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Paris Photo 08 / パリ フォト 08
11月のパリは写真月間。美術館や街中のギャラリーで、写真の展覧会が開かれます。
それらプログラムは全てこの2冊に網羅。
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左側が「Mois de la photo/パリ写真月間」のプログラム。右側はoffイベントのプログラム。
普通に働いてて私生活がある人には、一ヶ月で絶対全部行けない数です。そのうえもうすぐ11月終わっちゃうし。

そんな写真ずくしの11月のパリでの中心的イベントがこちら。
DSCN1834.jpg
Paris Photo / パリ フォトという写真のアートフェアです。
今年は日仏交流150周年ということで、ものすごい数の日本関連の展覧会やイベントがフランスで行われていますが(ということは日本ではものすごい数のフランス関連イベントがあるってことですよね、きっと。)、今年のパリフォトもその誕生日に合わせて、特別ゲストは日本!
街中のポスターも、日本人写真家の川内倫子さんの作品です。というか、見た瞬間「あ、川内倫子や。」と写真に詳しくない私が気づく写真ってすごい。それだけスタイルが確立されているというか、倫子節炸裂です。

さてさて、今年のパリフォトには19カ国から来た107のギャラリーや雑誌社が参加。そのうち日本からの参加は19にも及んでいます。ほぼ20パーセント近くが日本からのギャラリーですねー。そのうえ他国のギャラリーも日本人作家の作品を多く出してきていたので、パリフォト内はもうアラーキーダイドー モリヤマだらけでした。でもこんだけ数だしてきはっても、なんでも美しいわけじゃないってのが面白い。アラーキーのボンテージの作品はそこら中に展示されていましたが、本当に素晴らしいのが一点ありました。どこのギャラリーだったか忘れてしまいましたけど。あと、同じアラーキーの作品でも普段私が見る現代アートギャラリーでの展覧会や現代アートフェアで展示されている作品たちと、今回「写真」を専門に扱うギャラリーが展示する作品たちに、少し違いがあるというか、うまく言葉で伝えられないんですけど、現代アートとして面白い写真と現代写真として面白い写真というものは、ほんの少し違うのかなーとふと思いました。写真ギャラリーになかなか普段足を運ぶことがないのと、写真という媒体を使った作品について詳しくない(絵画や彫刻にもあんま詳しくないけど)のでよくわかりませんが、その相違が私のただの思い違いなのか、本当にそういう現象がもしかしてあるのか、なんてごちゃごちゃ考えながら写真について勉強していきたいです。パリフォトを見に行ったあと、家にあった何年か前の美術手帖の日本写真史特集の号を見ていると、写真専門家のかたたちの対談があって、それを読むとふと「見つめる」っていう言葉が多用されているのに気づきました。現代アートの作品ってどちらかというと「見せる」っていう概念の元成り立っていると思うんですけど、現代写真は作品のもとにあるのが「見つめる」そして「切り取る」みたいな行為があるのかな、と思います。ま、私の勝手な想像ですのでほっといてください。

さてさてそんなパリフォト、もう2週間ほど前の話になってしまいますが、私が気になった写真をいくつか紹介します。
「ブースを見る」というようなことは、私の写真ギャラリーに対する知識がないのと、あまりにも人が多すぎて、不可能でした。ということで作品の紹介だけです。

不況まっただ中に開催されたこのアートフェアですが、やはり名がある程度売れているアーティストさんの作品やけれど、安めのものからどんどん売れていったみたいです。またパリフォトは現代写真だけではなく、昔のドミュメンタリー写真のようなものも数多く展示されていました。例えば名もない写真家が取った江戸時代から明治時代にかけての人物写真とか。

ではいってみましょー!



