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Claudio Parmiggiani/クラウディオ パルミジャーニ @College des Bernardins
先週の土曜日に遅いブランチを食べに行ったあと、「おーし、今日は、クリスマスプレゼントの買い出しに街に出て来るフランス人を横目に、久しぶりにマレのギャラリー巡りでもするかー!」と勢い込み、ふと思い出したのが、Claudio Parmiggiani/クラウディオ パルミジャーニの展覧会が左岸でやってるんだったっけか、ということ。大々的には宣伝されていないけれど、アート雑誌や新聞で、何度か見かけることがあったので、手帳にアドレスをメモしていたのでした。さすが私!計画的!

クラウディオ パルミジャーニという1943年生まれのイタリア人アーティストの作品は、何年か前にジュネーヴのMAMCOで「わーすごい好きー!」と思って以来、その詩的な世界にはまりまくっています。彼はアルテ ポーヴェラのアーティストの一人に数え上げられる作家でもあるので、アルテ ポーヴェラ好きの私としては「好きだと思ったら、やっぱり!」と納得。

ポンピドゥーセンターの近くでお昼ご飯を食べたところだったので、展示のある場所まで、ノートルダム寺院の裏側を通って、プラプラ散歩がてら歩いていくことにしました。

ということは、、、たしかいまちょうど途中にあるNew Galerie de Franceでの「Ombres」展にもパルミジャーニの作品があるってどこかで見たなあ、と思い出し、オードブル代わりに立ち寄ってみたり。

毎日のように視界に入ってくるノートルダム寺院も、あんまりその背中を見ることはないし、フランス語がまったく聞こえてこないのにアコーディオンの演奏がパリ満開で、「うわーー!めっちゃパリやーん!」と一人でうきうきしながらシテ島を渡り、静かな左岸のCollege des Bernardinsまで。

DSCN2077.jpg
このCollege des Bernardinsは13世紀に建設されたシトー会の建物。ずっと宗教人たちにのみ開かれてきましたが、今年改装工事を終え、これからは一般人も参加できる文化施設として、現代アートの展覧会やコンサート、映画の上映、講演、シンポジウムなどが開催されていきます。ま、でも、もちろん、そういう催しのテーマは宗教的なもの、というか、チラシに書いてあることによると「人間の未来に関係する大きなテーマを深めていくため」のものらしいっす。良い展覧会を無料で見せてくれるなら、私はなんでもいいです。


さてさて、一歩この施設に足を踏みいれると、美しい天井と柱が並ぶ修道院!っていう建物であることは確かなんですが、あまりにも綺麗に改装されすぎていて、趣は思っていたほどありませんでした。
でもいいのだ、私はパルミジャーニの作品を見に来たんだから、、、。

とは言ってられません。
昔の建物+現代アートと聞けば、みなさん、もうお分かりでしょう。最近流行過ぎてて、もうええねん、ベタやねん。と心でつぶやかずにいられない、サイトスペシフィック的インスターレション。

そういうベタ過ぎるっていう意味で、「わーーーお!」と無垢に驚くことはもうありませんが、やっぱりパルミジャーニの作品は良かった。全部で三点のインスタレーションが展示されています。

「Une Mer de Verre Brise」日本語に訳すと、「割れたガラスの海」。
DSCN2078.jpg

その右側の壁には「L'Empreinte d'Une Immense Biblitheque」「巨大な本棚の跡」。
DSCN2079.jpg

そして上の二つのインスタレーションとは反対側に位置する聖具室を利用した作品、「Une Centaine de Cloches d'Eglises」「教会の100の鐘」。
DSCN2081.jpg DSCN2082.jpg


いつもなら、一つの作品の写真を載せて、これはあーだこーだ、好きだ嫌いだ、と書く私ですが、今回はまず3つの作品すべてをみてもらったほうが楽しいかなーと思い、こういうふうにしました。
まず、今回の展示を見て、私が感嘆したのは、空間の使い方の妙。
建物っていう空間が、というか空間というものが、それが古かろうが新しかろうが、縦と横と奥行きという3辺でできているキューブだと考えた場合、パルミジャーニはこの3つの作品で、その3辺をすべて網羅しています。ここでは空間はそこにある間じゃなくて、面というか線というのか、の集合したものとして存在しています。

ひとつめのガラスの作品は、私が写真を撮っている、この場所からしか見ることができません。横に通路があるけれど、そこには入れないようになってます。インスタレーションというと、観客自身が作品のなかに入り込んでしまえるようなものが多いですが、これはいろんな角度から周りをぐるぐると見ることができる彫刻でもなくて、まさにその正面性を余儀なくされる絵画のようです。だからこそ絵画の持つ奥行きが生まれ、この13世紀の建物と透明の水色のガラスが重なり合って、非常に美しい遠近画を生み出します。

そしてその横には前に立つことができない、煤で描かれた本棚。水色のガラスのインスタレーションと同様に、この本棚の跡もロープで仕切りがしてあって、作品を横から眺めることしかできません。しかしそのなんだか勿体ぶったこちらとしてはむずがゆいような措置によって、実際には終わりがあるこの本棚の跡が永遠にまっすぐ横に並んでいるような気分になります。

聖具室の地べたに置かれ、その機能を奪われた100以上の鐘。このインスタレーションは、聖具室の高く高く吸い込まれてしまいそうな天井があってからこそ、重みのある作品に成り立っています。これらの鐘よりも、もっと見るべき、感じるべきは、聖具室の天井と鐘の間に拡がる光なのです。


どの作品も、ご覧の通り、静まり返ってしまっています。がやがやとビジターの声が反響するこの建物のなかで、これらの作品と対峙すると、「静けさ」というものが騒音のように重なって重なって、私の耳を貫きました。割られたガラス、煤で描かれた跡だけになってしまった本棚、そしてもう鳴ることのない地べたの鐘。どれも廃墟を思わせると同時に、フランス語の「Briller par son absence/不在によって輝く」という表現が私の頭をよぎりました。この表現は意訳すると「いないから逆に目立つ」というように、一般的には皮肉として使われますが、私はこの表現を初めて聞いたときからすごく美しいと思ったし、好きなんです。
今回のパルミジャーニの展覧会には、この言葉が似合うと思いました。私の頭の中で逐語的に訳されたこの表現が。

ここからビデオや写真が見れます。

2008年11月22日から2009年1月31日まで開催されています。
無料なので、機会がある方は是非どうぞー!


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ま、それにしてもいっつも「フランス人現代アーティストが世界で活躍してない!どういうことやー!」と大騒ぎしてるのに、アメリカ人のクーンズとかベルギー人のヤン ファーブルとか、今回もイタリア人のパルミジャーニやし、大切な展覧会でフランス人アーティストを招待しないのは、自分たちやんねえ。


パルミジャーニのカタログ。右のほうがおすすめかな。ジャン クレールさん編集です。
パルミジャーニがここで展覧会するのには反対してなさそうですね。
 

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12/23 02:49 | ライブとかコンサートとか | CM:0 | TB:0
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