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Christian Bonnefoi/クリスチャン ボンヌフォワ 「L'apparition du visible」

水曜日に仕事が終わったあと、晩ご飯の用意ももうできているし、バドミントンまで2時間やることないなーということで、ポンピドゥーセンターで一時間ほど有意義な時間つぶしをすることにしました。
ポンピドゥーセンターのEspace 315でやってるダミアン オルテガの展覧会の作品について、友達と前日話したところだったので、それをとりあえず見ました。前もって話をしてなかったら良い展示やったのかねーと思いますが、もうすでに作品の写真を見ていて、話もしていたので、「ほーこれか。」というだけの感想。
で、あともうひとつ何か見れるなーと思い、選んだのはChristian Bonnefoi/クリスチャン ボンヌフォワの「L'apparition du visible」展。ポンピドゥーセンターの国立近代美術館の常設展の一部を利用したCabinet de graphiqueでの展覧会はいつも私の好きなものが多いので、期待大で行ったんですが、これが期待を上回るとても素晴らしい展覧会でした。


何がそんなに素晴らしかったかというと、「久しぶりに絵画の展覧会見たー!」と思ったからです。

近年、絵画よりも彫刻やインスタレーション、写真やビデオなどの絵画以外の表現媒体が重んじられる「絵画は終わった」的風潮が少し過ぎ去り、具象画のアーティストが結構出てきていますが、ボンヌフォワはもうどこまでも、絵画における主題をそこに描かれるイメージではなく、「タブロー」として追求してきた人。気持ちがいいくらい、流行とか無視して自分の突き進むべき絵画道をひたすら歩んできたアーティストです。

展覧会の説明から、彼の言葉を引用すると
「Peindre. Diviser. Organiser des rencontres (perpendiculairement, obliquement, transversalement, horizontalement) entre des textures, des directions, des materiaux, des gestes, des couleurs. Construire un lieu qui ne serait que peinture.」
「絵を描くこと。分割すること。構成と方向と素材とジェスチャアと色彩の出会いを生み出すこと(垂直に、斜めに、横に、水平に)。絵画でしかない場所を作り上げること。」
(訳が変でいつもすいません。)
展覧会で展示されている作品たちと、この言葉があまりにぴったり合っていて、言葉だけ達者で作品がついていっていなかったり、また逆に作品は素晴らしいのに言葉があまりにも足りなかったりするアーティストが多い中で、ここまできっちり自分のアートのことを簡潔に言えて、作品の前に立つと「まさにその通り!」と思えるアーティストさんってなかなかいないと思うんです。逆も然り。この言葉を作品を見たあとに読むと「まさにその通り!」って思える。本当の意味で頭が良くて研究としてきちんとアートをしているアーティストさん。(いつもえらそうですいません。)

DSCN1975.jpg DSCN1967.jpg

展覧会は彼の回顧展なので、1970年代の作品から2008年の作品まで、大きなシリーズごとに展示されており、彼のアートの変遷や発展が非常によくわかりやすくなっています。よくあるありえへんくらい長ったらしい、壁に書かれた説明文も皆無。本当の意味でインテリジェントな展示。こういうのってめちゃくちゃ難しいのにすごい。(ちなみにこのCabinet de graphiqueというスペースの展示では壁の説明がゼロ、もしくは非常に簡潔だけれど能率的な短い文章があるかです。でもいつも展示の仕方でいろんなことが勝手に学べたり理解できたり感動できたりなっています。そういう意味でもここでの展覧会が好きです。)最初の簡単な説明以外は各展示室に番号が振ってあって、その順番に見ていくと、古いシリーズから最新のものまで年代別に流れるように見ることができます。

DSCN1965.jpg

ボンヌフォワは主に絵画に用いられる木枠と、薄葉紙、薄地モスリンのカンバスを用いて「絵画」を作り上げます。「絵画」というと「絵を描く」という行為をすぐに思い浮かべますが、彼の「絵画」の創作にはコラージュという行為が大きな位置を占めます。絵画では描かれたイメージを見せるためにしか存在しない木枠を、これらの裏側が透けて見える素材を用いることで、絵画の立派なエレメントのひとつとして扱うなど、彼にとって絵画とはそのものを構成する素材と色、そしてその構成をつくりあげるジェスチャアの集大成なのです(でしかないのです)。まさに近代絵画史の延長線上にいる人。

私が面白かったのは、彼の作品を見ているときに、瞬間的にピカソのゲルニカが浮かんだり、クリムトが浮かんだり、フェルナン レジェーが浮かんだりしたこと。全然似ているわけでもないのに、なんででしょう?色や画面の構成かな。

DSCN1972.jpg

DSCN1969.jpg DSCN1970.jpg


私の働くギャラリーにも彼の作品がありましたが、展示の仕方がいまいちだったのか、この展覧会で感動したようなほどの印象を持っていませんでした。それもこれもこの展覧会の力ですねー。


いやー、本当にこんなに気持ちのいい展覧会を見たのは久しぶりでした。
どうもごちそうさまでした。

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この展覧会のカタログ


このカタログに目を通しているところ。

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12/06 01:52 | 展覧会 | CM:5 | TB:0
こんにちわ、今私はリヨンに住んでいます。私も絵画制作をしているのですが今回この作品を見て何か近いもの…? 私もこの素材を扱ってみたいと思いました。彼の使っているこの、薄葉紙、薄地モスリンのカンバスというのはどこで手に入るのでしょうか?
日本を発つ時に少なからずの和紙は持ってきていたのですがフランスのもので何か代用できないか考えています。アラブ辺りの生地なのですかね?
もし何か知っていたら入手の仕方など教えてください。
ulalakaさん、はじめまして。
薄葉紙、薄地モスリンのカンバスというのは、フランス語でpapier de soieとtoile tarlataneというもので、papier de soieは普通にプレゼント用のラッピングとかにも使いますし(お花屋さんとか行ったら花束が薄いちょっとざらっとした紙に包まれてたりする、あれです)、toile tarlataneは真っ白のキャンバスじゃなくて、うまく言えないけど、麻っぽい感じの荒めに編まれた生地のキャンバスのことです。どちらも普通に売ってるはずですよ。
初めまして。今までも読ませていただいていたのですが、ワタシのブログに少しだけTrisha Brownのことを書いたので、そこでリンクさせていただきました。とりあえずご挨拶だけはしておこうと思いまして、コメントさせていただきました。

いつも興味深く読んでます。ではー。
返信ありがとうございます。早速探してみます。今日も画材屋さんに行きましたが、フランスには木のパネルは売ってないのですかね?油絵の文化ですが私はカンバスではなくて紙をパネルに水張りして使いたいのですが、どの画材屋さんも木枠にカンバスです。それ以外は手作りをしなければ手に入らないのでしょうか?専門的なことですみませんが、何かいい方法またいい画材屋さんなどありませんか?
cowgirlさん、はじめまして。
わざわざリンクの連絡をしていただいて、どうもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


ulalakaさん、こんにちは。
私は画家でもないし画材屋さんでもないので、よくわかりませんが、木枠のかわりにパネルを使っている作品はよくありますから、フランスにも存在すると思いますよ。
画材屋さんで聞かれるのが一番手っ取り早いと思いますよ。
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