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Felicita 2015-2016ボザール卒業生審査員賞展

毎年10月も半ばを過ぎると開催されるのが、世間でボザールと呼ばれるパリ国立美術学校のいわゆる卒展。といっても、そこは選ばれし者だけが展示できるという、前年度卒業生の中でも卒業制作で審査員からの評価が高かった生徒たちの作品展です。審査員賞と訳してしまうと変なんですが、フランスで卒業試験や論文などで評価の高かったものには、félicitations du jury(審査員からの賛辞)というものが付きます。今年はFelicitaと題され、パリ郊外の現代美術館MAC/VALのディレクターAlexia Fabre、アーティストのJean-Luc BlancJean-Charles MasseraMorgane Tschiember(この人の作品大好き)の4名の協同キュレーションによるもの。同じ学校行ってた生徒による毎年やってる卒展といっても、もちろん各年度の色やレベル、個性でも違うし、そしてなにより、審査員やキュレーターによっても雰囲気が結構違うので、この展覧会は全然見飽きない。

ボザールの、セーヌ河を挟んでルーブルと反対側にある入り口から入る会場でやってます。

ほらほら早速。はいってすぐに、まっすぐ会場に進もうとする私たちをさえぎるかたちで床に展示されているのが、Bianca Argimon の作品。大きめの玄関マットのようなサイズのじゅうたんには、迷路が描かれているんですが、その色がEUの旗と同じだとすぐに気付きます。EU、出口のないように見える迷路、そしてタイトルを見ればWelcome、展示の仕方もタイトルに反して、迎え入れる感じではなく直進したい観客を拒絶するよう。すごく真面目で完璧でわかりやすいけど、ちょっと硬すぎるかなあ、もう少し遊びがあるが好きやなあと思いましたが、キュレーション側には使いやすい作品ですね。ちなみに彼女の作品は二階の会場にも展示してありました。どちらもEUについて問題提起する作品でした。

入り口左手は二階建て。一階部分は「あーこれ見た事あるな。」と思ったら、若手アーティストの登竜門とも言える、salon de montrougeに今年展示してたアーティストでした。Johanna Beainous&Elsa Parra。個人的には好きってわけでもないけど、よく覚えてるから記憶に残る、というか集中を促す作品なのかな。これから私の中でその記憶がどう発展していくか楽しみです。

