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Hussein Chalayan/フセイン チャラヤン 「Recits de Mode」展
アールデコ美術館で開催中のフセイン チャラヤン展に行ってきた。
ここ二年ほど、観るという行為と感覚が自分の中で飽和状態になっていて、現代美術の展覧会に足を運ばなくなってしまってますが、なぜかアールデコでの展覧会には毎回行ってる。映画とかオペラとか、現代美術から心が少し離れてる今でも、文化的生産物には触れていないとなんだか苦しくなる体質の私には、「もの申したり消費したりするほどじゃないけど観るの好き」というディスタンスのモードは心地が良い。

まず最初にはっきり言いますが、ルーブルに隣接するアールデコ美術館のモード館の展示室は本当に居心地の悪い場所です。天井は低いし、展示会場はブースに分かれているようになっている上に、すべてなぜかガラス張り。照明は意地悪されてんのか、嫌がらせか、または省エネ??と皮肉に思うくらい暗い。っていうか見えん!!
そして展示自体は非常にアカデミック。そう、この展示内容のアカデミックっぷりが、どんなに会場が感じ悪くても、私がここの展覧会に足を運ぶ理由。多分モード界に生きるプロの方達には物足りない展示だろうと思うけど、私にはこの教科書的展示が非常に勉強になるし、おもしろい。現代美術の世界では、こういうアカデミックな展示からどんどん離れようという傾向が強いなか、なんだかほっとするのです。鑑賞者にやさしい展覧会。

しかし今回のチャラヤン展、時系列的にチャラヤンの作品やコレクションを展示するのではないんだけど、だからといって特にテーマ別ということもなく、まあ大きくわけて、うーん、展示会場の一階部分が自然とか宗教とか文化風俗とか諸々で、二階部分がテクノロジー?うーん、ちょっと違うかなあ。
という感じではっきりいうと、ごちゃ混ぜ感満載。

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フセイン チャラヤンは1970年生まれのトルコ人ファッションデザイナー。アーティスト的活動もしていて、私は2005年に初めて行ったヴェネチアビエンナーレのトルコ館で見たビデオインスタレーションが素晴らしかったのをよく覚えています。

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今回の展覧会は前評判が非常に良かったので、かなり楽しみにしていたし、実際いろいろと勉強になっておもしろいっちゃあおもしろかったんだけれど、うーん、なんか展覧会を見に来たという感じではなくて、展覧会カタログをめくっている感じがあった。なぜか、というのは、いくつかあるんだけれど、第一にコレクションと作品がごっちゃになっていたところ。私としてはコレクションとアート作品をしっかりわけてほしかった。もちろんチャラヤンというデザイナーでありアーティストである人物のことを考えると、そこに垣根はないんだとかなんだとかいう言い分もわかる。いや、でもほんまに見にくいだけになってるから、というのが本音。

DSCN6147.jpg

じゃあ、ごっちゃになってる、プラスα、腑に落ちないことはなんだ、というのを考えた。ファッションショーとかコレクションとかを展示という形に落とす場合、やはりショーを撮影したビデオや写真なんかの抜粋と数体のマネキンになるのが基本だというのはわかる。でも、俗にアートと呼ばれる作品の場合は、その抜粋を見せることは「展示」とは呼ばないと思う。そこが私としては気に入らなかった。アート作品としてのビデオやインスタレーションまでも、ガラス越しでの展示。ビデオ作品もガラス越しでガラスに周りにある展示のライトやマネキンやらが反射して、作品自体を楽しめない。っていうか、ちゃんと見てね、っていう心が感じられない。コレクションもアートもどちらもまったくおなじように、まるで抜粋だけを見せるような展示。それが気に入らなかった。

DSCN6150.jpg

一つ絶対的に感じたことは、フセイン チャラヤンのファッションショーを観に行くという体験があるんだろうということ。
私はファッションショーを観に行ったことがないけれど、その楽しみな感じ、はなんとなく想像できる。特にチャラヤンのような、思考が身につけるものになるスペクタクルのようなショーは、きっと観に行く前のわくわく感ったらほんとすごいんだと思う。

DSCN6148.jpg

ファッションに素人の私の言うことなので聞き流してもらっていいんだけれど、チャラヤンのデビューから現在までを振り返るこの回顧展で、「結局チャラヤンの「カラー」ってなんなんやろ?」と思った。パッと見て、「はい、これチャラヤン。」って誰でもが言えるようなもの。ファッションデザイナーが持っているべきもの。
それをルーチンと言う人もいるかもしれないけど、現代美術の作家はそれを探し求める。自分の「サイン」。その「サイン」を維持しながら、新しいものを作る(まあ一回売れちゃったら同じことやってる人が大半だけど)。
なんかそれが見つけられなかった。コレクションのテーマも、良く言えば「多種多様で素晴らしい!」んだけど、悪く言えば「なんでも器用にできてしまう人なんやな。」という感じ。もちろんフォルムやカットは素晴らしい、そこには全く問題はないけれど、テクノロジー、ジェンダー、宗教、哲学、環境、紛争、そんなもの全部、なんかうまいことまとめてやったはる、という感が否めなかった。まあ、いつもの私の斜め目線のせいですけど。

DSCN6145.jpg

そんなわけで、展覧会としては微妙ですが、チャラヤンの作品の一部をさらっとおさらいするにはおすすめです。

去年に東京都現代美術館でもチャラヤン展が開催されたようで、ちょこっと感想なんかを読むと、それはどちらかというとアート的観点からの展覧会だったように思えます。だからそっちを見たかったかも、なんて。

それよりもなによりもファッションショーを見に行ってみたくなった。


アールデコ美術館のサイトから、チャラヤンの作品画像がいくつか見れます。ここ。

アートが好きだけどそれを価格に換算することに抵抗がない私は、下世話ですけど、これを見て「ほんでこの服いくらやろ。」と思ってしまいます。



今回の展覧会会場でも売ってるフセイン チャラヤンの本と、東京都現代美術館でのチャラヤン展カタログ。


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09/02 21:46 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
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