結構人だかりができていた、Maria Antonietta Mameliの作品。ニューヨークのBruce Silversteinというギャラリーのブース。
上の右の写真だったかな、5点のエディション全て完売。
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これの黒バージョンもありましたが、ここのギャラリーのブースは真っ黒に塗られた壁の部分と真っ白のまま残されている壁の部分とあって、それぞれの色の壁に展示されている作品はすべてその壁の色だから映えるものが多く、うまいことしたはるなーと感心。
この写真の作品とは別に、そっこまで美しい作品でもないのに、黒い壁にかけることによってすっごく良く見える作品もありました。家の壁が真っ黒ってことってそんなにないと思うので、こういうのにだまされてはいけない、、、と思います。
この写真の作品なんかはきっと白い壁でもうまく映えると思います。まあでもマーーッシロの壁ってのもなかなかないですけどね。

同じギャラリーから、丸山 真一の作品。
「右のが好き。」と思ったら右のは売約済み。
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中国から参加のギャラリーはひとつだけでした。798 Photo Gallery 百年印象。
ものすごくにぎわっていて、それもそのはず、現代アートとして面白いものなーというものが結構ありました。ここほど赤い売約済みシールがいっぱい貼ってあったところはなかったんじゃないでしょうか。まあでもあの赤いシールほど充てにならないものはありません。本当は売れてなくても、エディションのある写真作品なんかでは、わざとひとつだけ貼ったりして買いたい気持ちを促すギャラリーもあります。あのお洋服屋さんで、「今日入ってきたんですよー。」とか「もうこれが最後の一着なんですよー。」とか言われて、「へー。」と言いながらも心では「ほんまかいな!」と思ってるのと同じ感じ。個人的には赤いマークをいっぱいつけるのはあんまりシックじゃないなー、とも思います。赤いマークがついてるから「あ、もう売れてしまったんや。」と思って声をかけてこないコレクターさんもいるでしょうから、逆に何も付けないで、値段を聞かれたりしたら「これは売約済みですが、他にもこんな作品がありますよー。」と話題を広げられるほうがいいんじゃないか、と思います。

このギャラリーから、
Liu Jiaxiang。中国でのオリンピック会場である「鳥の巣」をテーマにした作品を今年は中国人アーティストがたくさん発表していてうんざり感もありますが、これはちょっと面白い。柵越しに必死で鳥の巣の写真を取る人たちの携帯やデジカメに鳥の巣がまた写っています。フィーバーっぷりがうかがえるんですが、ものすごい冷静な視点。
大きいサイズと小さいサイズ、一エディションずつ売れていました。
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Huang Qingjunの作品。この写真の作品は、開発が進む北京を背景にいまにも崩れ落ちそうな家に住んでいる夫婦と犬、そして彼らの持ち物全てが撮影されたもの。他には遊牧民の家の家財道具一式全てを外に出しての家族写真がありました。なかなか!!
このサイズのエディション数は6。2つの赤いマーク。
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パリフォトと同時開催されるBMW賞を取ったYao Lu。このアーティストさんの作品は何点も展示されていましたが、ものすごくたくさんの人が見入っていました。私もその一人。
このサイズのエディション数は10で、売約済みの赤いマークは5つついてました。
なんだかのどかな中国の風景と思いきや、、、、
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全部ゴミの山やー!
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同じアーティストさんのこんな絵巻物みたいな巨大な作品もありました。
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ふとこれ好きやなー。と思ったら、めっちゃ高かった!41 000 ユーロなり。
Berenice Abbott 。こ、この人は有名なの??とググったらものすごい量の検索結果でした。知らんかった。
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私が好きなRaymond Depardon。いまカルティエ財団で展覧会も開催されています。
私は彼の映画が特に好きで、多分全部くらい見てます。いまフランスでは「La vie moderne」という彼のお百姓さんドキュメンタリーシリーズの最新作の映画が公開中です。これもすぐに見に行ったけど、今までの同シリーズに比べるといまいちでした。展覧会も早く行かないとなー。
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ドパルドンは映画取ってる人やからか、静止画なのに動きがあるというか、ダイナミックで好きです。ドパルドンの声も好き。


何ヶ月か前にパリのカルティエ ブレッソン財団で展覧会が開かれていたSaul Leiter。はい、悔しいけど見逃しました。
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4枚同じサイズですが、値段がそれぞれ違うのです。7500ドルから9000ドルまで。ユーロになおすと、、、えっと、、あれ、そんなに思ってたほど高くないのね。ほしーーー!!


