「すごかったーーーー。」と言ってました。私もホルマリン漬けの牛とサメ見たかったなー。まあこれを何度もやるのには動物好きなので反対ですが。そんなことよりボスのブラックベリーがうまく機能しなくてパリのギャラリーにいる私たちも連絡がとれず困っていたら、次にかかってきた電話が「なおったー。ダミアン ハーストが直してくれたわ。」というものだったのでびっくり。「ええ!ハーストに会ったんですか!!」って聞くと「そうそう、ご飯食べてたらそこにいはってん。」「えー、その電話、金庫入れといたほうがいいんちゃいます?」なんて話もありました。

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写真がここから、動画がここから見れます。

簡単になぜこのオークションがこんなに話題になったかと言えば、ダミアン ハーストはガゴジアンとホワイト キューブという世界トップのギャラリーのお抱えアーティストで、世界で最も作品の値が張るアーティストの一人です。そんな彼がふつうならセカンダリーマーケットとして存在するオークションハウスであるサザビーズで、わざわざこの機会のために制作した(といっても彼は常時100人以上ものアシスタントを抱えるアーティストビジネスマンなので、別に彼が絵を描いたりしてるわけではありません。)アート市場に初登場する作品223点(!)をも、アーティスト自身が直接競売にかけるからです。

アート市場にはプライマリーマーケットとセカンダリーマーケットというのが存在して、例えばギャラリーがお抱えアーティストの作品をコレクターに売るという市場が第一市場でありプライマリーマーケットと呼ばれます。そしてそのコレクターがその作品をまた別の画商を通したりオークションハウスを通したりして売買するのが第二市場であるセカンダリーマーケットです。セカンダリーマーケットはその作品が売買しつづけられる限り、第3や第4市場とは呼ばれずセカンダリーマーケットと呼ばれつづけます。というわけで、暗黙の了解でアーティスト本人ができたてほやほやの作品をセカンダリーマーケットの代名詞でもあるようなオークションハウスに委ねるということは、密な関係を維持しているはずのプライマリーであるギャラリーを完無視してるという、ある意味小気味良いような、ギャラリーからしたらかなりの謀反行為となるわけです。

と言っても、現実にはガゴジアン本人も今回のオークションに作品を買いに来ていたようだし、大成功に終わった今回のオークションによって逆にまた一段とハーストの作品価格が跳ね上がったわけで、別にこれからは普通にギャラリーを通して売っていくでしょうから、ギャラリー側からしても良かったのかもしれません。まあそれは単純過ぎる意見かもしれませんが。きっとアート市場はもっとややこしいものなのかもしれませんが、私にはよーわかりませんわ。

私の働くギャラリーにサザビーズからのダミアン ハースト オークションのためのカタログが届いたときには、度肝を抜かれました。そんじょそこらの展覧会のカタログなんかより何倍もすばらしいカタログで、なんかしらんけどキンキラキンです。カタログも1300冊も売れ、サザビーズに電話をしても手に入らないような状況になっていたようです。

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驚きはオークションの目玉商品(商品で合ってますね。この場合)のひとつであるホルマリン漬けのサメの落札者が出なかったこと。まあそんなことを言っても、二日間のこのオークションの売り上げは1億1100万ポンド(約211億円)。もうこんな単位よくわからないけど、最低評価額の2倍の売り上げだったらしいです。こう言ってくれたほうがわかりやすいです。すごさが。もうひとつのホルマリン漬けの目玉である金の子牛は、1030万ポンド(約19億円)で売れましたとさ。

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まあこういう類いのプライマリー マーケットとセカンダリー マーケットがぐちゃぐちゃになってどうしたらいいんでしょうというような出来事は、フランスでは法律によって禁止されてるようです。フランスのオークション会社はせめて一度はどこかで展示されたものか、一度でも誰かに購入されたものでないと、扱うことができないってなんかの記事で読みました。そういえばこのブログに以前、ジャン フィリップ レイノーというフランス人アーティストが自分の作品をオークションにかけます、という記事を書いたことがありました。しかしこの場合はわけが違います。だってここで競売にかけられた作品は最新のものであったわけではなく、彼のアトリエの倉庫に眠ってた作品たち、そして一度はニースでの個展で展示された作品で、今までに買いたいと思う人があれば、なんとかしたら買えた作品たちですから。それに彼は「ここ!」といった特定のギャラリーを持たないアーティストでも有名です。また最近では中国や近東アジアのアーティストたちが自分たちの作品の価格を生み出す(ここの違いです。)ために、作品を競売にかけるということをしているようです。まあどちらにしても、今回のサザビーズでのような芸当ができるのは、世の中探してもダミアン ハーストくらいでしょうから、そんなにアート市場が心配することもないのかもしれません。ハーストのインタビューを読むと、さすがの彼でもこんなことして成功するのか心配で怖くて怖くてたまらなかったらしいですが、実際アート界の人たちも「これは成功しないでしょう。」と言ってたのに、唯一と言っていいくらい、The Baer Faxtというメールマガジン(?このカテゴリで合ってるのかな?)を書いてるJosh Baerだけが「成功するだろう。」と言ってました。このメルマガは現代アート界の最新の情報満載です。怖くなります。どこの誰がいつからどこのポジションについたとか、オークションの落札者の名前とか。


