フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2006/05/16 (Tue) Nederlands Dans Theater



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Nederlands Dans Theaterをオペラ・ガルニエにて観てきました。
私の観たのは
「Silent Screen」
Paul LightfootとSol Leonによる振り付け。音楽はPhilip Glass。
そして
「Toss of a Dice」
振り付けはJiri Kylian。
です。

Nederlands Dans Theaterは3つのダンサーグループによって構成されています。NDT Iは成人ダンサーたち。NDT IIは17歳から22歳までの若手ダンサーたち。そしてNDT IIIはシニアダンサーたち。

1959年にオランダのデン・ハーグで設立され、1975年から1999年まで芸術監督を務めた振付家イリ・キリアンのもと、現在では世界的に有名なダンスカンパニーのひとつになりました。キリアンの他、ウィリアム・フォーサイス、マッツ・エック、オハッド・ナハリン、ハンス・ファン・マーネン、勅使河原三郎、金森穣など多くの振付家の作品をレパートリーとしています。

http://www.ndt.nl/

ではどうぞ!


まずは若手二人組み振り付け師LightfootとLeonの作品。

舞台上に3面の巨大スクリーンが設置され、スクリーン上の映像と実際のダンサーが重なり合って非常に視覚的効果大でした。

「前進」という言葉は「前へ進む」という意味ですが、私はこの作品を観て、その言葉が頭から離れませんでした。しかしこの「前進」は、第一に「進んでいる」という感覚であって、それが前へであろうと後ろへであろうと右へであろうと左へであろうと、また未来へであろうと過去へであろうと、はたまた現在においてであろうと、とにかく「進んでいる」のです。

鑑賞中ふと、「映像と空間と音楽とダンスと、そして人間。しかし私は「ダンス」を観に来ているんだ。じゃあこれを「ダンス」として鑑賞することに集中した場合、その価値はどうだろうか。」と思ったのです。しかしその問いは無意味なものだとすぐに自分の頭から消去しました。なぜなら、私は「作品」を観ているのであって、その「作品」は上記のすべてのものが重なり合って仕上げられた空間と時間であるからです。毎日をさまざまな感情を抱きながら生きている私が、いつもニュートラルな気持ちで芸術の前に立つことができないように、「作品」もさまざまな要素から成り立って私の前に立っているのだと思いました。そんな諸々の汚い感情や美しい感情を持ちながら、この舞台「作品」を鑑賞したとき、その「作品」が私にニュートラルで美しい感情を持たせてくれるということが、私のとっての舞台芸術、特に「ダンス」の価値であるように思います。

この、客席から舞台の奥へと、舞台上すべてを覆い尽くすくらいのスカートをひきづりながら前進していく姿は本当に美しかった。
images282.jpg




そして次に世界的に有名なキリアンの作品。
舞台にはSusumu Shinguという日本人アーティストの彫刻作品が吊り下げられ、それが回転しながら左右に移動します。
キリアンは以前にも日本人建築家を起用して、舞台を作ったこともあります。

あまり好きな言葉ではありませんが、「シャープ」な印象を受けました。照明も効果的に使用されていました。

全体的には私は、前述の作品の方が好きです。

ここからToss of a Diceのヴィデオを見ることができます。
http://www.artsalive.ca/en/dan/mediatheque/videos/videosDetails.asp?mediaID=486



Nederlands Dans Theaterを世界的で有数のダンスカンパニーにのし上げたキリアン。彼は、私の大大大好きなWilliam Forsytheとシュツットガルトバレエ団でともに踊っていた仲。その世界観には非常に近いものを感じます。今夜の作品を観て、ひとつ気になった彼らの相違点は、フォーサイスのダンス作品は、舞台という平面があり、その上に人間が存在し、ダンスが存在する。キリアンの場合は(キリアンに師事を受けたライトフットとレアンの場合も含めて)、舞台という長方体の空間があり、その中に人間が存在し、ダンスが存在する。そんな風に感じました。


空間が美しく、音楽が美しく、照明が美しく、女が美しく、男が美しく、人間の体は美しく、その動きは美しい。

そんな舞台でした。



先月今月と、Angelin Preljocajといい、Jan Lauwersといい、個人的に「う〜ん。びっみょー。っていうか好きじゃないな。」と思う舞台にばかりあたっていたので、幸せな夜でした。
今週木曜日にはSasha Waltzを観に行きます!ワクワク。



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Not Subject

このサイトすごいな(映像見れるやつ)
このカンパニーもぜひ見たくなったよー

私もフォーサイス大好き。一番好き。
ビデオが出てないので、こんなん探してみました。
http://www.youtube.com/results?search=William+Forsythe&search_type=search_videos&search=Search

2006/05/24 01:56 | ごめんえつこ [ 編集 ]


Not Subject

ごめんえつこちゃん、そうやろ!このサイトすごいよな。
私もいろんなの見入ってしまった。
The Vertiginous Thrill of Exactitudeってやつ、このあいだ本物見たよ。2006-2007年は、リヨンのオペラ座でフォーサイスの公演やるよ。チケット取ろうか悩んでるねん。他2人のコレグラフとの公演。キリアンも入ってたと思う。
一緒に行っとく??

2006/05/26 04:35 | kana [ 編集 ]


Not Subject

そうそう、プログラム見たよ。日曜とか月曜なら行けるんだけどねー。いっそ店閉めるか!チケット買っちゃえば行くしかない。
あとリヨンのダンス・ビエンナーレはどう?

2006/05/26 08:56 | ごめんえつこ [ 編集 ]


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Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに住んでます。

こんなものも書き始めました。
「パリ現代アートギャラリー攻略ブログ」
http://kana-sunayama.iza.ne.jp/blog/
こっちでも書いてます。
SHIFT
http://www.shift.jp.org/

パリ、フランス、はたまたヨーロッパ圏内での展覧会やアート系のスポットに関する取材、インタビュー、執筆など承ります。依頼や問い合わせなどは、お気軽に一番下のメールフォームからお送りください。

フランス人の友人と共に、キュレーター団体をNPO法人としてパリで立ち上げました。
そんなわけでとにかく少しでも多くのアーティストさんたちとの交流を求めています。
「こんな面白いアーティストを知っているよ。」という人は立候補でも推薦でも、気軽にコンタクトください。
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