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Soulages/スーラージュ @ ポンピドゥーセンター
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去年の間に二度も行こうとしてポンピドゥーセンターの前まで来てみたけれど、その二度ともストライキ中でセンターが閉まってて見れなかった、曰く付きの「スーラージュ」展。やっと行ってきました。バーゲンが始まった最初の週末は美術館に人が少ない!そのうえ横でやってる「La Subversion des images」展が最終日だったので、ラッキーなことにスーラージュのほうはガラガラでした。

ピエール スーラージュは1919年生まれのフランス人画家。現在存命中のアーティストでは世界で最も有名なフランス人アーティストと言えるのではないだろうか。それは「芸術作品」としてアート界またアートラバーたちにしっかり評価され愛されているという点と、また「商品」として最高値で売買が行われているいるという点においても、「存命中の最も重要なフランス人アーティスト」と言える。それはこの展覧会に展示されている作品のほとんどが、(それも美しいものほど!!)個人蔵であることからも伺えるかもしない。

「黒と光の画家」と呼ばれるスーラージュ。油絵やアクリルなどのキャンバス画を目にすることの多い彼の作品だが、この回顧展では初期のクルミ塗料を用いた紙の作品群から、ガラスにタールで描いた作品なども展示されていて、これらが第二次大戦直後の40年代後半から50年代にかけて制作されたものだということを考慮に入れると、その現代性に感動さえ覚える。回顧展とは言え、スーラージュの近年の作品に重きを置いたという今回の展覧会。70年代までのキャンバスを白く塗ってから黒やその他の茶褐色や群青色を塗り込める作品たちのあと、天井も壁も床も真っ黒な部屋に、三点の真っ黒の作品が浮き上がるように展示されている。この展示室に足を踏み入れた瞬間、いままでの作品たちはこの展覧会にとって、そしてまたスーラージュの60年に渡るキャリアにとっての序章でしかなかったことを、非常な緊張の元に感じる。アーティスト自身が「outrenoir/ウートゥルノワール(「黒を越えて」または「黒の向こう」)」と呼ぶ真っ黒の作品たちが躍動しながら私たちの目に迫る。スーラージュの作品を一度でも実際に目にしたことのある人ならばすぐにわかっていただけるだろうが、黒と言ってもその表情は様々だ。まるでたったいま制作されアトリエから出されてきたように、またはまるで汗をかいているかのように、光り輝く黒。深淵を思わせるような漆黒。キャンバスの縁に塗られた群青色に囲まれ反射する黒。それらはスーラージュ作品の特徴の一つでもあるPolyptique/ポリプティック(多数のキャンバスを組み合わせて一作品を構成する絵画とでも言えばいいでしょうか)のつなぎ目と、油絵の具を削り取る手法によって加えられたキャンバス上の凹凸と共に、絵画作品に彫刻のような三次元性を与える。

この展覧会で最も楽しんでいただきたいのは、展示の音楽性だ。音楽に疎い私がこんなことを言いだすわけだから、もしかしたら「全然違う!」という意見もあるかもしれないが、一歩足を踏み出すごとに、また体や顔の向きをほんの少し変えるごとに、その風景が音楽を聞いているかのようにどんどん変化し続ける。つい最近までパリ市立近代美術館で開催されていたAlbert Oehlenの「Realite abstraite」展でも同じような感覚が私を襲った。時間という軸の上に音楽が成り立つように、私が起こすムーブメントの軸によって風景がかわっていく。この体験というものは全ての展覧会で感じるべきものだと私は思うが、それを起こすのは非常に難しく、キュレーターとアーティストの力がここでわかるとも言える。日本で開催される人気展覧会で、満員電車のように柵に寄りかかって一歩ずつカニ歩きでガラス張りの作品を見て行くのは、本来の意味での「展覧会」ではない。それはまるで草原を散歩しているかのように体験するべきものだと私は思う。その感覚をこのスーラージュ展では大いに楽しむことができる。一点一点の作品のド真ん前に直立して、何時間も絵画と自分の間の空間、そして自分の頭の中の活動を楽しんでもいい。また一歩一歩変化し、一瞬ごとに現れてくる作品たちの林を楽しんでもいい。何度行ってもきっと別の楽しみがここにはあるだろう。