というわけで蓋を開けてみたら、世界のお金持ちたちがこぞってハーストを値をつりあげ、一人のアーティストに関するオークションでは記録を打ち立てました。作品は目新しいものがなく、今までにハーストが発表してきた作品のバージョン違いというような現代アートにありがちな「え?これエディション?」というようなものの羅列でしたが、それでも成功したのに、驚きというか、もう私なんかは感動を覚えます。


ま、底辺の私にはあまり関係のないことです。

最近、ダミアン ハーストとジェフ クーンズの話しかしてない気がします。
今日のブログも、ハーストはフランスのことちゃうし、私が見てきたわけでもないし、いっぱい情報もあるし、書かんとこーと思ってたのに、他の記事の前振りで書き始めたらとまらなくなりました。


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09/20 06:38 | アート市場 | CM:7 | TB:0
おかえりなさい。
帰って来られてからブログのアップがものすごい多くて読みがいがあります。 夏休み中ずっとアップを望んでたからたのしいです。
とても興味深い~っつうかオモロぃすね~毎度シゲキ的INFOアリガトございます!日本ではセカンダリィとプライマリーの格差意識?のようなものがあるそうで、、まぁそんなこと関係ないけどアーティストの存在価値も自ら日々進化?してるんでしょうね~
Ckinocoさん、こんにちは。
ただいまです。
アップしてる記事の数っていうより、なんかだらだらと話すように書いてしまってるので、まとまってないとも言いますね。実際話してるともっとだらだらしゃべりますよー。
ブログは趣味でやってるのに、しっかり夏休みを取ってしまって申し訳ないです。今年は小ぶりでもたくさん記事の数が書けるようにしたいですー。といつも口先だけですけど、、、。
よろしくお願いします。
Ckinocoさんはリールに引っ越すんですか?ブログのほうは二人の方が書いてらっしゃるようで、どちらの方かなーと夏休み中に思っていました。今年のリールはダンス関係のプログラムがいけてるような記憶があります。パリにいらっしゃる間にお会いしたいですねー!

不如意さん、こんにちは。
どうもー!プライマリーマーケットよりも、セカンダリーマーケットでの値段のあがり方のほうがかなり面白いですよね。ほんまの博打というか、最近んではロシア人とか中国人の億万長者さんたちが、すごい高くて「もうこれは投資じゃないやん!」というような値段をつけているので驚くというか、なんというか。
仕事先がつぶれる心配は減るけど、底辺の私に跳ね返ってくることは皆無です、、、。



ダミアン・ハーストのホルマリン漬けの牛の作品を六本木で観ました。
奇妙というより、神秘的に感じました。
Soraさん、こんにちは。
そうですよね。たしかターナープライズの展覧会で日本ではハーストのホルマリン作品が見れたんですよね。いーなー。
サザビーズで作品が落札されると、出品者と作品製作者には何%くらいの取り分があるのでしょうか。契約次第だと思うのですが、まったくの門外漢なのでご教授くださると幸いです。

村上隆作品が16億落札された際に、村上本人には幾らぐらいいったのかなということを調べています。
はじめまして。契約もなにも、オークションには作品制作者はまったく関係ありません。その作品を作家自体がオークションにかける場合はべつですが。そういうことは一部の中国人作家が中国現代アートブームのときに行ったようです。それともちろんダミアンハーストの歴史的オークションもです。
べつに村上隆の作品がオークションでいくらになろうと、そのオークション自体で彼がいくらか得るということはありません。アーティストの作品の商品価格があがっていくと、本当にお金がどんどん流れていく場所はそれらを取引しているギャラリストやアートアドバイザーやコレクターのところですよ。自分の作品の価値があがりすぎると逆にアーティストは辛いくらいだと思います。
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