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2009年11月備忘録
11月の私にとっての大きな展覧会と言えば、リヨンビエンナーレ。これはシフトにも寄稿させていただきました。
オルセー美術館でのアンソール展とアールヌーボー リヴァイヴァル展はどちらも良かった!アンソールの性格も手に取るようにわかって人間味のある回顧展になっていたし、リヴァイヴァル展では「こんな見方したことなかった!」と」とても楽しめました。

映画で素晴らしかったのは、ミカエル ハネケの「白いリボン」。映像も怖いくらい美しいし、内容も怖く美しい。生々しく冷たく描かれる人間たちは皆、逃げ道のない場所でもがくこともせずにただ生き続ける。カンヌのパルムドール納得の作品。


私が大好きなアラン キャバリエの最新作「Irene」も素晴らしかった。私は「キャバリエの「Irene」が」と一日に何度も言ってたんやけど、フランス人やのにキャバリエを知らない人が多くて驚いた。目を覚ませ、フランス人よ。ハリウッド映画にお金を払っている場合ではない!!

Irène Bande Annonce du film
envoyé par LE-PETIT-BULLETIN. - Court métrage, documentaire et bande annonce.

そしてもちろん「This is it」も!同僚と仕事の後に見に行ったんやけど、それから何日も私たちは言葉を交わすたびに「With Love」とか「Heal the world」とか「For the peace of the world」とか語尾につけて、他の同僚たちにはうざいことだったと思います。ボスが怒鳴り散らしてる後ろで「With Love」とか口だけ動かして声を出さずに爆笑したり。あー楽しかった。



ダンスは一つしか見に行かなかった11月。ロシアバレエの立役者であるディアギレフに捧げるオマージュとして、サドラーズウェルが企画した4人のコレグラファーの短編集。
息をするのを忘れるくらい素晴らしいダンスを見せてくれたのは、マリファントの「Afterlight」を踊ったDaniel Proietto。普段はダンサーの名前をチェックしない私でも、すぐに頭に叩き込みました。youtubeではpart 1part 2に分けてみれるようです。当たり前だけど実際はもっとすごいよ。


こうして4ヶ月もあとですけど、振り返ってみると、そんなに数見に行ってないのに、素晴らしいものを見れた充実した11月でした。リストに興味のある方は、そちらもどうぞ。

03/02 23:31 | 備忘録 | CM:0 | TB:0
2009年10月備忘録
10月っていつや?5ヶ月遅れの備忘録。

10月は展覧会やギャラリーよりもダンスと映画によく行った。そんな気がしてたけど、リストを見るとそうでもないかな。まあいいや。

そのなかでもダンスでもちろん最高だったのは「ローザス ダンス ローザス」。これはプログラムが発表された去年の6月からずーーーーーーーっと楽しみにしていたし、もちろんもう一緒に踊れるんじゃないかっていうくらいビデオも見ました。このビデオをYoutubeで初めて見たときの衝撃。いま何十回何百回と見直しても受ける感動。それでもやっぱりすごかった。いつも新鮮。そして今回最前列のど真ん中の席で本物を見れた(そのうえアンナ テレザ ド ケースマイケル自身が踊ったし!)わけです。今年見たダンストップ10に、昔の作品を入れるのはあまり好きではないけれど、もうこれはしょうがない。入れるしかないでしょう。じゃないと不公平。それにしてもキャリアの最初にこういう伝説的な作品をつくってしまうと大変だろうねーと大興奮のなか、配偶者と話したのを思い出します。
だってアンナ テレザ ド ケースマイケルの作品はここか始まって、ここに行き着く気がするから。こんな風に書くとまるで彼女の作品が進歩していないと言ってるみたいだけれど。進歩しているかどうかは私にはわからない。でも彼女の全てが、というよりも、彼女の作品で私が大好きな要素は全て、この「ローザス ダンス ローザス」に入ってる。