会場内でまず私の目を引いたのが、こちら。こういうのべたやけど好き。既見感すごいけど、そのおかげか安心感もすごい。なんかそういうの含めて、そこに若さを感じてしまうのは私がおばちゃんになった証やと思います。またこういう作品かー、デジャヴやなー、こんなん○○がやってるやん、若い人がやることちゃうやろ、と以前は捨て置いた作品も、若いからこそこれやるよねー、そういう過程って必要よねー、という感じで受け入れる、どころか、そういう過程が好き!と近年なってしまう私。年取ったわー。まるなったわー。
しかーし!誰の作品かわからない!メモってないし、展覧会の作品リストと図面見てもわからん。。。。年取ったわー。
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そして次。あー、これ好き。活躍しはりそうやなー、若手ギャラリーとかがすぐつきそうって思ったのは、Christelle Tea
気持ちの良い真面目さが伝わってくるような作品ですが、彼女のサイトを見ても、活動的にがんばってはるのがよくわかる。
私の写真はこんなにいっぱいどーんと作品があって見ごたえありましたってことさえ伝わればいいんですが、細かくひとつひとつみたいからは是非
こちらからどうぞ。ゆっくり楽しんでください。因みに展示されていたのは56点。
この展覧会の展示作品はポートレートのみ。それもアートやクリエイティブな世界に生きる人たちのポートレート。「あ、あの人や。あ、この人もいる。」なんて結構楽しめます。そうかと思えば彼女のおばあちゃんもいたり。例えば私の写真の一番右はフランス人画家のジャン=ミッシェル アルベロラさんです。ぶつっとした顔がもうそのまんま。
ポートレートだけでなく、いろんなモチーフを扱っているし、
フォトモンタージュなんかもやってはるんですね。フォトモンタージュの写真は多分本人さんかな。めっちゃかわいーやないかー。
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この作品も好きでした。Enzo MianesのLes hémisphères, l'attente, rétrospective de rétrospectives, 2010-2016
ありがちと言ってしまえばそれまでかもしれないけれど、がらくたのなかでも超がらくたが、まるでアンモナイトのように壁面や壁の穴に展示されています。その物体自体を一つ一つ見ていくのもおもしろいんやけど、別にひとつひとつ見なくても、その特にきれいでもない、いやどちらかというと汚く仕上がっている、自分の背よりも高い壁に囲まれた人1人しか通れない幅の、現代のアンモナイトがそこかしこに埋もれている階段や通路を通る、ってことがとても刺激的でした。刺激的といっても、静かなに沸々と沸いてくる刺激。こういうの好きやねんなあ。
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くらーいですが、こちらは一階部分の展示風景。
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階段をあがってすぐにあるのはLaure Barilléの作品Le ventre de [lamèr]。直訳すると、「お母さん・海(フランス語では同じ発音なので発音表記になってる)のお腹」。まあこれもちょっと恥ずかしいくらい若くてわかりやすい作品。一階の展示会場を見下ろすガラス窓も、なんか曇ってて作品です。これは一階からのほうが、アート作品だとよくわかった。Manuel VieillotのWe on an ultrapaint beam。なにが見えてくるのかちゃんとじっくり見なかったけど、こういう作品好き。
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これいいなーと思ったのが、左の写真の右側の作品。なんかかっこいいけど、なんやろ、ありがちな絵か?と思ったら、横に右の写真にあるポストカードが積んであって、ああ、このコンクリートの柱の写しか!とわかるわけです。そのシステムというか2段階の落とし方も好きやし、コンクリの壁の美しさを見せているも好き。私は鉄筋コンクリート打ちっぱなしの家で育ったので、コンクリートむき出しの壁がやたら落ち着くのかもしれませんが。Clemence Roudilのla Gaine。ちゃんと説明を読むと、水を含ませたスポンジに、街中のコンクリ表面についてるほこりとか汚れをとって、それを布地にはりつけていくようです。創作のためのジェスチャー、物質と身体の距離感、街の要素や喧騒の跡、なんかこの作品が持ってる全部が好みです。
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これは絵画作品。Guillaume Valenti。こういうちゃんとした絵画作品を描ける生徒を絶対に1人、毎年この展覧会に入れてきますね。いや個人的にこういうちゃんとした作品はすごい好きだし、今までにボザールの展覧会で見た、ちゃんとした絵画を描けるアーティストさんは今のところみなさんちゃんとギャラリーがついて、ちゃんとステップアップしてはります。こういうのを見ると安心するとも言うけど、最近の若者の中では、もういい加減飽和状態なんじゃあ?とも思います。
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窓際にみっつ並んだLoup Sarionの彫刻作品。最初はふーんと思ってたけど、このみっつをかなり広い距離に離して展示しているからか、他の作品を見て、体の角度や目線をかえるたびに、みっつのどれかが視界にはいってきて、じわじわ好きになってきてる自分に気付く、という作品でした。その上、見れば見るほど、写真の一番手前が、親指を下に向けるポーズ、真ん中が中指を立てるポーズ、一番向こうがあっかんべえをしてる顔にしか見えなくなってきて、もうたまらんかった。ほんまにこのみっつを狙ってるんかな。私の目がそう見えるだけ?ちがうよね?
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以下の三点は好きとかいいなあとか思ったものではなく、「最近の学生さんは大規模な作品しはるんやなあ」と思った作品たち。
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そして最後に、Valentin Mullerの33entretiens。33の対談というタイトルどおり、誰かがインタビューに答えるかのように話している声が聞こえていて、多分そのテープおこしをした文章がプロジェクターで展示室一面に流れています。でも実際ちゃんと聞き取れるほどのインタビューではなくて、やたらと「えー」とか「うー」とか「あー」とか、インタビューのときに誰もが言葉を探すときに発する声ばかり聞こえてきて、本当の内容はあんまりよくわからない。テープおこししているだろう文章も印刷で貼り付けてあるのではなくてプロジェクターの光が発している。その電源を入れているときだけの光が放つ一過性な文章と、内容がわからないけど誰かがずっと話し続けている音の組み合わせ、言葉の曖昧さとかがすごく良かった。

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というわけで、気になった作品をちょこっと紹介しました。
この展覧会は無料。11月22日までやってます。
機会がある人は是非行ってみてください。

Beaux-Arts de Paris
Palais des Beaux-Arts 13, Quai Malaquais
Du 18 octobre au 20 novembre 2016
Ouverture du mardi au dimanche de 13h à 19h  

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10/26 22:32 | 展覧会 | CM:0 | TB:0
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