あっれ!どうしたんやろ。このブース。壁作るお金けちった?作品運送のお金けちった?と一瞬思ったんですが、よく見るとめちゃくちゃかっこいいブース。hiromiyoshiiギャラリーの津田 直さんの個展。
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もちろん、Kaoru Izimaの作品も。
彼女の大きな作品もあったんですが、この写真に写ってるのはテレビ画面に映し出された何点かの作品。これがねー、なんかあのパソコンをスクリーンセーバーにして写真を流してるような妙なアップの仕方とか画面の流れ方をしていて、個人的にはちょっと「ん??」。
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でもやっぱりすごく好きです。


そして今回の私の収穫はVee Speersの作品を知ったことです。
バースデーパーティーと題されたシリーズ。かわいいのに、ものすごく暴力的な作品。色合いとかテクスチャーとか構成も好き。
DSCN1862.jpg DSCN1863.jpg
左側の写真のように額に入って壁に展示されているものももちろんありますが、ブースのお姉さんが箱から額装されていない同じシリーズの写真を一点一点めくって見せてくれます。
「これを一日中繰り返す仕事なんて微妙やな。」とかわいそうになりながらもじっくり堪能させていただきました。


あ、いいなー、日本人だろうけど、誰だろう?と思ったら、石内 都さんの1976-77年の作品でした。
DSCN1864.jpg
彼女の作品は他にも広島市現代美術館で開催されていた個展の「ひろしま」シリーズも別のギャラリーのブースで出ていました。
キャプションは英語だったかフランス語だったかでしたが、そのキャプションにシリーズ名の「ひろしま」っていうところはきちんと日本語で記載されていて、「これはひらがなであるところに重点を置いているのかな?だから日本語でもきちんと書いてあるのかな?」と思いましたがどうなんでしょう。



いまとなっては、なぜこれらの作品の写真を撮って、他のは撮らなかったのかよくわかりませんが、まあフェアなんていつもそんなん。今回私にとってとても面白かったのは、先月くらいから配偶者が「もっとお金を使わないと来年の税金の支払いで泣かされる。だから税金対策なんかない?」と言ってきたので「ほんじゃあパリフォト行ってみる?30以下のエディションのものなら税金対策になるよ。」ということで繰り出したのでした。実はそれまでパリフォトには一度も足を運んだことがなかった私たち。アートフェアには結構行っていますが、いままで「へー、こんなアーティストいるんやー。このギャラリーのラインナップいーなー。」なんていうようなことしか考えていませんでした。でも今回は「これがいくらであれがいくらで、アーティストは○○才で、ギャラリーはいまこれくらいの位置にいるけど、将来有望そうやし、、、」みたいなことを「好きやなー。えーなー。」というのにプラスして自分の思考にいれるように注意しました。そうするといろんなことが見えてくるもんで、どんなに好きな作品でも購入して自分の家に飾って毎日顔を会わせる家族の一員になるのか、と考えると、「あ、この作品とは一緒に生きてはいけない。」とか「この作品と一緒にいるときっと自分が負けてしまう。」とかいろんな想いが出てきました。大げさかもしれないけれど、いつもとはまた別の視点で作品と対峙して、たくさんの発見がありました。それは作品の中のことの発見でもあったし、自分自身の心の中のことの発見でもありました。
例えば、私が人生で展覧会を見て泣いたことが2度あるんですが、それがなんと写真のことはよくわからないのに、どちらも日本人写真家の展覧会でした。ロンドンでみたアラーキーの回顧展とパリでみた川内倫子のcui cui展。川内 倫子の作品は欲しいけれど、たとえどんなにお金があっても私は自分の手に入れられないでしょう。他に日本人で言うと、ホンマ タカシの作品も大好きでひきつけられますが、私には無理です。というよりも、きっと「今の私」には無理です(もちろん金銭的にまず無理なんですけど)。私にはこれらの作品を許容できる器がまだ備わっていません。好きな作品だからこそ無理です。
こういうことをパリフォトを見終わったあと、配偶者と深く話し合い、まだ私たちには芸術作品を購入して一緒に生きるという行為ができるほど、芸術愛好者じゃないかな、アートのことも自分たちのことももっといろんなこと知らないといけないね、という結果に落ち着いて、結局税金対策は他に方法を見つけることで決定しました。ざんねーーーん。まあでもこういう視点が自分たちの中で生まれたことにとりあえず乾杯です。
ま、誰でも本音はやっぱり好きだけで買うというわけではないでしょう。作品の価値が上がればいいなあと思って買うに決まってますもんね。


