フランスアート界底辺日記//パリの某現代美術ギャラリーでハタラクune petite japonaise(ちっちゃい日本人の女の子)が、ピラミッドの底辺から垣間見るフランスアート界。
2008/06/03 (Tue) 2008年5月ニューヨーク備忘録

出張で行ったとか言うと、なんだかおしゃれでまるで私がもう下っ端じゃないかのようですが、実際のニューヨークでの仕事はというと、顔を出すべきヴェルニサージュがひとつと、ディナーがふたつ、というナメた企画でした。まあ、私が担当したカタログの出版記念とそのカタログのアーティストさんの個展をかぶせることになり、「カナ、よーがんばったし、行ってくるか?」みたいなカルいノリです。そんなんやから、私の英語でもなんとか、、、、まあならへんかったけど大失敗をするような機会もなかったわけです。あんなに英語をしゃべったのに、やっぱり「リトルイタリー」は「レロレロレー」にしかどうやっても聞こえない。

NY 096

生まれて初めての大都会!摩天楼!ニューヨーク!で、「どこ行くー?どこ行きたいー?」とか聞いたりしないといけない友達や配偶者などの同行者もいなかったので、朝から晩まで現代アートを見ておいしいアジア料理を食べるのに費やしました。
しっかしまーあの国はやっぱり不思議なとこでした。なんせ生まれて初めてのアメリカ大陸でして、「どんなんなんやろう?」とは思いながらも、元から「行ってみよう!」って思ったことがないほど私としては興味の無い国のひとつだったし、ついでにアメリカとあんまり仲良くできないフランスに住んでるもんですから、かなりの偏見を抱えて行きました。でもアメリカは、っていうかまあたった5日間ニューヨークで観光したってだけの話でこんなことを言うのもなんですが、ほんまに裏切らなかった!私の偏見のまんまの国でしたわ。
私は日本が大好きですが、どこかものすごく病的な部分を持っていて怖くなるときがあります。そんな感覚をたった5日なのにニューヨークでも感じました。
具体的に書こうかと思ったけれど、このブログはそういう主旨のものではないのでやめておきます。

NY 041 NY 042 「これがアメリカです!」な作品たち。

アートに関して言えば、美術館のお金のかかり具合には感動しました。ギャラリーでは、「すっごいお金あるんやなー。」と思ったけれど、展示されている作品たちの質は、もっとすごいと思っていたので、「ふーん、こんなもんか。」という感じ。でも量が全然違うから、そりゃいいものに出会う確率は高いですわな。ま、当たり前やけど、インスタレーションがどーの、絵をやってるのは古い、と言ったって、結局アート界は絵を売って成り立ってるんよね。ニューヨークやからはちゃめちゃなインスタレーションをばんばん売っているのか思っていたけれど、普通にみんな絵を売っていて、妙に「そりゃそうやな。」となっていました。


ではリストのほう、興味のある方はどうぞー!

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2008/06/03 (Tue) 2008年5月備忘録

ニューヨーク以外の5月備忘録。
数打ちゃあたる式に見に行ったわけではないですが、まあまあそれなりにいろんな発見ができて、展覧会運がついてた月と言えるかもしれません。

the freak show

去年だったかにリヨンで開催されたThe Freak Showがパリの造幣局に来てるということで最終日に必死になって行ってきたんですが、リヨンでの展覧会はとても話題になったけれど、ここではその何十分の一にも規模が縮小されちゃって、全くの空振りで終わりました。「やられたー!」って感じ。そりゃ誰もパリでやってるって知らないわけだ。同じタイトルをつけるのはどう考えても詐欺です。こちらの写真と映像はDelphine Reistの長靴の作品。



リストのほう、興味のある方はどうぞ。

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2008/06/03 (Tue) Gil Heitor Cortesao 「The Remote Viewer」

もう先月の話になりますが、パリの13区にある現代アートギャラリー街であるルイーズ ヴェイス通り近辺の、ヴェルニサージュ巡りに出かけてきました。いわゆる私たちが「ルイーズ ヴェイスに行く。」と言えばこのへんのギャラリー巡りをするってことなんですが、これらのギャラリーはLouiseという名前のアソシエーションを作っていて、2ヶ月に一度くらいの割合で同名のフリーペーパーを発行したり、いつも同じ日にヴェルニサージュを開催したりしています。まあ、便利っちゃあ便利です。私は、この地区のギャラリーのプログラムが個人的にあまり好きでないのと、ここのギャラリー巡りをするといつも「現代アートがわからん。」と打ちのめされ、感動どころか髪の毛一本分も心を動かされることがないことが多いので、知らず知らずのうちに避けてしまっています。