ローザスつながりというわけではないけれど、同じ10月にバスティーユ劇場で見た池田扶美代が踊るティム エッチェルの舞台もすごく良かった。


10月は映画を3本見たんだけど、それが偶然にもすべてドキュメンタリー映画でした。ウチで見たDVDもドキュメンタリーが多かったし(ちなみにDVDで見る作品は備忘録には記載しません。) なんかそういう気分やったんかな。まあドキュメンター映画と言ってもほんまにピンキリで、その名前に値しないものもたくさんありますよね。

例えば、日本でも「パリ オペラ座のすべて」とかいうタイトルで上映されたらしい、「La Danse, le ballet de l'Opera de Paris」。これはほんまにひどかった。配偶者と一緒に見に行ったんやけど、無駄に長い映画が終わった瞬間、「なんやこれ!」と二人とも怒りで相手の意見も聞かないまま喋り続けていたのを思い出します。彼が同様にキレているというのは感じたので、多分私と同意見だったはず。まあ、ドキュメンタリー映画ではないですね、ただの宣伝映画です。なんの視点も提示されないので何も考えさせない、お金を払って見に来る観客を馬鹿にした映画。オペラ座で公演されるダンス作品が10分くらいだらだらーと流れたり。そんなんが見たかったら普通にDVDで全編見ますし!オペラ座の裏側が見えるわけでもない。ダンサーたちはただの人形のように振付け師によって踊らせられ、そこにあるはずの苦悩も苦労も努力も葛藤もなにも見せられてない。唯一ダンサーたちの退職後の年金システムについてオペラ座側が話すときも、なんの意見の交換もなくただ「オペラ座はそういうことちゃんとやってるっぽく見せとこか。」という目くらましでしかない。みんな優しくてみんなすごい。こんな映画を「ドキュメンタリー」と呼ぶべきではない。ただ表面を写した「キレイやなー」というだけの「イメージ映像」とするべき。そう、映画ではなく「イメージ映像」。だってここで見ることができるのは、ただのイメージでしかないから。


お次ぎはヴォーグアメリカの有名編集長アナ ウィンターに密着した「The September Issue」。
そうです、私もこういうチャラチャラしたものが結構好きなんです。見かけとは裏腹にかなりちゃんと作られている映画でした。上記の「オペラ座」と同じようにもちろんヴォーグの宣伝も兼ねていると言えるけれど、ヴォーグ内のドロドロしたところなんかも、全てではないけれど出ていて面白かった。ヴォーグとかそういうファッション界?的なところでで働いてる人たちってみんな美しくって洗練されてるのかと思いきや、全然違うんですね。みんな、私が心配になるほど汚い。肌も汚い、なんか髪も汚い、服だけ高そうやけどそれを着てる体が汚いから、なんかやたら汚い。これにはびっくりしたな。アナ ウィンターと同じ日にヴォーグに入社した編集者の愚痴とか文句とか意見とか闘いとかいろんな人間的なものと、アナ ウィンターの近寄りがたいけれど弱みを持ってるところとか、彼女はひどい人間のように言われるけれど、そんなところも認められるような映画。すごくあたたかい撮り方をしてる映画だと思う。面白くて楽しいです。で、ヴォーグの9月号を買ってみたくなる。

もうDVDが出てる。

お次は「la Vida Moca」。
エルサルバドルのギャングを追ったこのドキュメンタリー映画公開の数日後に、監督であるChristian Povedaが死体となって発見されたということで、一気に観客動員数が増えた映画(こう書くとすごくひどいな)。メンバーの平均寿命が30歳も満たない、若者がどんどん殺されていくマラ18というギャンググループの生活に密着したもの。とにかくみんな子供です。経験から何かを学んだり、考えたりする間もなくどんどん殺されていく。こんな風に書くとまるで彼らが被害者のようで、実際この映画では彼らが死体となる場面しか出てこなかったけれど、彼ら自身も同じだけ敵のギャングのメンバーを殺害してるということだろう。そんななかでもなんとか普通に働こうとするメンバーも多いが、すぐに警察の取り締まりが厳しいのでなかなか難しい。曖昧にしかわからなかったのは、警察の取り締まりはただの圧力をかけるためだけのものなのか、実際にこれらの若者が犯罪を犯しているのかが、はっきりしないところ。マラ18のメンバーにカメラが近すぎて、もちろん彼らもいろんな社会状況や貧困の被害者であるには違いないのだが、客観的な視点が欠けている。どちらにしてもこんなに密着できた監督Christian Povedaの働きは大きい。誰かが殺されると彼が一番に現場に辿り着いてるんじゃないかと思うほどだった。でも近ければ近いほど、すごく辛かっただろうと思う。



