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Richard Siegal + R&Sie(n) 「Civic Mimic」
Richard SiegalとR&Sie(n)!ポンッと思わず膝を打つ組み合わせ。それよりも「なんで私今まで思いつかなかったんやろ~!?」って、悔しくなった。私が思いついたからと言って何かが変わったわけでもなんでもないけど。

Richard Siegalはフォーサイスカンパニーで踊ってたダンサー。いまは独立してコレグラファー/ダンサーとして活躍している。私が見た初めての作品は「Stranger/ Stranger Report」。もう5年ほど前に見たんだけど、今でもすごくよく覚えている。リチャード シーガル本人が、テレビ画面やケーブルなどが散らかる薄暗い舞台の上で、なんだかなめくじのような動きをして踊っている。その詳細が様々な角度で舐めるような近距離からビデオ撮影したものが、舞台上のテレビ画面に映っているというものだった。

R&Sie(n)は日本でも有名な建築事務所なのでご存知の方も多いはず。
うまく説明できるかわからないけど、R&Sie(n)は建築を状況や周囲のものによって相互作用する、動きのある有機体として捉えているので、例えばある空間の中に人間がいるとすると、人間が空間内で動くだけではなく、人間の動きによって空気や熱の流れが変化するように、空間自体もアメーバのように動く、と考えて研究を行っている事務所です。(私はそう理解しているけど、間違ってるかも、、、、)

そんな二組(R&Sie(n)のほうは建築事務所なので)がコラボレーションしたパフォーマンスを、2012年12月15日から17日まで19時からシャイヨー劇場で見ることができるというので行ってきた。そのうえ無料。この期間、ウィリアム フォーサイスの新作公演がシャイヨー劇場でやっていたので、それと合わせての企画ともいえるんだろうけど、多分フォーサイスのより見る価値あるんじゃないかしら、と私は思った。

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パフォーマンスはどこであるのかな~とうろちょろしていると、エッフェル塔の見えるレストランの横の広場ではなくて、その下のstudioのほうへとつながる階段のところに人が集まってきた。

パッと見て、「あ、素人さんや」ってわかるダンサーさん達。シャイヨー宮のサイトで見ると、今回のパフォーマンスのために250人の素人ダンサーが募集されたらしい。
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階段の踊り場にぴったりとはまる人数のダンサーたち。踊り場という空間に合わせて人数を決めてるのは当然わかってるんだけど、まるでダンサーの人数に合わせて踊り場の広さが決まったように見えるくらい。
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階段を一度登っただけで、ダンサー達は同じ姿勢のまま。これがずっと続くのかな?サイトの写真と違うな、って思ってたら、やっぱりこれはイントロだったようで、レストラン横の広間からギュイ~ン ウイ~ンってすごい電子音が聞こえてきたので、そちらに移動。

ここからはもうぐんぐんスピードに乗って、どんどん増えていく観客をぐいぐい魅了していった。
波状の二台の長くのびる台の上と床で、5名の女性ダンサーと1名の男性ダンサーが踊る踊る!
その台は途中から横のレストランエリアで食事をしている最中のお客さんたちのテーブルになっていた。
舞台と観客席と隔たりのない空間でのパフォーマンスなので、もちろん食事中のお客さんの横でも踊るし、テーブルの上でも踊る。テーブルになっていないダンス専用の台は、プラスチック?のような素材に見える固定されていないL路型の無数の脚と太めの針金のようなものにささえられていて、台の上でダンサーが踊ると、その脚部分がぐわんぐわんしなって、事故にならないか、なんだか怖くなったときもあった。台の白い部分は毛の長いじゅうたんを石膏でかためたような作りで、かなり固い。
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下段の右の写真なんかは、観客の目が別のところを向いているときに、リチャード シーガルが男性ダンサーに公演中耳打ちしているところ。こんなふうに、シーガル自身がそこらじゅうをうろちょろしながら、各ダンサーに支持を出したり、空間を見直したりしているのを目の当たりにできるのもすごく興味深かったし、ダンサーたちが私たち観客のものすごく近くで踊るから、即興性の高いこういったコンテンポラリーダンスの場合、どんな風にダンサーたちがアイコンタクトを取り合い、周囲のダンサーの動きと自分の動きと調和、反響させるのか、タイミングのとりかた等々、ダンサーの汗がかかって息が聞こえる場所にいるからわかるのがおもしろかった。
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そうこうしている間も、階段のとこ観に行ったらまだみんなそこにいた。あそこのシーンもこうやってまだ続いている。