そんなわけでいつも通りの微妙な滑り出しで始まったヴェルニサージュ巡りでしたが、結局終わってみるとふたつも「好きやワー!」と思える展覧会に出会うことができました。そんななかのひとつがGallerie Suzanne Trasieve/スザンヌ タラズィエヴ ギャラリーで2008年5月24日から7月26日まで開催されているGil Heitor Cortesaoの個展。

parisart-15-ST-Cortesao-01G-71087.jpg


Gil Heitor Cortesaoは1967年生まれのポルガル人アーティスト。日本語でなら、ジル エイトル コルテサオとでも呼ぶのかな?
私は彼の存在を知らなかったのですが、バイオグラフィーを見てみると、今までは自国のポルトガルでの活躍が多かったようですが、ここ最近ヨーロッパの他の国で彼の作品を見る機会が増えてきているようです。例えば去年ルクサンブールのMUDAMで開催された、ポルトガル出身の若手現代アーティストを集めた展覧会でも、彼の作品が展示されていたようですね。

壁が朽ちてペンキがはがれ放り出された廃墟のように見える劇場や、もはや生活の空間ではなく展示室であるかのように見える住宅のサロンなどを題材として扱った絵画作品たち。作品を遠くから見ると、まるで写真のようですが、近づいてみるとそれがどうしてかわかります。油絵がプレキシガラスで覆われ、そのせいでつるつるした写真のように表面に光が反射しているのです。
parisart-15-ST-Cortesao-02G-43956.jpg
描かれているインテリアや劇場の内装なども、良―く見ていくと、キャンバスのようなはっきりとは知覚できない妙な物体が空間を飛んでいたり、まるでクモの巣がはっているかのような白い線が画面を横切っていたり、巨大な会議場の中心に真っ青な面が描かれていたり、摩訶不思議というと言い過ぎですが、現実ではないんだという私たちを突き放すような妙な冷たさを描かれている対象から感じます。
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parisart-15-ST-Cortesao-05G-24441.jpg


私が撮った写真がいけてませんねー。でも一応載せときます。

DSCN0721.jpg DSCN0723.jpg


彼の作品のように、いまではもう既に近代建築史やデザイン史の一ページになってしまった、なんだか少し時代遅れなんだけれども、やはりいつまでも美しい、20世紀の現代建築やその内装を題材とする絵画を最近よく見かけるように思います。例えばこの間記事にしたポール ウィンスタンレーは、題材の切り取り方や光の用い方は異なるけれど、作品の放つ冷たさのようなものは Gil Heitor Cortesao にも感じられることであるし、 Gil Heitor Cortesao と年代の全く違うデザインを選びながらも、Rosson Crowは「キッチュ」という言葉でしばしば括られるようなデザインの内装を、 Gil Heitor Cortesaoと同じようにキャンバスの中で踊らせて、若いのにすっかりスターになりました。また Gil Heitor Cortesaoが古びた建物の中を選ぶなら、Enoc Perezはその外側だけをメランコリックに描きます。Gil Heitor Cortesaoのほうが落ち着いた感はあるけれど、じっと作品の前に立って視線を絵の上にはわせていると、Jules de Balincourtのパレットに見るビビットな色や暴力的な構成を発見します。

しかしまあ、この作品たちは売れるでしょうねー。スザンヌ タラズィエヴ ギャラリーは元々画家を多く抱えているギャラリーで、顧客層も、たまに流行に流されて作品を買ったりもするけれど、きっちり自分たちに見合っているのは何かをわかっているフランスやヨーロッパ、はたまたアメリカのブルジョワジー階級のお金持ちで構成されているのでしょう。そういう顧客にとっては、はやり廃りのない最高の絵画作品たちだと思います。そのうえ今回の展覧会で展示されていた作品のサイズとしては、比較的大きいものあったけれど、どれも、どちらかというとそんなに広大ではないパリのアパルトモンのちょっと空いた壁にかけられる大きさ。そう、ちょうど居間の暖炉の上の空間にかけたくなるサイズ。くー!やりおる!スザンヌ タラズィエヴがどれほどの売り方をするのかよく知りませんが、これならすぐに全作品売れてもおかしくないと思います。それにしても彼女のお抱えアーティストは大きい作品も制作するけれど、上で書いたようなパリのブルジョワたちのアパルトモンにちょうどいい大きさの作品もよく展示してる。これはアーティストたちがただ単にそういうものも制作するんでしょうかね。スザンヌ タラズィエヴがそのへんのアドヴァイスもうまいこときっちりしてるんでしょうかねー。