そして10月の心に残ったドキュメンタリー映画の最後を飾るのは「les lip」。数年前に映画館で公開されたときに行きたかったけれど逃してしまって、近所の図書館でDVDが借りれたのでやっと見た。3週間ほどの間に何度も何度も見た。彼らが成し遂げたことも本当にすごいし、それを無視してでもこれはドキュメンタリー映画として素晴らしい。
フランスでしか手に入らないかもしれないけれど、そのチャンスがある人は絶対見てほしい。私の今まで見たドキュメンタリー映画の中で三本の指には絶対入る。



というわけで、まるで備忘録じゃないな。リストもありますよ。
03/02 21:20 | 備忘録 | CM:0 | TB:0
2009年9月備忘録
気がつけばもう一ヶ月以上もブログを書いていませんでした。
「忙しいんでしょうね」「元気ですか」とメールをいただいたりしましたが、いやはやミクシーの牧場から抜け出せなかっただけです。牧場作りにうつつを抜かしておりました。
もう10月も終わりますが、とにかく9月の備忘録を。
いま見返すと、「え、あれってもう先月なんや。」と時間のたつのが早くて驚きます。いつもは「え、あれはもっと前のコトやと感じるのに先月なんや。」と時間のたつのが遅いのに。それもこれも牧場やりすぎなんでしょう。反省します。

興味のある方はリストのほうもどうぞ。
10/30 23:09 | 備忘録 | CM:2 | TB:0
2009年8月備忘録 + 堂島ビエンナーレについてちらり。
とうとう夏の休暇が終わってしまいました。またいつもどおりの彩りの変わらない一年が始まりました。

休暇中の一ヶ月は日本に帰っていました。ずーーっと京都にいたし、九州周遊したり高野山行ったりしたけれど、現代アートとはかけ離れた生活をしておりました。仏像を見て「これは不動明王!」とかちょっと言えるようになりました。ここに書けるようなものは何も見ていません。そんな生活が気持ちよかったけれど、日本滞在もあと2、3日という日に朝から大阪に行って、アート大阪というアートフェアと堂島ビエンナーレとやなぎみわの展覧会を見に行こうと予定していましたが、結局だらだらしてしまってもう何も見なくていいやー、このまま家でだらだら、、、と思いかけたんやけれど、急に「やっぱり堂島ビエンナーレだけでも見に行こ!」となり、その後の予定もあったので一時間もないくらいの駆け足の鑑賞でしたが、終わったあと「やっぱ気持ちいーなー、現代アート観るの。」と清々しい気持ちになりました。ま、その清々しさは「やばい、最近何も見てない。」という罪悪感の反対の感情とも言えるけれど。