フォーサイスの公演時間が近づいてくるにつれ、観客の数が増えてきた。
観客が増えて「踊る場所」の広さが減るにつれて、ダンサーたちはどんどん私たち側の領域に当たり前のようにして入ってくる。ダンサーが踊ろうとする場所に誰かがいれば、その人たちを体で押しのけて踊る。またはそのまま観客にはりついたまま踊る。
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そんな動きを見ていて、ああ、これは本当にRichard Siegal と R&Sie(n)のコラボなんだ、と実感した。
私たち観客はさっき階段の踊り場で、踊り場の空間を作っていた人たちと同じなんだ、と。
ダンサーの身体と動きが、私たちが無意識に作りあげている空間を切り裂き、穴をあける。
でもそれだけではなかった。ダンサーの腕がにゅうっと私の右耳の横から伸びてきたとき、ダンサーの動くスピードの速さで私の身体が仰け反るとき、彼らのハアハアという呼吸と熱い息を聞き、肌に感じるとき、ダンサーも私も他の観客も食事中の人たちも偶然そこを通りかかったフォーサイスを見に来た人たちも、すべてがここの熱と空気の流れを作っていて、すべての瞬間にこの空間というものは変化し続けていて、一瞬として同じ状態ではあることはない。私がすべてを見たいとどんなに動きまわっても、それは龍安寺の石庭のように不可能で、また得てしてそういうものでなければならないものなのだと思う。あそこに柱があるから見えないんじゃない、と。あの柱とその向こう側にちらちら見える身体の動き、そしてそれを取り巻く空気、すべてがこの空間であり、この作品の姿なんだと思う。

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ものすごくスピードがあって音響の大きい禅問答のようだった。

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20時を告げるエッフェル塔のライトの点滅と共に、照明が落とされ、踊り場にいたダンサーたちがただでさえ狭くなってきている広間に流れ込んできた。彼らの動きは本当に曲線的でオーガニックな流れを感じさせるもので、だんだん満員電車の中のようになってきて、周りがダンサーだらけになってみんな踊っているので、踊っていない自分のほうが変なのか?という感覚に襲われる。

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この公演がいつ終わったのかわからない。フォーサイスの公演の開始のベルが鳴り、踊り場にダンサー達が再び集まり始めたけれど、まだまだ踊っている人は広間にいる。結構待ったけど、照明が落とされることもなければ、幕が閉まることもなく、音楽が止むこともないまま、私は会場から出てきてしまった。「ブラヴォー!」と叫ぶのも、多大な拍手を贈るのも、スタンディングオベーションも、舞台という枠のなかでのこと。いつ始まったいつ終わったのかわからない、その部分もこの作品が最後の最後まで突き詰めて制作されているからだ、と満足だった。私の異様な胸の高まりを伝えるほど拍手ができたわけでもなく少しフラストレーションは感じながらも、この作品はこうであるべきだ、とも強く思った。それが本当に成功だと思う。

Richard Siegalのインタラクティブ作品If/Then installedが、現在ポンピドゥーセンターで開催中の展覧会「Danser sa vie」でも展示されているようなので、是非そちらも見に行きたいと思います。

しかしまあ、シャイヨー宮、空間は良いけれど、観客が悪いといつも思う。観客のコンテンポラリーダンスを観るレベル(?なんじゃそりゃ。でも言いたいことわかってもらえるかなあ。)が低い!まあだから、今年度はシャイヨー宮には足を踏み入れないわ!と思ってたんだけど、この夢のコラボの魅力に負けてしまった。
でも負けて良かった。いいもん観れたし。
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12/17 23:52 | コンテンポラリーダンス | CM:0 | TB:0
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