ヴェルニサージュのややこしいときだったので、価格を聞かずに出てきてしまいましたが、まだまだびっくりするほどの値段はついてないはず。100万円以下で買える作品もたくさんあるはずです。(完全なる予想です。えらそうに言っちゃったりしてね。へへ。)ほしーなー。ま、どうせ買えへんから迷う必要も急ぐ必要もないんですけどね。

最後に一言。ここのギャラリーに来たときは遠慮なく地上階奥にある階段を降りて行ってください。地下はちょっと倉庫みたいになっている部分もありますが、結構広い展示室でもあって作品もいくつか展示されています。
では機会のあるかたは、是非どうぞ。

Suzanne Tarasieve Paris
171 rue du Chevaleret
75013 Paris
tel : +33 (0)1 45 86 02 02
fax : +33 (0)1 45 86 02 03
info@suzanne-tarasieve.com
火ー土 11時ー19時


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2008/06/02 (Mon) 公募展 by FetArt

ほったらかしにしすぎてて、もう締め切り間近になってしまった公募展の募集です。
パリでは毎年秋になると、Mois de la Photographie a Paris(パリ写真月間)と題して11月の一ヶ月間、パリ中で写真展が開かれます。そのイベントに際して、FetArtというアソシエーション(非営利団体)が、グループ展を開催するための写真家を募集しています。

テーマはこちら。
l'Europe entre tradition et mutation
Il s'agit de permettre a des artistes de confronter leur regard sur l'Europe et d'experimer leurs identites culturelles au sein d'une identite commune "l'Europe"
日本語に訳すと、「伝統と変動の狭間にあるヨーロッパ」でしょうかね。ものすごい直訳しますと、「「ヨーロッパ」という共通のアイデンティティーの中で、ヨーロッパに対する視点を比較し、文化的アイデンティティーを表現する」らしいですわ。

ヨーロッパ人じゃない私たちにとって、あんまり関係のないお題のような気もしますが、だからこそ逆に面白いことが提案できたりするかもしれません。ヨーロッパに住む日本人である私たちも、「移民ヨーロッパ人」としての視点を確実に持っていると思うのです。日本在住の方たちだっていろんな視点があるはず。

そう思って一応ここに載せることにしました。

応募の締め切りは2008年6月14日。
審査は6月19日。

詳しい情報はこちらからどうぞー。


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2008/06/02 (Mon) アーティスト イン レジデンス@Kunstlerhauser Worpswede

「アーティスト イン レジデンス 公募展」のカテゴリで、個人的に「あーいややなー。」と思うことがあったので、少し遠ざかっていましたが、時間がたってまたどうでもよくなってきたので再開しまーす。
と言っても、前ほどのやる気も大してないので最小限の情報を書くだけで済ますことにしていきます。あしからず。

10日ほどほったらかしていた情報ですが、ドイツのWorpswedeという街?村?にあるKunstlerhauser Worpswedeというアーティストレジデンスが2009年に滞在するアーティストを募集しています。

このレジデンスについて全く知識がないので、あーだこーだ言えません。
基本情報としては、

年齢国籍は一切問わず。
募集アーティストはファイン アートまたはサウンド アートの二分野。
応募の締め切りは2008年7月10日まで。
滞在期間は6ヶ月で、どうもいつから始めてもよさそうです。
レジデンスに付随するワークショップだとかシンポジウムだとかディスカッションだとかはもちろん、毎月1400ユーロが支給されます。

興味のある方はこちらからどうぞー。


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プロフィール

Author:kana
パリにある現代美術ギャラリーで下っ端としてハタラク。

京都生まれの京都育ち。2000年5月にフランスはリヨンに来て4年何ヶ月かほど過ごし、2004年9月から現在に至るまでパリに、猫のミントと一緒に生きています。

こんなものも書き始めました。
「パリ現代アートギャラリー攻略ブログ」
http://kana-sunayama.iza.ne.jp/blog/
こっちでも書いてます。
SHIFT
http://www.shift.jp.org/

2007年春に、フランス人の友人&ブラジル人の友人と共に、キュレーター団体をNPO法人としてパリで立ち上げました。
現在は、記念すべき一つ目の展覧会に向けて忙しくしています。
そんなわけでとにかく少しでも多くのアーティストさんたちとの交流を求めています。
「こんな面白いアーティストを知っているよ。」という人は立候補でも推薦でも、気軽にコンタクトください。
(と書いたら、早速たくさんのメールを頂くようになりました。ひとりひとりにお返事ができない状況です。返事がなくても落ち込まないでください、、、。)

やる気が出るのでクリックください。
よろしく!


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