2009年10月14日から2010年3月8日まで。

こんな風に書いてますがね、私最後のほうほんまはちょっとあかんかったんですわ。なんでかって言うとね、スーラージュってほんまにほんまに偉大でしょ。上にも書いたように批評でも作品の値段でも、最高とされるアーティストでしょ。ほんでまた今年90歳やのにばりばりの現役で、腰もまがらんとえらいしゃんとしていっつも黒の服をきれいに着こなして白い髪を後ろになでつけて、するどい視線であいかわらずおじいちゃんやのにめちゃくちゃ男前。作品も展示もなにもかも完璧でね。最後のほう、ほんまのこと言うとかなりしんどくなりました。またオルセーでのアンソール展のこと言うのなんですけど、アンソールみたいな「俺やったるでー」的かわいげもないし、ひとつの迷いも曇りもないようなキャリアと展覧会と作品。もちろんいろいろあったとは思うんですけどね、60年も画家やってきはったわけやし。でもねえ、全て完璧すぎて、全てが傑作すぎて、なんか自分で「これはあんま好きちゃうわ。」と思ったらあかんような気になったりして、一息つけなくて、しんどかったです。多分これで亡くなってはったら多分大丈夫やけど、いままだ現役ってのがその神様、はたまた仙人のような雰囲気を醸し出していてねえ。誰も何も言えない。
おもいっきり打ちのめされました。良い意味で打ちのめされたんじゃなくて悪い意味でね。
なんかたまには失敗してるとこ見せたり、アホなこと言ったりしてほしい。ま、こういうのは作家自身が亡くなってからの研究やキュレーションによって出てくるもんですから、彼ほどの力のある、また完璧なアーティストの存命中には彼のそんな展覧会を見ることはないでしょう。彼がまずそれを許さないだろうしね。いつか亡くならはっても、そのあとは奥さんが仕切ったりするから、まだまだ先ですね。
というわけで、もう少ししたら二回目行ってきます。自分の心の余裕を持って、スーラージュ、上から目線で見たるで!ぐらいの勢いでリベンジしてこようと思います。


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01/12 02:04 | 展覧会 | CM:4 | TB:0
こんにちはkanaさん

大変面白いブログですね

僕も”スーラージュ”大好きな画家の一人です

kanaさんの素晴らしい解説で、セゾン美術館で鑑賞した作品を思い出しました... たしかに、そんな感じでした(共感)

本人、カッコ良すぎですね~ 最近の写真でしょうか(若い。。)?

ーーーーーーーーー
会期中にアート好きな友達がパリに仕事で行くので勧めてみますね 

また、お邪魔しますね 
akiakiさん、こんにちは。以前にもコメントを頂いていたと思いますが、、、。
akiakiさんが共感されたのが、スーラージュの素晴らしさなのか、その完璧度に反発に隠せない私の感想についてなのか、ちょっとわからないですが、まあすごい人ですね。この人は。
写真のスーラージュは現在の彼の姿だと思いますよ。ほんまに90歳とは思えないパワフルなおじいちゃんです。
これからもよろしくお願いします。
コメントありがとうございます 

書き込みは、初めてだと思いますよ

ヨーロッパは寒波が厳しいらしいですね

余り無理をなさらず、ご自愛ください

ブログの更新楽しみにしてます
akiakiさん、こんにちは。
ま、別にどうでもいいんですが、同じリンクと同じ名前のコメントをもらっていたのを覚えていましたので。
http://kanaparis.blog59.fc2.com/blog-entry-373.html#comment1029
パリは寒いですけど、私は間違っても無理をするようなタイプの勤勉な人間ではないので、大丈夫なんですよー。
これからもよろしくお願いします。
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