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Ugo Rondinone 「How does it feel?」@ 104
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パリ19区に昨年完成した「アートセンター」である104が嫌いだ。「アートセンター」と鍵括弧をつけたのは、104がそう自称しているだけで、私は認めていないからだ。だからよっぽどのことがないと104には近づかないようにしている。などと言っても、舞台公演を見に行ったり、知り合いの展示を見に行ったりで、数回足を運んだことがある。そんなきちんとした目的がない場合はここに行くのはおすすめしない。なぜなら元葬儀場を大金をつぎこんで改修して大々的に宣伝費を投入し、「「アート」を大衆のものにする」という偽善ぶったスローガンを掲げているだけど、中身は何もないただの商業施設だから。「パリ市が運営するちょっとおしゃれな貸し会場」これが104の本当の姿。中身がないと書くのは、そのコンセプトの中身がすっからかんであることと、広大な会場自体も中に入ればすっからかんであるから。今日のプログラムを知ってから行かないと、104に行ってしまえば大層な備え付けの案内版がそこらじゅうに掲げてあるだけで、白紙のまま。私が104のことを話しだすと一人で白熱して「また始まった。カナの104嫌い。」とみんなに苦笑されるので、このへんでやめておく。とにかく住民を馬鹿にしている施設。

今回104に行ったのは、Ugo Rondinone(1964年スイス生まれ)の作品展示(2009年9月17日から11月15日まで)のヴェルニサージュがあったからだ。
数日前にヴェルニサージュによく一緒に行く友達にお願いのメールを書いた。
「ウゴ ロンディノーネのヴェルニサージュが104である。多分ヴェルニサージュのときに誰かと無理矢理行かないと、104嫌いも手伝って、私はこの展示を見逃すと思う。それはそれできっと「見に行かないと」から「見に行かなかった」へと移行しながらも罪の意識をずっと持ってしまうと思う。だから一緒に行ってください。」

ちなみにその友達も「私もこれ無理矢理行かないとほったらかしてしまうだろうから、行こう。」と言ってくれた。」彼女は私ほど104批判を表立ってしないけれど、私よりもっと104に行った回数が少ない。家から歩いて行けるところに住んでいるのに。

彼女と待ち合わせをして104にたどり着く。「今日の催し」と書かれた表玄関の案内板は、やはり何も書かれていない。フランス政府からの受注作品であり、世界的に有名なアーティストであるウゴ ロンディノーネのヴェルニサージュであり、今年で38回目を迎えるFestival d'Automneというパリの代表的な秋のアートフェスティバルの目玉イベントであるにもかかわらず、白紙。苦笑とため息を交えて「また白紙、、、」とつぶやく私たち。とりあえず奥に進んで行くと知り合いが何人かいた。その横には巨大なグレイの箱。
DSCN3411.jpg
「あ、これ?」「うん、これ。」「こんだけ?」「うん、こんだけ。」という会話をみんなとしながら、グレイのレンガのような壁の四方をぐるりと回った。そうしていると、壁の一辺が開き、人が入って行くのが見えたので、一緒に入ってみる。

煌々とネオンが光るグレイの空洞に入ると、「How you feeling?」という声が聞こえてきた。
DSCN3410.jpg
誰でもあって誰でもない男女の会話。「How you feeling?」という質問にどう答えていいのかわからないとまどい、とまどいから生まれるいらだち、平静さを取り戻したと思たら自己嫌悪に陥ったり、そこから懺悔の言葉が出てきたり。二人の会話は四方八方から聞こえてくるので、それはまるでテレパシーで私たちの頭のなかに響いてくる。こんなふうに耳を澄ませて聞いてはいけないのかもしれない、と盗み聞きをしているような気分を増長させる私的な会話。
会話に「終わり」というものが存在するとしたとしても、結局最後までこの男女がどう感じているのかわからない。それが妙にリアルで、「いつも黒か白とは限らない。」という二人の言葉が響く全面灰色のこのインスタレーションから再び出てきたときに、たまたままだ手に持っていた招待状に大きくプリントされた「How does it feel?」を見つめた。作品に接する前から、ここに来る前から、聞かれてた。


この作品に関するインタビューの最後の最後に、ウゴ ロンディノーネが言った。
「アートは感じるものだから。考えるものじゃない。」


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09/24 01:49 | 展覧会 | CM:3 | TB:0
以前にmixiでメッセージをさせて頂いたkinueです。
その節はありがとうございます。
パリに住む事になり、先日104に行って来た際に、期待に反してあれだけの規模の施設ががらんどうだった事にショックを受けました。ので、もう行くまいと思っていたのですが、kanaさんの日記を読んでいて機会があればこの展示を見に行ってみようかなと思いました。
これからもblog楽しみにしています。
ロンディノーネの展示についてはパリに住む
知人から聞いていたので知ってたのですが、
有名なアーティストだったのですね。
(よく知らなかった)

104みたいなスペースは東京にもありますよ。
どこも行政のにおいがしますが。
kinueさん、お久しぶりです。返事がものすごく遅くなってしまいました。今はパリに住んでらっしゃるんですね。アートラバー同士でどこかですれ違っているかもしれませんね。
104にはやっぱり驚かれましたか。別にああいう場所があっていいんですけど、それが市立だということに腹が立つんですよ。偽善的な宣伝の打ち出しが本当に嫌いです。実際サイトを見てもたくさんのレジデンスが空いたまんまで、こんなにアトリエがなくて制作に打ち込めないアーティストがいっぱいいるのに!こんなによいもの見せて行こうって思ってる人たちがいっぱいいるのに!地団駄踏んで心に悪い場所ですよね。
これからもよろしくお願いします。


kinoさん、こんにちは。
そうですか、東京にもありますか。例えばどこですか?レンタル料は都にはいるんでしょうか、区にはいるんでしょうか?104は匂いどころか、きっちり「市立」であって「市民のための」としてるんですよ。それがある意味また痛いとこです。
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