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Carlos Garaicoa 「La Mala Semilla」 @ Chateau de Blandy les Tours
初夏を迎える6月後半から、パリ近郊のアートセンターや歴史的建造物を利用した現代アート展は一斉にヴェルニサージュを迎える。パリに住むアートラバーをひきよせるために、ヴェルニサージュの日にはパリ市内からのシャトルバスが無料で手配され、青空の下リラックスしたピクニックやカクテルパーティーが催される。現代アートが好きで、パリから少し出たいと思うような週末には、もってこいの企画。

そんなヴェルニサージュのひとつに先週の日曜日の午後に行ってきた。
場所はChateau de Blandy les Toursという中世の城塞。ルイ14世が訪問したときにその美しさに嫉妬してヴェルサイユ城を造らせた、ヴォールヴィコント城のすぐ近く。

数年前に、地方自治会によって買い取られ改修が行われたこのお城。去年の2008年から、イタリア、中国、フランスにギャラリーを持つ、Galleria Continuaとのコラボレーションで現代アーティストの個展を行っている。

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この城塞と隣接するロマネスク教会を中心に拡がる小さな村。村として裕福なんだろう、どの家も昔ながらの石造りが保存されていて、きちんと手入れもされている。
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いきなりまとめてしまうと、個人的には展覧会にはかなりがっかりした。階段を登ったり降りたり渡り廊下を通ったり、迷路のような城塞の建築と、このかわいらしい村落と、偶然その場で再会した友達と、天気のよい6月の日曜日の午後。アートなんかどーでもいーーーーーーーーー。



でもここはアートブログ。いくつかだけ、ちゃんと紹介します。

Carlos Garaicoaは1967年生まれのキューバ人アーティスト。私は知らないアーティストだったけれど、国際的に活躍しているよう。参加した国際展には、ドクメンタ 11、サンパウロビエンナーレ、横浜トリエンナーレ、ヴェネチアビエンナーレなどなど。世界中の美術館でも展覧会を行っている。どちらにしても、ギャラリア コンティニュアのお抱えアーティストってことは、有名なアーティストってことです。


まずは天守閣。ここには本を使った作品が多い。どれもフランスを意識したもの。

「MAI 68」とフランスで言えば1968年の学生運動のこと。その本で要塞の壁がつくられている。
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現在のパリの街並の土台を19世紀につくった、オスマンに関する本が重ねられていて、プレキシガラスの一辺に貼付けられた鏡に「Monsieur Haussmann, La perfection n'existe pas / ムッシュー オスマン、完璧は存在しませんよ。」という文字が映っている。パリの交通事情を改良すると同時に、暴動を防ぐための監視がしやすいように設計されたプランを皮肉っている。
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カールマルクスがルイヴィトンの中に!これはちょっと面白かったけど、なんか美大を出たところの数ヶ月まで学生でしたって感じのアーティストの作品みたい。
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天守閣(こう書くとなんか日本のお城みたいですね)の塔のてっぺんには階段に沿うようにして、鉄柱が設置されていて、その中に建物や風景の写真が貼付けられている。そしてその前をおもちゃの蒸気船や燈台が行ったり来たり。
3枚目の写真のように、塔を支える梁のほうがずっとかっこいいし、いけてる。
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手が痛そうな目にあっている小作品もいくつか展示されていた。
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小さいステンドガラス。
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監視塔の空間すべてを利用して展示されていたインスタレーション。楽器が天井から吊るされている。下から見ているよりも、横にある螺旋階段を上がって行くとともに変化する視点によって、作品の見え方もかわって、それが面白かった。作品自体が面白かったわけではない。
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一番上まで登ったら、目の前には楽器をつり下げるコードが何本も見えているだけになる。石の壁と太陽の光に合わさって、それがなんだかとてもきれいだった。
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貯蔵室のインスタレーション。ヨーロッパの様々な街の風景を写した写真の前に、ユーロとポンドの硬貨が積み重ねてある。ありがちすぎてすごくしょうもない。
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城壁に金槌。
DSCN3042.jpg 
水槽に注射器。
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アーティストが構想する理想の街がこれらしいです。
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これは何かよくわからないが、とても好きな作品だった。でもこれが例えばアートフェアやギャラリーde展示されていたとしても、同じように感じると思う。別にこのお城で展示する意味はない。
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最後に紹介するこの作品は、私が一番良いと思ったもの。
暗く細長い空間に8つの台が厳かに並べられている。その中には銀でつくられた、世界中の公的建物のミニチュア模型がちょこんと展示されている。これらの8つの建物は、以前拷問に使われた場所であったり、秘密警察の基地であったり、スパイ本部であったりしたところ。
展示も美しかったし、作品も良かった。
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というわけで、私としては、「何故ここでこの展示をする?」と思ってしまうような展覧会でした。
でも場所は素敵だし、フランスの美しい田舎だし、例えばヴォールヴィコント城に車で行く、なんてことがあったら、すぐ近くのこのお城に立ち寄ったりすれば、より一層一日を楽しめると思います。日本語での案内はこちらから。

来年は誰の個展なんだろー?今から楽しみです。



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07/03 20:28 | 展覧会 | CM:6 | TB:0
こんな所あるんですね。行ってみたいなー
yashiroさん、はじめまして。どうぞ行ってください。でも他にもいっぱいありますよ、こういうところ。ここはちょっと修復されすぎの感もありました。
キューバという50年一党独裁の社会主義の国のアーティストだということを考えれば、見え方が違ってくるかと思いますが。
HITOSHI HIGUCHIさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
何の見え方でしょうか?なぜこれらの作品をここで展示するのか、という私の疑問に関してですか?キューバ人アーティストであることと、この建物で意味するということのの関わりの見え方ということですか??
まあ、単に思い入れの問題なんでしょうが、私、つい先日まで9年間キューバに住んでたものですから。ガライコアに見られる、若干気恥ずかしいような政治臭さやプロテスト臭さは、キューバ人にとっては未だリアルな現実でして・・・。検閲有り、インターネットのアクセスは極端に制限され、個人ではアカウントをとるのはほとんど不可能。そして、前世紀前半から半ば、革命前に作られた美しい町並みはどんどん朽ち果てていく(一部観光スポットは修復されているが)。
なんてことを書いているとファナティックなキューバ・ファンにしかられますが、そんな国外からのロマンティックに真っ赤かな”キューバなら何でも大好き!”ファナティズムも一般のキューバ人にとっては困り物なのです。ああ、どんどん主題から離れる・・・
HITOSHI HIGUCHIさん、こんにちは。
すいません。この展覧会に関しておっしゃりたいことがよく理解できませんでした。
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