でもほんまに堂島ビエンナーレはなかなか面白かった。
私は展覧会に行く時、最初にスポンサーチェックをしてしまう、いやらしい性格の持ち主ですが、このビエンナーレに協賛してる企業が多くて驚きました。まあでも数が多いからって全額が増えるわけでもないし、10万円くらいしか出してくれなくてもまあ、ちゃんと名前を記載しないといけないだろうから、そのへんはなんとも言えませんが。ちなみにこの堂島ビエンナーレは近年開催されたシンガポールビエンナーレを切り取ってそのまま持って来たものらしいです。で、そこで思ったのが、「そんな切り取り展覧会で、お金を出す企業は納得するんや、、、、」ということ。私の記憶に残っている堂島のスポンサーたちは、シンガポールのスポンサーとは違うし、なんかそんなんだけのためにお金出してるんやって気づいたら、なんか残念な気持ちにならないのかなあとふと思いました。私やったらいややけどなあ。それやったらもっと地元のアーティストとかいるやん!ってなると思う。
ま、そんなことはどうでもいいんですが、この展覧会が日本で開催されたのには意義がある程度あると思います。私は日本で開催される展覧会をよく見に行ける状況にはいないので、かなりの予想も入りますが、日本の展覧会って何かときれーなもんとかふんわりしたもんとか、なんかとにかくぼんやりしたもんが多い。作品の雰囲気に包まれてください的なものばっかりで、作品を見ることによってなんかめちゃくちゃ考えさせられたりすることがない。このビエンナーレについての日本のメディアの文章を読んでいるとすぐに「社会批判」とか「政治批判」とかいう言葉が出て来るけれど、全然違うと思う。これらの作品は批判してない。これらの作品は欧米ではないその周辺に生きているアーティストたちによって創作されたものだけれど、どの作品からも「東洋」と「西洋」でもいいし、「中心」と「周辺」でもいいし、そんなんはなんでもいいのやけれど、そういう二つの反対の視点を「見せてくれる」作品が多かった。それらを見て、私たちが各人の心や頭や身体の中でどう発展させていくか、世界中で何が起こっていようと朝から晩まで真面目な顔してのりピーのことしゃべってるだけの国で、どう思うかってことをほんの少しでも頭によぎらせてくれるタイプの展覧会。そういうの日本であまり見れない気がするのは私だけでしょうか。
気になることや書きたいことはいっぱいあるけれど、ちょっとつっこみたいところといえば、会場の照明がやりすぎやったというところ。あまりに素晴らしいスポットライトのあてかたで、全体は深海の底に沈んでいるような気分になる暗い照明。だから各作品がかなりドラマチックに見える、という効果がでていたように思います。特に写真作品とかは普通の壁で見るより3割増くらいになっていると思うので、そこ注意して引き算して見てました。
比較的会場は狭いですが、ひとつひとつの作品たちときっちり対峙できるセノグラフィーになっているので、かなりの充実感がある展覧会。これで入場料1000円は良心的だと思います。

っていまサイト見たらもう終わってるやん!!


あと京都のギャラリーめっちゃちょっとだけ行きました。どこも初体験だらけで面白かった。
一緒に行ってくれた森川君、ミシシッピーありがとう!
「とみおこやまギャラリー」をいつも「こみおとやまギャラリー」と言ってしまっているけれど、それがフランス人であろうと日本人であろうと誰にも気づかれずにいます。そういう風にちゃんと言えない言葉がいくつかあります。


なんもないけど、興味のある方はリストもどうぞ。
09/09 20:53 | 備忘録 | CM:2 | TB:0
2009年7月備忘録
これまた今更。大して何も見てません。
こうして見ると6月7月は映画館によく行った。映画館で見る映画しか備忘録には書いてませんが、6月7月は家でDVDも結構見たので、全部合わせるとかなりの数の映画を見たことになる。学生時代に比べたら全然見てないけど、映画を映画館で見る喜びってほんまに計り知れないし、それができることに感謝します。
ジャック タチの「僕の伯父さんの休暇」が映像も音響も修復されたのと、シネマテックでタチの回顧展が開催されてるのとで、パリの映画館ではタチの映画が上映されまくり。ということで、私の中にもタチブーム到来です。「僕の伯父さんの休暇」は笑いすぎて、涙がぼろぼろでた。終わったあと他のお客さんの顔を見たら、みんなも笑いすぎて泣いてた。あんなに笑ったのはひさしぶり。タチの映画はもちろん面白いってのもあるけど、現代でも通じる痛烈な社会批判が満載で、ほんまにほんまにすごい。

 


ではリストどうぞー。
08/28 20:22 | 備忘録 | CM:2 | TB:0
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