ジャコメッリの写真作品とかオークションで結構安くで(常に私の予想が高めなのかもしれませんが)取引されてたなーなんて思い出しました。そういえばジャコメッリ、パリフォトで展示されてなかった気がします。なんでかな。あと付けたしですが、植田正治の作品はすんばらしかったです。



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作品購入は見送りなので、今年のクリスマスはカタログで我慢。我慢と言っても写真という媒体はカタログも立派な作品発表の場であるから、これで十分かも。
 

このふたつは最近封印してます。泣いてしまうから。
 

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11/25 22:46 | アートフェア | CM:4 | TB:0
こんにちは。毎日ブログチェックさせていただいてます。
こないだ大舩さんとお会いしてkanaさんの話題で盛り上がりました笑
もちろん悪いことではないのでご安心を。
さて、今回のkanaさんが購入を前提にしてフェアに参加し作品を観覧したという話はとてもおもしろいな、と思って読ませていただきました。
確かに好きやけど「今の自分」にはまだまだってのはありますよね。
杉本博司の作品とかどうやって許容したらいいんでしょうか。(もちろん金銭的に叶わぬ夢ではありますが)
そして僕もロンドンで見た川内倫子のcui cuiに泣かされた口です。
川内さんの作品ってすごい力強いですよね。どこで見ても川内さんの作品ってわかる。本当にすごい写真家やと思います。
なんとか税金対策がんばってくださーい笑
MORIくん、こんにちは。
そうそう、読んだ読んだ。大舩さんに早速メールしとかなーと思ってたのよ。私の話題が出たのはうれしい限りやけど、盛り上がったってのがちょっと気になる。悪いことじゃないって言うけど、もしやほめ殺しってやつ?
作品って好きと買うって違うよね。ピノーさんとかやったら好きなものイコール買うものになるんやろうけど、彼は全ての所有作品と一緒に生きてるわけじゃないし、それこそ倉庫で眠らせといたらいいわけやからねー。まあ結婚とかって好きだけじゃできるもんじゃない、みたいな感じかね。おばちゃんみたいな意見やけど。
川内倫子の写真は、すぐに涙がでてくるけど、「うおー、がんばろー!」と前向きになれる作品でもあるから、たまに写真集で見る必要があるんやけど、やっぱり本物を展覧会で一斉に見るのには足下にも及ばへんな。でもそんな展覧会で彼女の作品を見るっていうようなパワーのいる行為をしょっちゅうはできないから、ちょうどいいのかもね。
パリフォト、惜しくも今年は行かれなかったので、このレポートを読めてヴァーチャル体験ができました。

「買う人(個人コレクター)」の視点でのコメントには発見がありました。なるほどー。
パリフォトで検索してやってきました。
なーんか世界広く使いたいな!ってなりました。
記事数が凄そうなのでもう少し覗かせて頂きますね、、
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