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自己規制の在り方。


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2週間ほど前から書きたかったこと。フランスアート界だけではなく、今日のアート界、もっと広範的に今日の社会における「アート」という表現媒体に関しての話題です。

あるロンドンのギャラリストが「終わりの始まり!」と題して、ノーコメントで送ってきたチェーンメール(この日本語は合ってますか?Fwdで送られてくるメールのこと)にある記事が添付されていました。

それは私が以前に記事を書いたHans Bellmerの「Anatmie de desir」という展覧会に関するもの。(参照:http://kanaparis.blog59.fc2.com/blog-entry-19.html

その記事によると、、、


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ロンドンにある有名なアートセンターの一つであるWhitechapel Art Gallery(ホワイトチャペル・アート・ギャラリー)が、開催中のハンス・ベルメール展において、10点近くのドローイングを展示しないことを決定しました。
ホワイトチャペル・アート・ギャラリーのディレクターであるIwona Blazwickによると、シュールレアリズムの重要な立役者の1人でもあるこのハンス・ベルメールの「エロティックな作品は庶民的な地区(この場合の「庶民的」は、移民が多いという意味で理解してください。)に住むイスラム教徒たちに衝撃を与えるものである」という理由からです。
この展覧会は、去年にはパリ、そしてミュンヘンにて開催されたわけですが、この不意な決定に関係者は驚きが隠せません。
展覧会のキュレーターであるAgnes de la Beaumelleは、ロンドンでその展示会場の広さや構成にあわせてまず、作品の選択をしました。しかしこれは、世界中を巡回し、様々な会場で開催されるような大きな展覧会では避けられないものです。
しかし今回の措置は、キュレーターの仕事を無視したと言っても良いもの。ディレクターの権限一つで決定できる類のものではないのです。
その上たとえ展覧会でこれらの作品を展示しなかったとしても、公式のカタログにはそれらの作品は載っているのです。

最も不思議であるのは、この決定に関して、ディレクターに何らかの示唆をした者もいなければ、脅迫があったわけでもないということ。
既に作品提供を受諾した二人のコレクターは反応し、パリのギャラリストであり、この措置をオープニング・パーティーの時に発見したNathalie Seroussiは「どのようなコミュニティーであろうとも、美術館のディレクターやキュレーターの仕事に規制を与えることは許されるべきではないし、、このような措置はベルメールのような、多くの作品が明白にエロティックであるアーティストに対して恥ずべき行為である」と言及しています。またパリのギャラリー、Galerie 1900-2000のディレクターであるMarcel Fleissは、貸し出しを受理した5作品が今回の措置を受ける結果になり、怒りを隠せません。「もしもこれらの作品が再び展示されなければ、そのほかの貸し出し作品もすべて引き戻す」と言っています。



このようなアート界における(造形芸術だけでなく、舞台芸術においても)、イスラム教徒の反応を心配した自己規制の措置は、ここ何年間かヨーロッパ中で行われています。

しかしおかしいのは、これらの自己規制の前に各地のイスラム教徒たちからの脅迫があったわけでもなんでもないのです。
私たちが毎日見るテレビや、それこそ街角でも、もっとずっと宗教的に酷い映像や行為を日常的に目のあたりにしている今日の社会。そんななかで、ハンス・ベルメールの、宗教にはまーーーーーーーったく関係のない作品を、ただ「エロティックである」という理由で展覧会の趣旨や学術的見解までをも無視して決定された今回の自己規制に、本当に頭をかしげるばかりです。


この展覧会は本当に素晴らしいものだったので、本当に本当にこんな話が出て残念で仕方がありません。


このことに関して話したみんなも
「そんなんにいちいち腹立てて反応してたら、いまどきイスラム教徒とかやってられへんで。そこらじゅうにエロティックなものなんてあふれかえってるやん!」
とキレキレでした。

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10/14 05:39 | アート界関連ニュース | CM:6 | TB:0
お久しぶりです。ブログ頻繁に更新して下さっていただいているので楽しいかぎりです。さてホワイトチャペルでの展示、先月見てきましたが、確かに会場近辺はイスラム系の人が多いんですが、中では一人も見かけませんでしたねえ。それよりも同時に展示されていた Pierre Klossowski のデッサンといい、なんか いわば 非モテ系男 (高尚でない表現でごめんなさい) による 性への執念と執着がにじみこんだ作品がこれでもかと並んでいて、関心させられました。一部作品自粛っていうのは、なんかもっと深い理由があるのでは?
イスラムに対する配慮というよりも、完全な無理解による決定という気がしますけど。もし、本当にイスラムの側にそれらの作品を受け入れられない歴史的なコンテンツがあったとしても。それが何であるかを。そして、どのような判断によって、このような決定がなされたかを示さなければ、イスラムはこれらのアートを理解出来ない偏屈な宗教だという、よりイスラムに対する過剰な偏見を生むだけではないでしょうか。
御無沙汰しております。Manoです。1ヶ月ぶり?にお邪魔したら、Blog色々模様替えしてる…!?しかも沢山更新してらっしゃってて。久しぶりにKanaさんのBlogじっくりこれから読ませて頂きます!わー面白そうな記事だらけで、どこから読もう・・・(笑)

これからまたちょくちょく遊びに来ます。
失礼しました。
さんさん、こんにちは。
う~ん、どうなんでしょう。でも他のもっと深い理由があったとして、そのカモフラージュのためにこんな理由をでっち上げていたのだとしたら、このギャラリーのディレクターはほんまのアホですよね。
展覧会自体が、私がポンピドゥーセンターで見たときに感動した良さを失っていないことに期待します。

kinbaaさん、こんにちは。
そうです。そういうことをみんな言っているんですよ。でも去年、フランスの新聞Charlie Hebdoでマホメッドの風刺画が載って、それが中東諸国とフランスの間で大きな国際問題にまで発展したんです。そういうのも、いちいち「イスラム教徒が、、、」なんてビビる理由のひとつなんです。

Manoさん、おー!お久しぶりです~!
ゆっくりしていってくださいね~。
日本だと、中韓に対するある種の過剰反応に少しは近い側面があるのかもしれません。見識というべきか、勇気というべきか、ある種の偏見や軋轢に対してちゃんと向き合える覚悟や決意がないとキュレーションなんてできるかい!?ってことでしょうか?

自分の普段の仕事に敢えて結びつけるとすれば、プロフェッショナリズムがあるかどうかという見方も可能かもしれません。色々考えさせられたエントリーに感謝です!
タカヒトさん、こんにちは。
どもども。日本では中国や韓国に対してそこまでの反応があるんですか~。逆だと思ってました。中国や韓国での日本に対する過剰反応だと。
今回は「え?それってかなりこじつけてない?」って感じですけどね。
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